ニュースリリース
株式会社リコー(社長執行役員:山下 良則)は、この度、脱炭素社会の実現に向けて、社会全体の再生可能エネルギー(再エネ)活用の加速に貢献するため、ブロックチェーン技術を活用して、再エネの発電から消費までをリアルタイムにトラッキングする電力取引管理システムを開発、実証実験を開始しました。
今回の実証実験は、リコーリースの発電施設が発電した再エネ由来の電力を、神奈川県海老名市の「RICOH Future House」や静岡県御殿場市の「リコー環境事業開発センター」で仮想的に消費し、その発電量や消費量をリアルタイムに把握しトラッキングするものです。システムの安定稼働の実現に必要な要件や対策、課題抽出を行います。
脱炭素社会の実現に向けて世界の動きが加速する中で、再エネ由来の電力の需要が高まっています。しかしながら、再エネ由来の電力は、天候等に左右されるため、安定的な供給が課題となっています。また、発電量と消費量がリアルタイムに管理され、安心して取引できる仕組みが整っていないため、有効活用がしにくいといった側面もあります。
本電力取引管理システムでは、各再エネの発電拠点、消費拠点に設置した計測装置で、各拠点での発電量と消費量をリアルタイムに把握し、ブロックチェーン技術を活用することにより、拠点間の発電量の過不足を可視化します。これにより、小売電気事業者が安心して電力を融通できる環境が構築され、天候等に左右される再エネ電力のリスクが分散され、再エネ電力の安定供給が可能になると考えています。
実証実験のイメージ図
また、ブロックチェーン技術を活用すると、発電量や消費量が改竄されることなく第三者が検証可能な形で記録されます。本電力取引管理システムでは、限られた事業者のみが関わるコンソーシアムブロックチェーンを活用することで、不特定多数が参加するパブリックブロックチェーンで必要となるデータの確認プロセスや運用コストを削減し、エビデンス(証書)の生成コストを大幅に下げられる効果が期待できます。このブロックチェーンに記録されたデータを証書の代わりとして用いることが可能となれば、再エネ利用コストの大幅ダウンにつながると考えております。
リコーは、2030年の自社排出のGHG(温室効果ガス)を2015年比で63%削減し、2050年にはバリューチェーン全体でGHG排出ゼロを目指す「リコーグループ環境目標」を掲げています。徹底的な省エネ活動の推進と積極的な再エネ活用に取り組むなかで、2017年4月には、事業に使う電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に日本企業として初めて加盟しました。また、今年1月から活動を開始したRE100の「アドバイザリー委員会」の初代委員にアジア企業として唯一参加することで、各国のRE100参加企業の活動をより一層加速していくための役割を担っています。
リコーは、お客様現場での課題をデジタルの力で解決してきた経験をもとに、低コストで誰もが再エネを扱える仕組みの実現に向けて、パートナー企業との連携を強めていきながら実験規模を拡充していくなど、社会全体の再エネ活用の加速に貢献するために、今後もさまざまな取り組みを推進してまいります。
リコーグループは、オフィス向け画像機器を中心とした製品とサービス・ソリューション、プロダクションプリンティング、産業用製品、デジタルカメラなどを世界約200の国と地域で提供しています(2020年3月期リコーグループ連結売上高は2兆85億円)。
創業以来80年以上にわたり、高い技術力、際立った顧客サービスの提供と、持続可能な社会の実現にむけて積極的な取り組みを行っています。
EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES - 人々の“はたらく”をよりスマートに。リコーグループは、さまざまなワークプレイスの変革をテクノロジーとサービスのイノベーションでお客様とともに実現します。
詳しい情報は、こちらをご覧ください。
https://jp.ricoh.com/
このページの内容は発表時のものです。
既に販売終了になっている商品や、内容が異なっている場合があります。