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トナーカートリッジ生産ラインの自動化

自動化技術により世界共通の高品質・高生産性を実現

背景

リコーのMFP(マルチファンクションプリンター)は、世界各国・各地域で利用されています。お客様に快適な印刷環境を提供するためには、印刷に不可欠なトナーカートリッジを、高品質かつ迅速にお届けする必要があります。

リコーは長年にわたりMFPを生産しています。モノクロ印刷が主流で製品の種類も少なかった時代は、粉状のトナーをトナーボトルに充填する際に、大量に同一のトナーを高速充填するために、大型の設備を使用していました。

その後、印刷のカラー化やお客様のニーズの拡がりによる製品の種類の増加に伴い、トナーおよびトナーカートリッジの種類も大幅に増えました。そこで、発注量に応じたトナーカートリッジの多品種少量生産に対応するため、従来のトナー充填機と比較して生産品種の切り替え時間1/40、設置スペース1/40のコンパクトなトナー充填機を開発しました。この充填機は小型なため、トナーの生産拠点だけではなく物流拠点や販売会社にも導入されました。お客様により近い場所でのトナー製品の生産・出荷が可能になり、トナーカートリッジの輸送に伴う環境負荷やリードタイムの短縮にもつながっています。

また、全世界でのさらなる高品質化の実現に加え、人手不足の解消やコスト削減をするために、リコーはトナーカートリッジ生産ラインの自動化に取り組んでいます。

トナー充填ラインの変遷(大型から小型化、そして自動化へ)

大型充填ライン →

→ 自動化充填ライン

解決したこと

トナーカートリッジの生産ラインでは、トナーボトルへのトナー充填やトナーカートリッジの組み立てや検査を、人による組立や官能検査で実施していたため、品質が作業者の熟練度に依存していました。トナーカートリッジの高機能化に伴い構造が複雑になり、人手での作業の難しさや品質の確保が課題になっています。

リコーは、ロボットによる組立や画像カメラなどによる検査装置の自動化やIoT(Internet of Things)技術の活用で、トナーカートリッジ生産ラインの自動化を可能とし、高品質化・高生産化を実現しています。

トナーカートリッジの品質を全世界で保証できる世界共通品質を実現するために、リコーは品質に影響するキー技術をグローバルデザインとして設計し、世界に展開することでより高品質なものづくりを行っています。また、同一デザインの充填ラインを世界に展開する事で、リードタイムの短縮にも貢献しています。

技術の特徴

トナーカートリッジ生産ラインでは、以下のような一連の作業を行っています。

  1. トナーを機種に応じたトナーボトルに充填
  2. トナーボトルに部品組付け
  3. 漏れ等がないかの品質検査
  4. 製品名を記載した個装箱および外箱に梱包

充填

→ 部品組付け → 検査

→ 梱包トナー充填ラインの概要

従来人手で行っていた作業をロボットの自動作業に置き換えるため、次のような取り組みを行いました。

1.トナー充填

小型篩装置

大量のトナー(バルクトナー)を、リコー独自の気流を利用した小型篩(ふるい)装置と小型トナー充填機を使って、機種に応じたトナーボトルに充填。省エネルギー、省スペース化になり、効率も向上しました。

2.トナーカートリッジ組付け

トナーボトルにプラスチックのパーツをロボットで組付け、トナーカートリッジにします。圧力センサー等でデータをモニタリングしながら、組付け作業と同時に組付け状態を確認するため、品質の安定化と工数削減が可能になりました。

3.品質検査

従来のトナーカートリッジ生産ラインでは、作業者による確認や目視等の官能検査で品質保証を実施してきました。トナーカートリッジを手で振り、目視でトナーの漏れがないことを確認していましたが、要求される精度が上がってきたことと、生産の高速化に伴い、人の判断では難しいレベルになってきました。ロボットの作業と専用の検査装置を組み合わせる事で、安定した、バラツキの少ない検査が可能になり、不良品の流出をなくすことができました。

検査のBefore/After

4.梱包

従来、人の手作業で行っていた梱包は、段ボールやビニール袋などの柔らかい材料を扱うために自動化が難しいとされ、工数削減が難しい工程でした。ロボットと治具を組み合わせて人の動きを再現させることで、梱包工程の自動化に成功しました。

梱包時にオンデマンド印刷で個装箱と集合箱の両方に商品名やバーコードを印刷することで、多品種の梱包にも柔軟に対応できるようになりました。

梱包のBefore/After

リコーの想い

このトナーカートリッジ生産技術は、日本だけでなく世界各地にも展開されています。世界共通品質を維持するとともに、今後はAI(人工知能)、IoTなどの先端技術を活用して、QCD(Q…Quality:品質、C…Cost:コスト、D…Delivery:納期)のさらなる向上を図っていきます。