更新日:2023年12月21日
2023年度Q2の営業利益93億円は、どのくらい社内想定を下回ったか?その要因は? |
Q2は期初想定レートで150-160億円程度を想定していた。額面では約60億円の下振れだが、50億円程度の為替によるプラス効果があり、実質では約110億円の下振れだった。 実質下振れ額の約8割はオフィスプリンティング事業。A3MFPの販売台数が想定を大きく下回り、特に生産サイド(リコーデジタツプロダクツ)の利益に影響した。それ以外は主にサーマル事業の市場在庫調整、需要弱含み等による。 |
2023年度Q2のオフィスプリンティングのハード販売台数が想定を下回った要因は? |
2023年度は、コロナ禍と部材不足による製品供給制約からの回復により、通常のリース契約の更新需要に加えて、これまで製品供給制約により買い替えをお待ちいただいていたお客様からの買い替え需要も想定し、前年に対し比較的大きな販売台数の伸長を計画していた。しかしながら、欧州での景況感の悪化や、海外中心とした一部競合による価格攻勢などにより、販売台数はほぼ前年度並みにとどまった。 2023年度Q2の状況が構造的な変化であるかを見極めながら、必要な対応を行っていく。 |
リコーデジタルサービスのオフィスサービス(OS)事業は高い成長率を継続しているが、今後インボイス制度対応などの特需がなくなっても、同様の成長は可能か? |
前年同期にICTハード商材の品不足があったため上期は実態よりもやや強い成長率となっているが、高い期待を織り込んだ社内計画に沿って進捗している。2023年度下期も成長継続を見込んでいる。 日本ではインボイス制度対応の駆け込み需要は見られたものの、スクラムシリーズの売上に占める割合は限定的。また、中小企業のお客様においては、インボイス制度へ未対応のケースもまだ多いとみている。加えて今後もバックオフィス業務のIT化対応のサポートや、これからも続く様々な法改正に伴う、業務のIT化対応(DX化)のニーズに応えていくことは、OS事業成長の支えとなる。他に、Windows入れ替え需要をきっかけとするサービス提案も仕掛けていくことも予定している。 欧州では、一部のPC販売に景気弱含みの影響が現れており注視は必要であるが、買収した企業中心にサービスビジネスは順調に成長している。 |
リコーグラフィックコミュニケーションズの2023年度営業利益見通しを、期初に発表した15億円から109億円に大きく上方修正した要因は?開発資産の償却費用の変更等があったのか? |
為替前提を見直した効果が大きい。94億円の上方修正のうち、14億円は構造改革費用が当初の予定より抑えられる見通しであることを反映したもので、それ以外は基本的に為替前提の変更によるもの。 商用印刷事業において、2023年度は、11月までに開発を進めてきた新製品3機種を発売している。ほぼ予定通りに新製品が投入できており、開発資産の償却費用約80億円については変更していない。 |
株式譲渡の発表をしたリコーインダストリアルソリューションズのオプティカル事業について、下期の業績に影響は与えるか? |
本株式の譲渡は2024年6月末までに完了することを予定しており、下期の計画には織り込んでいない。ただし、譲渡に伴って、譲渡益のほか一部の費用が発生する可能性はある。 |
企業価値向上プロジェクト進捗報告(2023年11月8日発表)で R&D 費適正化により2022年度比で300億円の支出改善とあるが、どの事業が対象か。また、2025年度までに削減と考えてよいのか? |
具体的な対象事業はお答えできない。時期は、第21次中経期間の最終年度である2025年度までの目標となる。 これまでは、保有技術などを活かしたシーズ志向の研究開発も多く行っていたが、今後はデジタルサービスと親和性が低い領域などに関する R&D 費の見直しを行う。 一方で、デジタルサービスの会社を牽引するワークプレイス領域の必要なR&D費は増加させるなど、メリハリを利かせたコントロールを行っていく。 |
為替換算調整勘定を除く最適純資産が9,000億円前後との考え方が示されたが、現在の規模はいくらか。また、従来の方針から変わった点はあるか。 |
従来は最適純資産を1兆円前後と示していたが、自社ではコントロールできない為替換算調整勘定を含んでいた。今回は、為替換算調整勘定を除いた9,000億円前後を目標として公表した。 2023年9月末の為替換算調整勘定を除いた純資産は約7,750億円のため今後2年間で約1,200億円の増額を許容しているように見えるかもしれないが、あくまで2025年度ROE 9%超の達成の前提として、2025年度営業利益目標1,300億円、またそこに至るまでの利益積み上げと必要な成長投資、キャッシュアウト等を試算した結果として2025年度末の純資産は9,000億円前後という目標をおいているものとなる。 以前、成長事業には資本、安定事業には負債を活用するという考え方をご説明した。オフィスサービス事業は現時点では成長事業として投資が必要な段階のため、当面は資本を活用する方針だが、今後、ストック契約の積み上がりなどオフィスサービス事業として収益基盤が安定し、安定事業の位置づけに変化すれば、負債の活用も選択肢となってくる。事業構造の変化とともに柔軟に最適純資産の考え方は調整していく。 |
今回、自己株式取得の検討はされなかったのか?今後も実施する可能性はないのか? |
株主還元方針は、総還元性向の目安を50%とし、安定した配当と継続的な増配、機動的な追加還元策を実施するとの方針を堅持している。 今回ご説明したようにポートフォリオの見直しなども行っていくことから、インサイダー取引などの視点にも配慮しながら、適切なタイミング・規模で追加還元策としての自己株式取得の検討は行っていく。 |