第119回定時株主総会質疑応答

*事業報告に関する複数の質問から、主な質疑応答の要旨を記載しています。

質問1

社員株主だが、来年度計画されている社員証(ICカード)の仕組みの変更をすると、実質的に社員食堂の価格値上げやサービスの質の低下につながることが懸念される。それに対してどう考えているか。

回答者

山下代表取締役

回答

詳細内容を確認して対応する。

質問2

私は厚木事業所の近隣に住んでいるが、リコーの事業所近くのコンビニエンスストアで社員が大勢で喫煙している姿を見かけることが多い。事業所内に喫煙場所を設けるなどの対応をしてはどうか。

回答者

山下代表取締役

回答

もともと当社の禁煙促進の狙いは社員の健康維持にある。現時点で喫煙者の割合は16%となっている。ご指摘の事業所外での喫煙については、地域にご迷惑をかけないよう対策をしていく。

質問3

新聞でリコーがiPS細胞関連事業に参入するという記事を見た。医療関係の事業に参入するのか?何年後にどのくらいの事業規模を目指しているのか?

回答者

山下代表取締役

回答

米国のエリクサジェン社との共同事業を開始する発表の記事である。同社はiPS細胞を分化する技術を持っている。リコーのインクジェットヘッドで細胞を吐出する技術と組み合わせることで、創薬支援の事業として2025年までに売上高200億円を目指している。

質問4

リコーの働き方改革の成果が出ていることは理解したが、全国的に見るとまだ道半ばで地方まで行き渡っていないとも聞いている。進捗度はどの程度か?全国に行き渡るにはどのくらいかかるのか?

回答者

山下代表取締役

回答

働き方改革の一環として、私は社長室を出て、社員と一緒に仕事をしている。他の役員も同様に社員と同じフロア・オフィスで一緒に仕事をするようになっている。また、社内副業制度を開始するなど、社員の働き甲斐改革も進めている。私を含め役員は、これまで1年半にわたって、社員の声を直接聞く活動を続けてきたが、首都圏の事業所以外での浸透はまだこれからという認識である。
私としては、働き方変革の進捗度は60%~70%まで来ているのではと感じている。社員がイキイキして幸せを感じることができる会社にして行きたい。

回答者

松石取締役

回答

私も道半ばであると感じている。その理由は2つある。1つは工場や研究所など一般オフィス以外では、まだ十分ではないこと。もう一つは、事務職において制度としては整ってきたが、本来やるべき仕事は何かについても踏み込んで変えていかなければならないと考えている。社員が一番働き甲斐のある環境を作ることがポイントと考えているので、社員の声を聞きながら変えていきたい。

質問5

第4号議案については、株主と目線を合わせるという点で賛成である。
リコーの御殿場にある事業所では、ひきこもりの人に対して就労の機会を積極的に提供している。素晴らしい取り組みだと思い感謝している。

回答者

山下代表取締役

回答

御殿場の件は、環境事業開発センターでの取り組みである。リコーらしい取り組みとして今後も継続していく。リコーの取り組みを取り上げていただき、こちらこそ感謝申し上げる。

質問6

リコーの基盤事業であるオフィスプリンティング分野を成長戦略「0」とする意図が理解できなかった。本日の説明で成長戦略の内容は理解することができたが、ネーミングとして成長戦略「0」はいかがなものかと思う。

回答者

山下代表取締役

回答

成長戦略0の基盤事業で培った技術が成長戦略1や2につながっており、そこに大きな意味があると思っている。例えば、先ほど私から説明した事業報告のプレゼンテーションの中で触れた太陽電池は、複写機の感光体の技術から発展している。ネーミングについては、貴重なご意見として承る。

質問7

社外取締役に質問したい。当社を取り巻く様々な経営課題・環境・実態についての情報収集をどうしているか?また、引き続き、当社の社外取締役を続けることに対する心境をお聞きしたい。

回答者

飯島取締役

回答

社外取締役として3年経過した。現在、世界ではデジタルトランスフォーメーションの進展など経営環境が大きく変化する中で危機感をもって仕事をしている。社外取締役として、引き続き株主の目線でリコーの改革や企業価値向上に貢献していく所存である。

回答者

東取締役

回答

社外取締役として5年経過した。情報収集の一環として、社長や執行役員のサポートを受けながら40歳前後の技術者や営業担当者など多くの社員、さらには事業責任者と将来のリコーや現状の悩みについて話す機会を設けている。
今後も、リコーの経営を監督し成長を見届けたいと考えている。

回答者

山下代表取締役

回答

加えて、森取締役には製造現場の改善や原価低減に関するアドバイスを頂戴している。波多野取締役には研究開発に関するアドバイスだけにとどまらず、女性リーダーに対するアドバイスなどもいただいている。

質問8

日本企業の中で生産の国内回帰が始まっているが、リコーの生産戦略について伺いたい。

回答者

山下代表取締役

回答

低コスト生産の目的で海外に移した生産を単純に国内回帰するようなことは考えていない。ただし、例えば複写機のキーモジュール生産を自動化して国内工場で生産し海外工場に送ることや、車載用HUD(ヘッドアップディスプレイ)の量産を鳥取の工場を拡張で行うなど、国内の高度な生産技術を生かした生産戦略を展開している。

質問9

オフィスプリンティング分野は営業利益率が10%を超えているが、オフィスサービス分野は3%程度となっている。オフィスサービス分野の収益性はこのままでよいと考えているのか?

回答者

山下代表取締役

回答

オフィスプリンティング分野とオフィスサービス分野では、収益モデルが異なっている。オフィスサービス分野は、ワークフローをデジタル化するときに必要なアプリケーションを他社から仕入れることが多いため、その分、原価率が高くなる。今後、キラーアプリケーションを自社で開発しながら、パートナーと連携を強化し価値を高めながら原価率を下げていく活動を進める。

回答者

坂田取締役

回答

オフィスサービス分野は、まだ投資時期である。アプリケーションの提供に関しては量の拡大により収益性を高める。役務の提供に関してはRPA(Robotic Process Automation)の活用などにより効率化を進め、サービスの質を落とさずに利益を高めることに取り組んでいる。

質問10

構造改革効果については、17年度と18年度は計画を上回ったが、19年度は当初計画を下回る見通しである。オフィスプリンティング分野での構造改革の取り組み加速を期待している。

回答者

坂田取締役

回答

オフィスプリンティング分野では新たに投入した複合機により、サービス効率を飛躍的に向上させた。また、生産の自動化も進めている。これらにより、オフィスプリンティング分野としてより多くの利益を出せるように取り組んでいる。

質問11

カメラの技術などを使った成長戦略はどうなっているのか?例えば、車載カメラ事業は成長領域ではないのか?

回答者

山下代表取締役

回答

今回のプレゼンテーションでは詳しく触れていないが、カメラで培った光学や画像処理技術を様々な事業で活用している。ブレーキアシストといった先進運転支援システムに使われるステレオカメラなど車載カメラ事業は順調に拡大しており、今後も成長を期待している。

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