ニュースリリース
2002年7月25日
株式会社リコー
1. | 「社会コスト」(環境負荷の金額換算)の把握 | ||
今回の環境会計で、「事業活動に伴ない発生した環境負荷による地球環境へのダメージを回復するために要する、責任者を特定できないコスト」と定義されている「社会コスト」の把握を行いました。この「社会コスト」の削減への取り組みは、環境保全活動の最重要課題のひとつであると認識しています。「社会コスト」の算出方法は、EPS* (Environment Priority Strategies for Product Design) Ver.2000の環境負荷の金額換算モデルをベースにしています。
EPS*の環境負荷の金額換算モデル例: ・CO2 1tを排出した場合、その「社会コスト」は11,945円になる(11,945円/t-CO2)
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2. | 新しい環境経営指標 | ||
環境経営のレベルを評価するには、効率的に環境負荷削減ができているか、適正な環境負荷で事業活動が行われているかを測定する指標が必要になります。そこで従来の「環境改善効率」「環境負荷利益率」「環境改善指数」「環境負荷利益指数」に加え、新たに下記の6つの指標を開発しました。これにより、より多角的に環境経営のレベルを評価することが可能になります。
・「社会コスト改善率」=社会コスト削減総額/環境保全コスト総額 ◇効率よく社会コスト削減がなされたかが判る指標 ・「社会コスト利益率」=売上総利益/社会コスト総額 ◇企業の適正な社会コストで利益が獲得できているかが判る指標 ・「環境負荷売上指数」=売上高(千円)/環境負荷換算値総量 ◇事業規模に見合う環境負荷で事業活動がなされているかが判る指標 ・「社会コスト売上率」=売上高/社会コスト総額 ◇事業規模に見合う社会コストで事業活動がなされているかが判る指標 ・「環境効果率」=環境効果(経済効果総額+社会コスト削減総額)/環境保全コスト総額 ◇環境保全活動の経済合理性が判る指標 ・「環境収益率」=経済効果総額/環境保全コスト総額 ◇環境保全活動が経済合理性をもって行われているかが判る指標 |
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3. | エコバランスの考え方を導入した環境会計 | ||
「材料・部品調達」「製造」「輸送」「販売」「使用」「保守」「廃棄・リサイクル」といった事業の各プロセスで発生する環境負荷を、「資源影響」「人間健康影響」「生態系影響」「生物多様性」といった環境影響の各項目ごとに把握し、より内部管理に役立つ環境会計を試行しております。また、環境省の環境会計ガイドラインで対象としている環境保全コスト(環境負荷を低減させるためのコスト)に加え、部品材料や使用エネルギーのコストも環境コストとして算出いたしました。さらに、事業のプロセス別の環境保全活動レベルを、上記の環境経営指標により評価しています。具体的には、環境効果率が1以上であれば「環境保全」であり、さらに環境収益率も1以上であれば「環境経営」のレベルであるといった評価が可能になります。
リコーグループの環境保全活動の3つのレベル
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4. | 対象範囲の拡大 | ||
コーポレート環境会計の集計対象範囲に国内外の販売会社など63社を加え、合計79社に拡大しました。(昨年度実績:16社) |