ニュースリリース
ミドルウエアによる画像処理を実現した高性能画像処理プロセッサLSI「Ri10シリーズ」の販売を開始
株式会社リコー(社長:桜井正光)は、医療機器や各種検査装置、スキャナーなどの用途向けに、ミドルウエア※による静止画像処理を実現した高性能画像処理プロセッサLSI「Ri10シリーズ」の販売を開始いたします。
※ソフトウエアの中で、よりマシン語に近いレベルで記述されたもの。
シリーズ名 |
Ri10シリーズ |
製品名 |
RF5V861 |
RF5V860 |
RF5V851 |
サンプル価格 |
30,000円 |
20,000円 |
15,000円 |
受注開始 |
2003年4月 |
2003年2月15日 |
月販個数 |
当初1万個 |
今回販売を開始する「Ri10シリーズ」は、リコー独自の超並列処理エンジン”Ri10コア”を内蔵した高性能画像処理プロセッサLSIです。従来ASIC(特定用途向けカスタムLSI)やFPGA(基板上で回路の書き換えができるLSI)といったハードウエアで行われていた画像補正や拡大・縮小、階調等の高精度・高速画像処理をソフトウエア(ミドルウエア)で可能にすることにより、システム開発の柔軟性向上、開発期間・コストの大幅な削減を実現します。
画像処理のミドルウエア化は、デジタルテレビなどの分野では一般化していますが、複写機のように大量のデータ処理が必要とされる分野では、2001年2月にリコーが初めて実現し、以来リコーの主力複写機に「RF5V860/851」を採用してまいりました。
リコーでは、これらのデバイスが高精度、高速画像処理が必要とされる医療機器(超音波診断装置、X線装置など)、各種検査機器(外観検査を行う非接触検査機器など)、スキャナー、写真の画像処理機器をはじめとした分野に応用できることから、「RF5V860/851」により高性能な「RF5V861」を加え、「Ri10シリーズ」として広く外販を開始するものです。
ミドルウエアの開発に必須なソフトウエア開発ツールはガイオ・テクノロジー株式会社、株式会社コンピューテックス、株式会社ケーアイテクノロジーより提供されます。
<Ri10シリーズ RF5V861/860/851の主な特徴>
1.画像処理のミドルウェア化により、システム開発の大幅な効率化を実現します。
(1)画像処理のミドルウエア化を実現
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- ●RF5V861は、224個のプロセッサエレメント(演算ユニットの単位)を持つ専用の超並列処理エンジン”Ri10コア”を内蔵することで、内部動作周波数230MHzで25.7GOPS(Giga Operation Per Second)という高性能を達成。(RF5V860は224プロセッサエレメント/内部動作周波数170MHzで19.0GOPS、RF5V851は128プロセッサエレメント/内部動作周波数160MHzで10.2GOPS)
- ●これにより、高精度・高速画像処理アプリケーションで必要な画像補正、拡大・縮小、階調等の処理をソフトウエア手段(ミドルウエア)により自在に実現。
(2)システム開発を大幅に効率化
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- ●ミドルウエアの作成は専用のソフトウエア開発支援ツールを使用し、作成した画像処理アルゴリズムをリアルタイムに評価することが可能。これにより、ASICやFPGAのハードウエア手段に比べ、開発・検証のサイクルを短縮でき、システム開発の柔軟性向上と開発期間・コストの大幅な削減が可能。(リコー実績で開発期間は約半分に短縮)
- ●ホスト・インタフェースを介したブート機能により、ホストとなるマイコンからミドルウエアをダウンロードすることも可能。
2.外部メモリーを削減することで、システムコストを低減することができます。
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- ●画像処理に必要なラインバッファ(主走査方向1ラインの画像データを一時保持するバッファメモリー)を18本(RF5V861/860の場合)内蔵することにより、外部にラインバッファ用のRAMは不要。(RF5V851はラインバッファを11本内蔵)
- ●主走査の走査時間内でリアルタイムに処理が終了するため、外部のページメモリーも不要。
3.多様な画像フォーマット、画像処理にスケーラブルに対応できます。
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- ●主走査画素数が8,192画素(8ビット8,192ワード)の画像を基本とし、1チップで24,576画素の画像まで対応可能。
- ●要求画像処理が1つのチップで実現できない場合は、複数のチップを画像ポート直結機能により接続することで簡単に分散処理が可能。多様な画像処理に複数のチップ構成によりスケーラブルに対応。
RF5V861