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重要なお知らせ

弊社に対する行政処分について

2022年8月12日
株式会社リコー

株式会社リコー(社長執行役員:山下 良則)は、本日、経済産業省より遺伝子組換え微生物について、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。以下、カルタヘナ法)第13条第1項の規定に違反して、執るべき拡散防止措置を講ずることなく第二種使用等をしたとして、同法第14条第1項の規定に基づく措置命令を受けました。

今回の措置命令は、バイオメディカル事業において提供しているDNA標準プレート「RICOH Standard DNA Series」を製造する際に、カルタヘナ法の求める手続きが正しく行われなかったことに対するものです。当該遺伝子組換え微生物を拡散したことによる違反ではないため、周辺環境や人体への影響はありません。

このような事態に至りましたことを厳粛に受け止め、お客様および関係者の皆様に深くお詫び申し上げるとともに、再発防止に取り組んでまいります。

1. 措置命令の内容

カルタヘナ法第14条第1項に基づき、以下の措置を講ずること。

  1. 包括確認制度における拡散防止措置の確認や包括確認制度で使用する供与核酸の基準該当性の判断を適切に行うため、遺伝子組換えを実施する事業所における遺伝子組換え生物等の安全な取扱いについて検討する委員会(以下、社内安全委員会)における使用前の承認体制を整えるとともに、制度内容について従業員への周知を徹底すること。
  2. 包括確認制度に基づき包括的に確認を受けた全ての遺伝子組換え生物等について、使用実績等を漏れなく経済産業省に報告するよう社内体制を整えること。
  3. カルタヘナ法第13条第1項の規定に基づく大臣確認に係る手続きについて、従業員への教育の徹底等、法令順守体制の整備を行うこと。
  4. 以上の措置に係る対策について、この措置命令を行った日の翌日から起算して60日を経過する日までに経済産業大臣まで書面で報告すること。報告が完了するまでの間に遺伝子組換え生物等の使用等をする場合、包括申請の対象であるか否かにかかわらず、個別に経済産業大臣の確認を受けること。

2. 原因となった事実

  1. 遺伝子組換え作業を開始するにあたり、社内安全委員会における実験計画の承認を得ずに製作の作業を開始した遺伝子組換え微生物が17株存在していた。
  2. 本来であれば、遺伝子組換え生物等の第二種使用等の使用実績等を経済産業省へ毎年度末に遅れることなく報告すべきであったところ、2020年度より前に製作していた遺伝子組換え微生物4株が、2020年度の使用実績を記載した報告書に記載されていなかった。
  3. 施設、設備や周囲の環境に拡散しないための拡散防止措置を経済産業大臣に個別で確認を受ける必要がある遺伝子組換え生物等について、担当者が既に確認を受けていた経済産業大臣による拡散防止措置の包括的な確認の範囲に含まれると誤認し、個別で確認を受けなかった遺伝子組換え微生物が6株存在していた。
  4. 施設、設備や周囲の環境に拡散しないための拡散防止措置を経済産業大臣から確認を受ける必要がある遺伝子組換え生物等について、経済産業大臣の確認を受ける前に使用した遺伝子組換え微生物が7株存在した。(なお、このうち6株は(3)に該当する遺伝子組換え微生物であった。)

3. 再発防止に向けた取組み

当社は、本件違反行為に係る事実関係を正確に認定したうえで、当該違反が生じた原因の究明と再発防止策立案のために、外部専門家を交えた社内調査委員会を設置しました。

この社内調査委員会で策定した再発防止策を経済産業省に提出するとともに、お客様および関係者の皆様の信頼を一刻も早く回復できるよう再発防止策に取り組んでいまいります。

具体的には、以下の対策を講じます。

  1. 法令で定められている全ての手続きが適正に行われるように、担当者の上長による決裁を徹底するプロセスを構築し、対象の部門および本件の社内安全委員会に周知徹底します。
  2. 対象部門の社員および本件の社内安全委員会の委員に対して、カルタヘナ法および内規の理解を徹底させるための講習を定期的に行います。
  3. 対象の部門に安全主任者を設置し、特定の作業者に業務が集中しないよう安全主任者が監督します。
  4. 社内安全委員会による監査機能を強化し、対象部門での全実験について承認および決裁等の有無をモニタリングや、実験計画承認、実験の制限または中止、実験の目的の判断等の権限を改めて明確にします。
DNA標準プレートは、遺伝子検査手法の精度管理を厳密に行うための標準(いわゆる「ものさし」)となるもので、規定されたDNA分子が個数単位で厳密にカウントされて入った容器です。これを用いることで、遺伝子検査が正しく行われているか、装置・試薬に問題がないかを高精度で確認することが可能になり、遺伝子検査をより確実なものとすることができます。
DNA標準プレートの詳細についてはこちらをご参照ください。

以上