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汚染予防の取り組み

事業所汚染予防に関する取り組み

環境影響化学物質の管理

環境の保全に係る化学物質の管理に関する国際的協調の動向に配慮しつつ日本のPRTR法の対象物質を含むグループで取り扱いの多い化学物質を環境影響化学物質として、製造・研究・開発工程で使用する環境影響化学物質の管理活動を1999年より継続しています。

塩素系有機溶剤の全廃を達成*

塩素系有機溶剤は健康リスク(人への発がん性の可能性)、環境リスク(土壌汚染の原因及び有害大気汚染物質)が高い物質であり、リコーグループではグループ内の製造及び外部生産委託会社についても塩素系有機溶剤使用の全廃活動を進め、2005年度に達成しました。以降、新たにグループ会社となった生産関連会社についても継続した全廃活動を行い、国内外の生産拠点において塩素系有機溶剤使用を全廃しています。

*日本の土壌汚染対策法に基づく特定有害物質を対象

アスベスト、PCBの管理

事業所や設備に使用されているアスベストについて、レベル3までの調査を対象とし、リコー国内事業所全サイトについて、レベル3までのより詳細な調査を実施しています。飛散防止対策を施し、周辺の地域住民・従業員を含め、人体に影響がないレベルにあることを確認しています。今後も計画的に改善・除去を進めていきます。

一方、PCBについては、保有するPCB含有製品を調査し、法令に基づく管理を行っています。各事業所で保管しているPCBを含むコンデンサや蛍光灯安定器などの電子機器は、密閉容器などに入れて漏洩を防止すると共に、定期的に点検を行い適正に管理・保管しています。リコーグループでは、2021年度までに高濃度PCB廃棄物の処理を完了しました。低濃度PCB廃棄物も計画的に処理を進めていきます。

土壌・地下水汚によるリスク管理

リコーグループは社会的責任、環境リスク、および財務リスクの視点から、土壌・地下水汚染問題をとらえています。グループの「土壌・地下水汚染に関するリスク管理標準」において、土壌・地下水汚染に対するリスクマネジメントの基本方針を定めて運用しています。

土壌・地下水汚染については、90年代前半から自主的な活動を開始、リコーグループの生産事業所の他、リコーグループの非生産事業所を含めた全サイトでの調査・改善をグローバルに展開してきました。リスクマネジメントシナリオを作成し自主的に各国基準を目標にリスク低減を進めています。

環境デューデリジェンス(環境 DD )の実施

M&Aによる土地や建物の取得に際しては、社内ルールに基づいた環境デューデリジェンス(環境DD)実施により、土壌・地下水汚染リスクの評価・管理・低減に取り組んでいます。
環境DDには、対象となる土地の利用履歴、関連法規制への対応状況、汚染調査結果等の調査が含まれます。

資産に関する環境リスク管理

リコーグループ(連結対象会社)が不動産の売買・賃貸借取引を行う際には、土壌汚染、PCBs、アスベスト、その他の環境法規制要求事項等の環境リスクを管理する事とし、「土地・建物取引および賃貸借に関する環境リスク評価標準」を定め、事業への影響を最小限にする事に努めています。
リスク管理の主な方針は、
(1)M&Aを含む不動産の取得・売却ならびに賃貸借時に、重大な環境リスクとこれに関連する健康リスクを評価すること
(2)評価されたリスクについて、管理・低減計画を作成し、計画的に対策を実施すること
(3)資産の取引の際に、環境/健康リスクに関する重要な情報を利害関係者に開示すること
としています。把握された環境リスクについて、担当部門と環境部門が協議の上、取引を行うかどうかを決定しています。

製品に含まれる化学物質の管理

製品含有化学物質の削減と管理

リコーは1993年から「製品に使用される可能性のある環境影響化学物質」について、リコーグループのリスク管理の考え方である製品含有化学物質マネジメントシステム(MSC)*¹に基づいて管理や削減を行ってきました。 管理・削減の対象となる化学物質は、最新の規制動向や科学的知見などを取り入れて随時見直しています。また、リコー製品に使われる部品の多くは、サプライヤー企業で原材料の調達と製造が行われ、供給されています。このような状況下で製品に含まれる環境影響化学物質の管理や削減を進めるために、サプライチェーンにおける製品含有化学物質マネジメントシステム(CMS)*²に基づき、リコーグループ内だけでなく、サプライヤー企業と一体となったサプライチェーン全体での管理体制と、膨大な環境情報を正確に収集、伝達する仕組みを構築しています。

*1 リコーグループの製品含有化学物質マネジメントシステム(MSC:Management System for Chemical)

リコー製品に含まれる環境影響化学物質の管理・削減のために、設計・資材・生産等の製品作りにかかわるリコーグループの全部門(設計・資材・生産)が一体となり、製品含有化学物質マネジメントシステム(MSC)を構築しています。このマネジメントシステムでは、製品への含有を禁止する化学物質を徹底的に排除すると共に、万が一混入した場合には、適切な一次対応、拡大(部品や製品の出荷)の阻止及び再発防止を図るためのフローも確立しています。
また、化学物質が機器製品のどの部位にどれだけ含まれているかをトレースし、個別に含有量を管理する仕組みを構築しており、現時点で禁止されていない化学物質が将来、規制強化により含有禁止となった場合にも、迅速に対応できる体制を整えています。

*2 リコーグループ化学物質管理システム(CMS:Chemical substances Management System)

リコー製品に使用される部品や材料を納入するサプライヤー企業における化学物質管理システム(CMS)をグローバルに構築しています。サプライヤー企業の社員を対象にCMS審査員の育成と認定を実施しており、サプライヤーの認定審査員は自社の内部監査のほかに、リコーグループグリーン調達基準で指定した禁止物質を扱う重要工程を持つ2次・3次の上流サプライヤー企業の審査とCMS構築の支援を行っています。
このようにサプライチェーン全体で化学物質管理システムを確立することにより、リコー製品にリコーグループグリーン調達基準で指定した禁止物質が混入しない生産体制を確立しています。

サプライ製品の化学物質の管理

トナーや現像剤などのサプライ製品には、様々な化学物質が使われています。リコーグループでは、「製品の安全性は顧客満足の基本条件である」との考えのもと、世界各国の法規制にも対応可能な厳しい社内基準を設け、適切な化学物質管理によるサプライ製品の安全確保に取り組んでいます。また、お客様にサプライ製品を安心してご使用頂くために、サプライ製品の安全性情報をSDS(Safety Data Sheet(安全データシート)として公開しています。

安全データシート(SDS: Safety Data Sheet)

製品使用時に発生する化学エミッションの削減と管理

リコーグループでは、複写機やプリンターなどの使用時に発生する化学エミッション*1について、お客様が製品を快適にご使用頂けるように独自の基準を設け、製品が基準に適合していることを確認しています。

*1 製品から排出される化学物質で、オゾンや粉じん、VOC(Volatile Organic Compound: 揮発性有機化合物)などがあります。

事例1:EU RoHS指令への対応

2006年のEU RoHS指令*施行以前から、仕入先様との協力による技術開発・工程管理や内部管理を強化し、先行してRoHS対象禁止物質の削減に取り組んでおります。リコーグループで販売する製品についてはEU RoHS指令の要求を遵守することを基本とし、グリーン調達基準に反映しております。

*EU RoHS指令:電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令

事例2:EU REACH規則への対応

リコーグループではEU REACH規則*の各種要求事項に対して確実に遵守する仕組みを構築しております。EU RoHS指令と同様にリコーグループで販売する製品についてはREACH規則の制限物質の含有がないことを基本とし、グリーン調達基準に反映しております。また、SVHC(高懸念物質)の情報伝達要求に対しても、経済産業省より提案された製品含有化学物質情報伝達スキーム(chemSHERPA)の仕組みを用いて体系的に情報管理しており、これらの取り組みにより欧州廃棄物枠組み指令で要求されているSCIP登録に対しても確実に対応しております。

*EU REACH規則:化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則

事例3:IEC62474への対応

リコーグループで実施している化学物質管理は、国際規格であるIEC62474の報告対象物質リスト(Declarable Substance List)に収載されている物質も対象としています。なお、IEC62474の報告対象物質のうち、EU RoHS指令で適用除外用途として使用される物質やEU REACH規則のSVHC(高懸念物質)など、一部を除きリコーグループ製品への含有はありません。