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ニュースリリース リコーとNHK放送技術研究所、360度映像技術の共同研究成果を「映像情報メディア学会 2025年冬期大会」で初公開 産業・社会を支える次世代映像体験も視野に超解像度全天球光学技術の進展を発表

2025年12月15日
株式会社リコー

株式会社リコー(社長執行役員:大山 晃、以下、リコー)は、NHK放送技術研究所(東京都世田谷区、以下「NHK技研」)と共同で進めている360度映像技術の研究成果の一部を、2025年12月18日(木)・19日(金)に開催される「映像情報メディア学会 2025年冬季大会」にて発表します。本研究では、リコーの屈曲光学系※1とNHK技研の8Kイメージセンサー※2技術を融合し、8Kを超える15K対応の小型・軽量360度カメラの開発を目指しています。リコーは、この取り組みを通じて360度カメラ技術の高度化と新たな映像体験の創出に貢献し、社外との共創による価値創造を一層加速していきます。

  • ※1
    ミラーやプリズムを利用して光路を折り曲げることでカメラの小型化を可能にする光学技術
  • ※2
    フルハイビジョンの約30倍(約5,900万画素)の超高精細な映像を撮影できるカメラ用正方センサー

背景

リコーは、独自開発した超小型二眼屈曲光学系を用いた、世界初のワンショット全天球カメラ「RICOH THETA」を開発し、360度映像の可能性を切り拓いてきました。一方、NHK技研は、2030~2040年に向けた放送メディアの未来ビジョンとして「その場にいるような世界を体感できるイマーシブメディア」を掲げ、360度映像撮影技術の研究開発を進めています。リコーは、これまで培った360度カメラ技術により、このビジョンの実現に向けて光学分野で貢献すべく、産業への応用や社会課題の解決も視野に入れながら、NHK技研との共同研究を2024年7月に開始しました。

技術概要

今回の研究では、より高精細で機動性の高い360度映像制作を目指し、リコーの屈曲光学系とNHK技研の8K×8K撮像技術を組み合わせた15K対応の360度カメラの研究開発を進めています。

従来の360度映像は、複数のカメラを使用するため撮影機器が大型化し、映像をつなぎ合わせる際に境目のズレ(スティッチングエラー)が生じるという課題がありました。そこでリコーは、独自の超小型二眼屈曲光学系を採用し、光路を折り曲げることで小型化・軽量化を実現するとともに、スティッチングエラーの低減にも成功しました。これにより、持ち運び可能なサイズでズレのない自然な映像を撮影でき、細部まで鮮明な臨場感ある映像体験を提供できるようになります。高精細化と小型化の両立により、従来は重量やサイズの制約から導入が困難だったドローン搭載や監視用カメラなどへの適用も期待されます。さらに15K対応により、360度映像をズームしても細部まで鮮明に表示でき、従来よりも高い臨場感と没入感を実現します。

発表プログラムの概要

発表日時
12月19日(金) プログラム番号:23C-1 別ウィンドウで開くhttps://www.ite.or.jp/winter/2025/program/
場所
慶應義塾大学 矢上キャンパス(Zoomを併用したハイブリッド開催を予定)
タイトル
8K×8Kイメージセンサーと屈曲光学系を用いた小型15K360度カメラの設計

今後の展開

これまでリコーは、世界初のワンショット全天球カメラ「RICOH THETA」を起点に、360度カメラ技術を展開してきました。360度カメラの市場はコンシューマー用途からビジネス用途に大きく広がっており、「RICOH360」では、撮影から記録、クラウドサービスでの共有や活用までをワンストップで提供し、現場のコミュニケーションを加速することで事業を拡大しています。また、遠隔臨場ソリューション「RICOH Remote Field」では、RICOH THETAで撮影した4K 360°映像をリアルタイムで双方向配信し、建設現場や点検業務などの生産性と安全性の向上に貢献しています。

リコーは今後も、360度カメラ技術を軸に、社外との共創を通じて、その場にいるかのような臨場感のある映像体験と、新たな映像コミュニケーションの価値を創出していきます。さらに、高解像度の360度映像センシングを活用することで、遠隔地の状況を正確かつ詳細に把握し、はたらく人や現場の迅速な意思決定を支援していきます。

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リコーグループは、お客様のDXを支援し、そのビジネスを成功に導くデジタルサービス、印刷および画像ソリューションなどを世界約200の国と地域で提供しています(2025年3月期グループ連結売上高2兆5,278億円)。

“はたらく”に歓びを 創業以来85年以上にわたり、お客様の“はたらく”に寄り添ってきた私たちは、これからもリーディングカンパニーとして、“はたらく”の未来を想像し、ワークプレイスの変革を通じて、人ならではの創造力の発揮を支え、さらには持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

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