リコーグループは、生物多様性の保全のみならず地球温暖化防止、持続可能なコミュニティ発展の観点からも森林保全が重要と考え積極的な取り組みを行っています。「守る」「増やす」の両面で100万本の森づくりを目指して活動を進めています。また、環境NGOなどの専門家とパートナーシップのもとでの森林保全活動や、自治体・地域住民といった地域を主体とした様々なステークホルダーの皆さまと一緒に里山の保全活動などを実施しています。
年度 | 森林保全活動のあゆみ |
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1999 | 森林生態系保全プロジェクト開始 |
2014 | ステークホルダー協働の森活動開始 |
2020 | 100万本未来の森プロジェクト開始 |
2023 | 環境相自然共生サイト認定取得 |
リコーグループは、生物多様性の保全のみならず地球温暖化防止、持続可能なコミュニティ発展の観点からも森林保全が重要と考え積極的な取り組みを行っています。「守る」「増やす」の両面で100万本の森づくりを目指して活動を進めています。また、環境NGOなどの専門家とパートナーシップのもとでの森林保全活動や、自治体・地域住民といった地域を主体とした様々なステークホルダーの皆さまと一緒に里山の保全活動などを実施しています。
岐阜県南東部の恵那市に、リコーグループの生産系関連会社リコーエレメックス恵那事業所があります。1963年に工場を建設のために広大な敷地を取得し、事業所を建設した後も周辺40ha以上の森林が残っています。リコーグループでは、2010年に名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議COP10を機に、50年近くの生産活動でこの地から恩恵を受けてきた感謝と、これからも共存していく思いを込めて森林保全活動をスタートしました。
えなの森の生物多様性評目標、評価
目標:
多様な生物が棲める森を目指し、目標種(ギフチョウ、ハッチョウトンボ)が生息できる生態系を維持する。
実績:
2010年以降、目標種(ギフチョウ、ハッチョウトンボ)の生息が確認できています
2010年の秋、「アファンの森」財団の協力を得て植生調査を行ったころ、長い間人の手が加わっていない付近の森林には絶滅危惧種を含む多様な湿生植物は生息しており、独自の生態系を有していることがわかりました。2011年には、リコーエレメックス社員が中心となって森林の保全活動に着手しましたが、この貴重な森林資源を地域の皆さんと一緒に活用したいと、2014年4月、地元住民の代表者、地元企業、地元NPO団体、リコー関連会社で構成される組織「リコーえなの森中山道里山協議会」を設置し、活動を開始しました。以来、協議会が主体となって、地元のボランティアとリコーグループ社員がともに森林の間伐や、木々と希少生物の保全を進めています。活動の参加者には毎回、買い物券を贈呈しています。これは、恵那市の障がい者福祉施設「恵那たんぽぽ福祉会」との連携によるもので、買い物券は福祉会が運営する野菜・特産品直売所、パン工房などで活用できます。
さらに、地元の子どもたちの自然教室や住民の方々の散策や憩いの場所としての活用をはじめています。リコーグループでは、こういった活動を通じて、環境保全にとどまらず、次世代育成、コミュニティの活性化・発展にむけて貢献を目指します。
森林整備ボランティアの様子
子供たちが植物観察をする様子
住民の方々の健康ウォーキング。
展望台から眺望を楽しむ。
(生態系把握のため調査と評価)
えなの森では、定期的に大規模な植生調査を実施し、保全状態を把握し改善しています。
・関連情報
福井県下久米田では、手付かずの森林を整備することで生物多様性を保全し、人と動植物が共存する里山づくりを目指して活動しています。また、この里山を地域の交流や自然環境の学びの場として活用を計画しています。
<ねらい>
※坂井市との包括的協定の活動の一部と位置づけて実施する。
<具体的な活動>
<活動の様子>
坂井市、地域団体、地主様との連携
森林の整備
地域の識者によるレクチャー
山梨県韮崎市では、市の自然公園の森林を定期的に整備することで生物多様性を保全し、地域の人々が楽しめる学びの森づくりを実施しています。
<ねらい>
<具体的な活動>
<活動の様子>
地域環境団体によるレクチャー
森林の整備
自治体やお客様との協働
リコーグループでは2001年から、やんばる森林保全プロジェクトとして生態系豊かなやんばるの森を守り地域の発展につながる活動支援をしてきました。2016年にはやんばるの森が国立公園として、そして2021年には世界遺産として登録されました。リコーグループは2016年、新たに地域と連携した活動によりチョウの棲む里づくりを開始しました。
<ねらい>
沖縄県大宜味(おおぎみ)村や地域団体等と連携し、同地域に生息する60種類以上いるといわれるチョウの棲む環境を保全していきます。
※大宜味村との包括的協定の活動の一部と位置づけて実施する。
<具体的な活動>
リコーグループの社員や家族、地域団体、住民、学生などと連携して、大宜味村沿道の除草やチョウの成長を助けるためのサンダンカとハイビスカス等の植えつけ、保全を通して豊かなやんばるの自然と人々が触れ合える「里山バタフライガーデン」の実現を目指します。
<活動の様子>
学習院大学との協働
蝶を保全する植樹
<ねらい>
佐賀市と連携して本活動を開始し、地元のどんぐりの樹を守り生態系豊かな森をつくるとともに、佐賀の水源を守ることでSDGsへの貢献を目指しています。
<具体的な活動>
定期的に、リコーグループの社員や家族、佐賀県、佐賀市、地域企業、地域団体などと連携して、植樹、森林近辺の除草作業、樹木の枝打、倒木等の除去、間伐材のチップ化と林道への散布などの保全作業に加え、指導員による環境講話なども実施しています。
<活動の様子>
植樹の様子
森林整備の様子
<ねらい>
光市、株式会社ビークルエッセ、リコーグループが連携し、冠山総合公園の森林整備を通して「ふるさと光の豊かな自然との共生を目指す里づくり」を目指す。
<具体的な活動>
光市住民、リコーグループの社員や家族が定期的に、植樹、森林近辺の除草作業、樹木の枝打、倒木等の除去などの保全作業を実施。
本協定で主な活動フィールドとなる冠山総合公園は、梅を中心に四季を通じて花木が楽しめ、憩える市で唯一の総合公園です。梅の里の他、子どもの森、芝生広場、日本庭園、オートキャンプ場など、豊かな自然を誰もが気軽に楽しむことができます。
<活動の様子>
協定締結式の様子
第1回森林整備
遊歩道整備、森林整備の様子
<ねらい>
山形県、門伝生産森林組合と共同で、山形県が推進する「森林を健全な姿で未来に引き継いでいくための森林整備と、活動を通じて企業、地域などが多くの絆で結ばれ地域の活性化」を目指す。
<具体的な活動>
(1) 活動の目標
(2) 活動項目
<活動の様子>
協定締結式の様子
森林整備の様子
リコーグループ国内販売会社のリコージャパンでは、お客様に対象の製品・サービスをご導入いただくと、その実績に応じて、NPOなどを通じてフィリピンとインドネシアでマングローブの植林を行っています。これをお客様へご報告することで、SDGsの輪を拡げ、お客様と一緒にSDGsの達成を目指しています。
連携団体:
特定非営利活動法人イカオ・アコ
http://ikawako.com/
ワイエルフォレスト株式会社
https://ylforest.co.jp/
リコービンタンの森
社員一人ひとりが地球市民としての意識をもって、自主的に社内外で活動を実践することを奨励しています。 全国各地で社員が仲間を集めこの活動に取り組んでいます。
環境ボランティアグループ「ざつきりんセーバー(That's Kirin Saver)」は、2000年10月、秦野市役所、地域地権者の方々と保全活動のエリアを協議し、合意を得たのが始まりです。以来、原則月1回、リコーグループ社員とOB、地域住民の自然を愛する人たちが集い、震生湖畔の約1万平方メートルの里山保全活動に取り組んできました。
活動の舞台である震生湖は秦野市南部の渋沢丘陵にある湖で釣りやハイキング、野鳥観察などで地域の人々に親しまれる場所です。メンバーは、うっそうと樹が茂って光が差しにくくなった里山を多様な植物、虫、鳥、人々が集い、季節の移ろいが感じられる森へと生まれ変わらせています。一年間の活動は季節のサイクルに従って行われます。春から夏にかけては、地面に光をあてるための下草刈り、林内整備や木材チップづくりを行います。秋には植生や生き物の調査を行い、晩秋は落ち葉かきで忙しい時季となります。気温が下がる11月末から冬にかけてが間伐のシーズンで、2月にはできた木材を椎茸のホダ木(しいたけ菌を植える原木)などにして楽しみます。保全作業とともに四季に応じたふれあいイベントを開催し、ツリークライミング、椎茸の菌打ち、もちつきなどが地域の方々にも親しまれています。
これまでの活動で、すでにふれあい広場や雑木林が出来上がっており、現在は湖につながる傾斜地の保全も着手しています。
また、他県の保全活動のメンバーと情報交換するため、出張ボランティアに出向くこともあり、ざつきりんセーバーの活動の輪は地域だけでなく、日本の各地に広がっています。
活動の様子
「リコー千葉ふれあいの森」森林保全活動は、千葉県の里山条例に基づき、竹が繁茂する杉林の手入れに困った地主と協定を結び、2004年にスタートしました。以来、リコーの環境ボランティアグループ「千葉ふれあいの森保全会」は、(1)下草整備で森の活用度を上げる、(2)スペースを確保してレクリエーション設備を作る、(3) 設備の材料には間伐材を利用、という3つの柱を定めて活動を続けてきました。
春には桜の咲く中ジャガイモの植えつけ、夏は下草刈り・虫の観察・夏野菜の収穫、秋は間伐材の整理・シイタケのホダ木作り、冬は餅つきなどの活動を実施しており、一年を通して自然の恵みを肌で感じ、森を大事に守る活動をすすめています。
活動の様子
地球上には、森林、湖沼、珊瑚礁、海洋など、さまざまな生き物の生息地があり、それぞれに特有の生態系が保たれています。生態系が崩壊すれば、人類の生命維持に必要な自然環境も崩壊します。 リコーは、生態系の中でも、特に生物多様性が豊かな「森林」に注目して、1999年度から環境NGOや地域とのパートナーシップのもとに「森林保全プロジェクト」を展開しています。 これらの活動は単なる植林とは異なり、土地固有の生物種の生息域や住民生活を守ることを主眼とするもので、持続的な森林管理の枠組みの構築を目的に行われています。
プロジェクトの目標達成のステップ
|
プロジェクト名称 |
パートナー |
国名 |
実施期間(年) |
活動成果 |
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1 |
さとやまの復元 |
ボーシュ |
バングラデシュ |
1999~2007 |
|
2 |
世界遺産地域の森林保全と復元 |
スリランカ野鳥鳥学グループ |
スリランカ |
2000~2007 |
|
3 |
熱帯雨林回復* |
コンサベーション・インターナショナル |
フィリピン |
2000~2010 |
|
4 |
日野市・さとやま保全 |
日本野鳥の会 |
日本 |
2000~2003 |
|
5 |
熱帯林・オランウータン生息域回復* |
WWF |
マレーシア |
2000~2010 |
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6 |
温帯林・パンダ生息域回復* |
WWF |
中国 |
2001~2007 |
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7 |
熱帯雨林回復* |
コンサベーション・インターナショナル |
ガーナ |
2002~2013 |
|
8 |
大西洋岸低地熱帯林ボアノバにおける森林復元 |
バードライフ・インターナショナル |
ブラジル |
2007~2015 |
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9 |
北限のトラ生息域タイガの森保全 |
地球・人間環境フォーラム |
ロシア |
2004~2018 |
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10 |
三江併流世界遺産の生物多様性保全 |
アジア緑色文化国際交流促進会 |
中国 |
2007~2018 |
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11 |
沖縄やんばる森林保全 |
やんばる森のトラスト |
日本 |
2001~2019 |
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12 |
アファンの森保全 |
C.W.ニコル・アファンの森財団 |
日本 |
2001~2020 |
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13 |
マレーシア・マングローブ再生 |
バードライフ・インターナショナル |
マレーシア |
2011~2020 |
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14 |
メキシコ オアハカ州・チアパス州マングローブの再生 |
バードライフ・インターナショナル |
メキシコ |
2015~2021 |
|
~人が適切に関わることで、森の再生能力を高める。生物も人も共に生きる森づくり~
アファンの森は、長野県黒姫にある約3万坪の森です 。一度荒廃した森の生態系は容易には回復せず、自然の再生力だけでは数百年の歳月を要するため、人が適切に関わって再生の手助けをすることが重要です。
プロジェクトでは「自然の遷移に合わせた長期的に安定した天然林の回復と保全」を目標として、優先的に成長を促す樹木の選定や、天然更新しやすい環境の整備を行ってきました。
活動の結果、森の生き物たちの種類が確実に増えていることが確認されています。100年後の森の姿をイメージして、「計画に合わせた活動の実施」、「効果を検証するための調査」を繰り返し行い、人が関わることで森の再生力を高めるより良い方法を選びながら活動しています。
プロジェクトのシンボル種:ヤマネ
初期のアファンの森
活動により再生された森
アファンの森を訪れたリコー近藤社長(当時)(左)と、
アファンの森財団理事長C.W.ニコル氏(右)
財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団
2002年設立。長野県黒姫にあるアファンの森にて、人と多様な生き物達が共生できる森づくりをテーマに、森林の生態学的調査や研究・保全活動を実施。C.W.ニコル氏(作家・ナチュラリスト)が理事長。
詳しくはこちら
~かけがえのなさに気づけば、森は未来に残される。固有の生物たちを育む森を受け継ぐために~
沖縄島北部に広がるやんばる(山原)の森は、天然記念物のヤンバルクイナやリュウキュウヤマガメなど多くの固有種が生息する貴重な森林です。
ダム建設や林道開設により、森林は分断され、生態系に悪影響が起きています。
本プロジェクトは、地域住民や訪問者に森の大切さを伝えて森を守る人々の輪を広げ、自然観察会やトラスト地の確保を行い、やんばるの森の自然を守っていくものです。
目標の一つであった国立公園化が2016年9月に実現し、現在は自然観察会やグリーンツーリズムの定着に向けた活動を実施しています。
プロジェクトのシンボル種:ヤンバルクイナ
やんばるの森の景観
トラスト地の看板
子供たちを対象にした自然教室の様子
プロジェクト紹介動画
やんばるの森トラスト
生物多様性に富む沖縄本島北部地域で、野生生物のためのトラスト地を確保し、生息環境の保全と自然保護の推進に寄与することを目的に活動。
~海と森、2つの生態系を併せ持つマングローブの森を再生し、動植物の生息域を守る~
マングローブは、マレーシアの典型的な生態系の一つで、生物多様性豊かな場所です。一方で、不法侵入や違法伐採などにより、マングローブは年々減少しています。このプロジェクトでは、地域住民と一緒にマングローブの森とその生態系の重要性を共有し、環境教育や植林活動を通じてマングローブの森の再生と持続的な保全を目指します。
多様な生態系の宝庫である湿地帯
マングローブの苗木
この地域に生息している
ビロードカワウソ
植林の様子
プロジェクト紹介動画
バードライフ・インターナショナル東京
国際環境NGOバードライフ・インターナショナル(本部・英国ケンブリッジ)の日本法人。
アジア各国のパートナー団体と緊密に連携し、アジア地域における鳥類を保護するとともに、人々が健康で幸福に暮らすことができる自然環境の維持・向上に寄与することを目的としています。
~マングローブ伐採によって渡り鳥、絶滅危惧種の安住の地が危機に。森林、湿地の再生と地域住民の生計確保を目指して~
オアハカ州とチアパス州に広がるマール・ムエルト干潟、エンクルシハダ生物圏保護区は、多様な湿地の生態系を有し、ガンカモ類をはじめ水鳥が多く見られます。また、北米と南米をつなぐ細いくびれに位置する渡り鳥ルートの要所であり、多くの絶滅危惧種の重要な生息地となっています。この地域では、水路や堤防の建設、養殖、製塩などのさまざまな人間活動によるマングローブ林の伐採が進み、乾燥化と生態系のダメージが拡がっています。リコーは地域住民、NGO等と協力して、マングローブ林復元・修復のパイロットエリアを定め、2015年7月より支援を開始しました。このプロジェクトは生態系保全と並行して、雇用促進、漁業の生産性向上など、地域住民の生計向上に寄与することも目的としています。
オアハカ州、チアバス州の南太平洋沿岸地区
植林の地域住民の方々への説明
マングローブ林内の整備
マングローブを植える様子
プロジェクト紹介動画
バードライフ・インターナショナル東京
国際環境NGOバードライフ・インターナショナル(本部・英国ケンブリッジ)の日本法人。
アジア各国のパートナー団体と緊密に連携し、アジア地域における鳥類を保護するとともに、人々が健康で幸福に暮らすことができる自然環境の維持・向上に寄与することを目的としています。
2023年度から開始された環境省自然共生サイト認定制度において、「リコーえなの森」「リコー環境事業開発センター」の2か所が認定されました。
岐阜県恵那市に所有する約40haの「リコーえなの森」は、2010年、名古屋での生物多様性国際会議(COP10)を きっ か けに、社員がボランティアで森づくり活動を開始し、2014年には地域の自治会、企業、団体とともに森づくり活動団体(リコーえなの森中山道里山協議会)を結成しました。森の整備活動に加え自然観察会や生き物モニタリング活動など生物多様性保全活動の輪を広げています。
(生態系把握のため調査と評価)
えなの森では、定期的に大規模な植生調査を実施し、保全状態を把握し改善しています。
<調査レポート①>
2010年9月の植生調査では、85科289種の植物が確認され、絶滅危惧種も6種確認しています。具体的な森の状況は、全体はコナラやクヌギの薪炭林が中心で、湿地やその水源などに、ホザキノミミカキグサ、谷筋にシデコブシ、サクラバハンノキなどの貴重種が生息しています。昆虫については、湿地エリアにハッチョウトンボが、また春先には林縁でギフチョウが確認されました。
<調査レポート②>
2016年の植生調査では、96科337種の植物(2010年より数多く)が確認され、10種の絶滅危惧種も確認されました。2010年と比較し、植生やその多様性が維持され、ほぼ同等かそれ以上の状態であると考えられます。
帰化率については18種6.2%から26種7.7%と増加しており、2010年に林縁だけで見られた帰化植物が、森の出入口付近やその林道沿いにも見られるようになりました。脅威を感じるほどの群落はないものの、生きた森づくり活動(保全活動)の中で、この帰化植物の駆除活動も行っています。
目標種であるギフチョウ、ハッチョウトンボを中心に昆虫調査を実施した結果、トンボ28種、チョウ23種、甲虫15種、その他11種が確認されました。活動当初に昆虫調査を実施していないので比較できないが、目標種のギフチョウ、ハッチョウトンボは増加傾向にありました。
また、2016年に実施した植生調査や昆虫調査の結果は、生きた森づくり活動(保全活動)に参加していただいた方々の前で、報告会を開催し、参加した皆さんと活動の成果を共有でき、植生豊かな森であることを知っていただく良い機会となりました。これらの調査には地元の動植物保全団体と連携して実施しています。
<調査レポート③>
2023年の植生調査では、2016年より多くの147科479種の植物が確認され、11種の絶滅危惧種(環境省、岐阜県)も確認されました。2016年と比較し、植生やその多様性がすすんだ状態であると考えられます。帰化率については26種7.7%から46種10%(恵那市平均12.6%)と増加しています。脅威を感じるほどの群落はないものの、生きた森づくり活動(保全活動)の中で、この帰化植物のさらなる駆除活動も行っています。
目標種であるギフチョウ、ハッチョウトンボを中心に昆虫調査を実施した結果、トンボ41種、チョウ37種、甲虫87種が確認され、ギフチョウ52頭、ハッチョウトンボ216頭が確認されています。
2023年調査でも地元の動植物保全団体等と連携して実施しています。調査にライトアップを取り入れたり、目標種の確認をイベント化して進めるなど新しい取り組みにより多くの生物の発見につながりました。
エトリア環境事業開発センター内にある約2.2haの緑地は、富士山の裾野の豊かな自然環境のもと、ヒノキ、アベマキ、サクラなどの植林木、竹林、草地、調整池などとともに、蝶、トンボ、甲虫、セミなど多種多様な生き物が生息しています。特に蝶は、ウスバシロチョウ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲなど33種が確認されています。昆虫の生息に適した環境が維持されていることが評価されました。
持続可能な社会を構築するためには、持続可能な調達が重要と考え、ESG・購買・生産・販売など関連する部門からグローバルでメンバーが集結し、2022年に「グローバル紙調達プロジェクト」を発足しました。各地域における課題を共有し、リスクマネジメント活動としてのサプライヤー
へアンケートを実施するなど、このプロジェクトを通じて、環境負荷を減らした紙の調達の重要性を各地域のメンバーが認識し、再生紙やECF紙などの環境配慮した製品の調達を進めることで、お客様に安心して用紙をご使用いただけるように活動しています。リコーグループでは、2010年に「リコーグループ製品の原材料木材に関する規定」を制定していますが、用紙についての方針をさらに明確にするために、2023年、環境面と人権や地域での操業に配慮した「用紙調達方針」を新たに制定しました。これらの方針・規定に基づいて、事業活動に伴う環境負荷を削減すると同時に、地球の再生能力を維持し、高める取り組みを進めています。
年度 | 紙の資源に関する主な取り組み |
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2010 | 「リコーグループ製品の原材料木材に関する規定」制定 |
2022 | グローバル紙調達プロジェクト」発足 |
2023 | 「用紙調達方針」制定 |
2024 | 「持続可能な紙の調達100%」目標設定 |