近年、商用印刷や企業内印刷の分野では、印刷物の多品種・小ロット化により必要な時に必要な部数を、低コストで印刷できるオンデマンドプリンティングに対するニーズが拡大しています。この分野では主に印刷物そのものが商品となるため、中核となるプリントエンジンには今まで以上の高画質化が求められています。これらのニーズに応えるべく、リコー独自の方式により印刷物の画像濃度ムラを低減させる技術を開発し、高画質化を実現しました。
一般的に画像濃度ムラはトナーの付着量の変動により発生し、その変動は画像形成に関わる感光体や現像ローラなどの部品の寸法や使用環境に起因しています。
リコーの画像濃度ムラ補正技術では、機内の中間転写ベルト上に画像パターンを作成し、その画像パターンをフォトセンサーで読み取り、読み取った画像データから濃度ムラパターンを検出します。そして、検出した濃度ムラパターンに応じて、その濃度ムラを打ち消すように現像ローラや帯電ローラへの印加電圧を補正します(図1)。
その結果、トナー付着量は均一になり、印刷物の画像濃度の均一性が向上します(図2)。
一連の画像補正動作はすべて複合機内部にて自動で行われるため、補正のために試しに印刷する必要はありません。