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リコーグループの働き方変革〜自社の実践事例をもとに新時代の“はたらく”を提案〜

この記事は日経ビジネス7/20・7/27号に掲載した記事体広告を転載したものです。

この数カ月で、人々の生き方や働き方は様変わりした。社員の健康・安全と事業継続の両立をどう図るかに戸惑う経営者も多い。そうした中、かねてから“はたらく”を変革してきたリコーグループが社会に提供する新たな価値とは?──同社キーパーソンの声を聞く。

SDGs目標として“はたらく”の変革に力を入れる理由

児玉涼子氏の顔写真

児玉 涼子 氏 株式会社リコー 人事本部 人事部 部長 兼 働き方変革PT リーダー

リコーは、2020年度から「事業を通じた社会課題解決」とそれを支える「経営基盤の強化」の2つの領域で7つのマテリアリティを設定し、各マテリアリティに紐づく14のESG目標を定めている。

なかでも、SDGs8、9に該当する、働きがい促進や技術革新により経済や社会、環境の持続可能性に寄与する“はたらく”の変革には大きく力を入れている。それは、経営トップが提唱する「“はたらく”に歓びを」というメッセージに呼応したものだ(図1)。

図1。「“はたらく”に歓びを」の概念図。内容は以下テキストを参照

社員の「はたらく歓び」がお客様の「はたらく歓び」につながり、それがまた価値創造の源となる好循環を目指す

「私たち社員がいきいきと歓びをもって働くことで社会にご提供できる価値を創出し、それがお客様のはたらく歓びにつながって、また私たちの歓びへと環流する。そうした好循環をつくり出すことが、当社の使命だと考えています」と、同社人事部部長兼働き方変革PTリーダーの児玉涼子氏は言う。

そのためには、まずリコーおよびグループの全社員がはたらく歓びを感じる必要がある。そこで、2017年度から始まったのが同社の「働き方変革」だ。「改革」ではなく、「変革」。そこには、今までの延長線上にある「改革」ではなく、常識や前例にとらわれずまったく新しい「変革」を目指すという、同社の覚悟が表れている。

自分らしく働く!リコーグループの変革に見る これからの新しい働き方

リコーは、1990年代からワークスタイル変革と多様な人材が活躍できる職場環境づくりに取り組んできた先進企業だ。ペーパーレス化やフリーアドレス、テレワーク、育児休業や短時間勤務制度などの働き方改善、両立支援への対応も率先して行ってきた。だが、会社主導の働かせ方改革では、社員のエンゲージメント向上にも限界がある。目指すべきは社員主体の「働きがい改革」とし、2017年度に社長直轄組織として働き方変革プロジェクトチームを発足させた。

「いきいきと働けていないのだとしたら、その要因は何か。社員からのヒアリングをもとに洗い出しを行い、それを是正し、実現したいこと5つ(図2)を挙げました」(児玉氏)

図2。「働き方変革」で実現したいこと。時間と場所にとらわれず、自分らしい働き方を選ぶ(多様な価値観にあわせた、「いつでもどこでも」働ける環境づくり)。先進的で快適な環境で働く(スマートな働き方を支援する多様なワークプレイスとITツールを整備し、社内実践)。明るく風通しが良い職場で、楽しく働く(組織を超えたコミュニケーションやスピーディな意志決定)。互いへの信頼のもと、自律的に働く(上司と部下のコミュニケーションの質を高め、一人ひとりの自律性と成長を促進)。チャレンジを称えあい、協力しあう(社員のチャレンジをより奨励する評価、お互いのチャレンジを認めあう風土)。

社員へのヒアリングをもとに、働き方変革で実現したい5項目を設定。焦点を「働きがい」に絞ったことでやるべきことも明確になった

例えば、「時間と場所にとらわれず、自分らしい働き方を選ぶ」という項目では、より多様な時間・場所で働けるようリモートワークやショートワークの制度・環境を拡充。実践にあたっては、マネージャーの意識啓発や社員との対話を行い、働きがいにつながる仕組みを徹底的に探った。結果、社内での反響も高く、社員意識調査でも肯定的な意見が多かった。今夏の国際スポーツイベント開催中には、本社事業所をクローズしての一斉リモートワークも計画していた。それが一転、コロナ禍に見舞われたものの、今夏に向けての準備が功を奏し、在宅勤務への移行はスムーズに行われ、社員の健康や安全に配慮しながら業務継続することができた。今年3月2日から原則リモートワークに踏み切ったリコーでは、首都圏4事業所の5月の平均出社率は約7%、グループ企業のリコージャパンでも東京支社の例だと約15%にまで抑制できたという。

グループの実践事例をソリューション化し持続可能な経営に貢献

室岡友紀氏の顔写真

室岡 友紀 氏 リコージャパン株式会社 ICT事業本部 スクラム・EDW企画センター スクラム第一企画室 働き方改革グループ リーダー

リコーの国内販売統括会社であるリコージャパンは、1万8000人の社員の半数近くを営業職が占めている。在宅営業は、彼らにとっても大きな挑戦となった。リモートワークで顧客とのつながりを維持し、価値を提案・提供し続けるにはどうすればいいか。在宅でも働きがいを感じられるコミュニケーションのあり方とは? 課題は山積みだ。だが、そこに価値創出のチャンスがある。

「私たちが直面した課題は、そのままお客様のお困りごとでもあります。リコーグループの実践事例を、試行錯誤の過程も含めてお客様と共有し、ソリューションに仕立て上げていく。それがお客様企業の価値向上や持続可能な経営につながると確信しています」と、リコージャパンで働き方改革関連ソリューションの商品企画のリーダーを務める室岡友紀氏は言う。

実際、このコロナ禍で新しい働き方を模索する企業が急増し、相談や問い合わせが後を絶たないそうだ。その声に応え、リコージャパンは同社で実績のある自動化・省力化やリモートの仕組みを盛り込んだソリューションパッケージを展開。6月にはニューノーマル(新常態)の環境下で、さまざまな業種の業務改善に対応したソリューション商品群を、新たに「RICOH Digital Processing Service」として展開を開始した。こうした価値の提供により、「はたらく歓び」の輪はますます広がっていくに違いない。

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