新型コロナウイルス感染症は、人々の生活や地域経済に大きな影響を及ぼしました。
地方への移住に関する関心の高まりや、テレワークを機に人の流れに変化の兆しが見られるなど、人々の意識や行動が変化しています。
また、コロナ感染症への対応や人口減少等を踏まえた地域課題解決の鍵となるデジタル化や、
地域の活性化にも繋がる再生可能エネルギーの活用など、新たな価値観としての地方創生SDGsへの関心も高まっています。
このような関心の高まりの中で、地方へのひとやしごとの流れの創出をリコーグループとしても後押ししていきたいと考えています。
コロナ危機を契機に、リモートワークや、ウェブ会議などのデジタルツールを駆使した非対面でのコミュニケーションが急速に社会に広がりつつあります。場所や距離の制約にとらわれず、人々がそれぞれのライフスタイルや価値観にあわせて、多様な働き方を選択する可能性が大きく開かれました。こうした変化は、人口の東京一極集中の緩和や、エネルギー消費の減少による大気や河川汚染の一時的な改善などをもたらしました。これらを元の世界に戻さないために、今後も環境に配慮した施策やデジタル化によるコミュニケーション変革の進展が求められます。現在、全世界がコロナの影響で不可逆的なプロセスにありますが、経営者として、『良い人生とは何か』『良い社会とはどのような社会か』という問いに日々向き合っています。
そうした問いに、リコーグループは【グリーン×地域×デジタル】を同軸として捉え、コロナからの経済回復、そしてその先の成長に取り組んでまいります。地方でのリモートワークやワーケーションを積極的に実践し、日頃からお世話になっている地域の皆さんに寄り添い、人にやさしいデジタルを提供することで、持続可能な社会づくりを支援してまいります。そして、リコーグループやパートナー、地方自治体、地域社会と一体となった課題解決の取り組みを紹介することで、より多くの方々へ共創の輪を広げるきっかけとなれば幸いです。
リコーグループでは1990年代から、さまざまなワークスタイル変革や制度改革を行ってきており、2017年からは最優先で取り組む全社テーマの一つとして働き方変革に取り組み、ルールとツールの整備、意識と風土の変革を進めてきました。その後、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に、リコーでは2020年8月にはニューノーマルへの対応として、在宅勤務などリモートワークを新しい働き方として標準化し、同年10月には対象者や利用日数に関する制約を撤廃し、自律的に働ければ誰でもリモートワークができるようにしました。これにより、社員は自ら働く場所を選べるようになり、旅行先や帰省先で一時的な業務を行うワ―ケーションも可能となりました。地方自治体と連携し、地方創生を見据えたワーケーションも開始しており、経営トップ自らも実践しています。地方でのサテライトオフィス勤務などを推進することで、新しい人の流れを創出し、東京圏への一極集中是正、地方分散型の活力ある地域社会の実現も目指していきます。
2021年4月に北海道富良野市でワーケーションを実践するリコー山下