第118回定時株主総会質疑応答

*事業報告に関する複数の質問から、主な質疑応答の要旨を記載しています。

質問1

2022年度までの掲げた計画の達成に必要なM&Aなどの投資に関する方針を伺いたい。また、M&Aについては減損となったことも踏まえて、判断基準をどう変えたかを伺いたい。

回答者

山下代表取締役

回答

M&Aの規模としては、成長戦略1と2にそれぞれ1000億円ずつ投資する計画である。投資先の選定にあたっては自社の強みに立脚し判断していく。過去の北米におけるM&Aに関してレビューを行ったが、M&Aそのものは戦略上、間違いではなかったと認識している。ただし、M&A後の統合プロセスが重要であると認識しており、今回の減損処理も踏まえて改善していく。

質問2

リコーグループ社員のさらなる活性化や活力強化の施策について教えてほしい。

回答者

山下代表取締役

回答

リコーでは、働き方改革の観点でお客様に対して業務の生産性向上提案を強化しており、そのために自らも改革を実践している。働き方改革は、「働き甲斐改革」でなければならないと考えている。本社移転を機に、サテライトオフィスの活用や在宅勤務の機会も拡大させている。さらに評価制度の見直しも重要であると認識している。また、私自身もこの1月から社長室を出て居室で社員と一緒に働いている。月に1、2度はメッセージをビデオ配信しているほか、方針発表会も新たな仕組みを活用しグループ社員がPCで聴講できるようにした。現場に行くと、社員からもさまざまな質問を受けるようになった。現場が元気になることが社員の活性化につながると考えている。

質問3

総会で壇上に上がっている人を見ると一名しか女性がいないことが気になる。波多野社外取締役に女性活用の考え方や今後の方向性についてご意見をお伺いしたい。

回答者

大山取締役

回答

女性の活用については重要であると認識している。さまざまな制度も取り入れており厚生労働大臣が認定する「えるぼし」も最高位を取得しているまた、執行役員や理事にも女性を登用している。

回答者

山下代表取締役

回答

たとえば、人事本部副本部長はアメリカ人女性の執行役員。欧州統括会社のCOOも女性。なお、株式会社リコーの正社員のうち、女性比率は15%、女性管理職比率は約4%。これを10%まで引き上げていきたい。

回答者

波多野取締役

回答

率直な印象として申し上げると、リコーは女性の活用について意識が高いと思っている。海外でも同様。学会などにおいても、リコーの女性研究者が活躍している。取締役の次の世代でも女性が育っている。

質問4

リコーは優れた研究開発を行い、特許も多数保有しているが、それがリコーの事業にどのように活かされているか。

回答者

松浦取締役

回答

成長戦略に沿って研究開発を進めている。成長戦略1のプリンティング技術については、現在産業印刷分野に広がっているが、研究開発はさらにその先の「機能する印刷」などについても取り組んでおり、医療や製薬分野などでの活用を目指して研究開発を行っている。大きな市場が見込める分野であり、数年のうちに事業化を実現したい。成長戦略2では、デジタルサービスをオフィスから現場、社会へと広げていきたい。そのためにIoT、AIの応用技術について取り組んでいる。

回答者

山下代表取締役

回答

補足をさせていただく。新しい事業を立ち上げるために、これまでの基盤事業とは異なるやり方でトライしている。「一国二制度」ともいえる社内での特区をつくり、これまでの事業のやり方とは異なったオープンイノベーションや、ベンチャー的な活動を進めている。

質問5

今後は社会のあらゆるところでセキュリティカメラの需要が広がるものと思うが、リコーはどう取り組んでいくのか。

回答者

佐藤取締役

回答

リコーの強みとして、光学や画像認識、センサーなどの技術がある。不動産や建設などの業界、車載向け、生産現場での自動化、社会インフラ分野など幅広い領域で展開を図っている。

質問6

リコーグループ社員の定年後の活用についてどう考えるか。また退職した人に対してもっと情報提供してほしい。

回答者

山下代表取締役

回答

リコーでは60歳の定年退職後も、九割以上がシニア社員として会社に残り、65歳まで活躍してもらっている。退職された方々への情報提供については今後検討していきたい。

質問7

5月にリコーロジスティクス株式の一部をSBSホールディングスに譲渡する、との発表があり、社員がリストラされないか心配している。今回なぜリコーロジスティクス株式を譲渡したのか。

回答者

山下代表取締役

回答

物流の機能はリコーにとってお客様に商品をお届けする重要な機能である。物流業界は人手不足や自動化への対応など、投資が必要になるが、リコーグループのなかでは優先的に投資を行うことができない。SBSホールディングスは急成長している会社で、積極的な投資も行っている。リコーロジスティクスの全国物流網と組み合わせることでシナジーが見込め、物流事業を拡大できる。したがって、リコーロジスティクス社員の活躍の場はさらに広がっていくものと考える。

質問8

今週の週刊誌記事で社長の評価ランキングがあった。山下社長は情報発信力で80点。総合順位は172位だった。これについてどのように考えるか。

回答者

山下代表取締役

回答

総合順位172位は先期の業績も影響している。情報発信については、情報開示姿勢や透明性が評価されたものと認識している。今後、さらによい評価を得られるように取り組みたい。

質問9

剰余金処分に関して、配当金決定のために重視している要素は何か。現段階では、安定配当よりも成長投資を優先すべきではないか。また、総会の会場も本社で実施すればよいのではないか。

回答者

山下代表取締役

回答

総会会場については、貴重なご意見として参考にさせていただく。

回答者

大山取締役

回答

配当に関しては、キャッシュフローや投資を勘案して内部留保や株主様への還元を考えたい。安定配当より成長を優先すべきというご意見は、貴重なご提案として承る。

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