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第121回定時株主総会
第121回定時株主総会質疑応答
主な質疑応答の要旨を記載しています。
質問1
人権問題を中心としたサプライチェーンにおけるCSRの取り組みについて社会的な要請が強まっているが、現在の取り組み状況やリスク低減の状況を聞かせてほしい。
回答者
山下代表取締役
回答
サプライチェーンにおけるCSRの取り組みについては、2006年にサプライヤー向けの行動規範を定めて取り組んできた。グローバルなサプライチェーンの社会的責任を推進する企業同盟「RBA」への加盟を機に行動規範の内容を改定している。国内外のサプライヤーに対して丁寧に説明会を繰り返してご理解をいただき、順守いただく取り組みを進めている。実績として、リコーグループのサプライヤーにおける行動規範に反するような人権問題などはこれまで発生していない。
質問2
厳しさを増すイメージング事業に対しての見解と、今後の事業計画や方針を聞かせてほしい。株主として、ユーザーとして、GRシリーズの継続と発展を切に願っている。
回答者
山下代表取締役
回答
GRシリーズをご愛顧いただき誠に感謝している。新製品GRⅢの販売が好調に推移しており、関係する社員一同が勢いづいている。デジタルカメラの需要が縮小する中でファンの皆様の声を聞きながらリコーらしい特徴ある製品を作り続け、お客様の声にしっかりお応えしていく。
一方、デジタルサービスの会社に転換するうえで肝となる現場のデジタル化については、デジタルの目となる光学技術、カメラ技術が必須であり、これからも強化していく。
質問3
男女平等が正しく行われているか。女性に役員の道はないのか。
回答者
山下代表取締役
回答
私達のお客様は“はたらく人”であり、働く人の多様性と同様の多様性が弊社にも必要であると考えている。役員に限らず社員のダイバーシティを重視しており、女性活躍推進を私が先頭に立って進めている。
現状では執行役員クラスで11.5%とまだまだな状況。そこで、昨年、企業の女性役員比率の向上を目指すイニシアティブ「30% Club Japan」に加盟した。私自身が会合に参加しながら、2030年までに役員に占める女性比率を、まずは18%まで引き上げることを目指している。
質問4
リモートワークを前提とした働き方が進むが、社員のモチベーションや業務効率を維持するという意味でリモートワーク環境構築のための社員向けのさらなる支援はあるのか。
回答者
山下代表取締役
回答
働き方変革には2017年度から経営課題の一つとして取り組み、制度とツールの整備を進めてきた。具体的には、リモート環境の整備はもちろんのこと、副業制度の導入や社内ベンチャー制度も立ち上げた。
今後、デジタルサービスの会社への変革に向け、自律型人材が活躍できる環境の整備は重要であり、ワーケーションの導入等、継続的に制度やツールの改善に取り組んでいる。社員が働きやすいインフラ整備として、社内デジタルトランスフォーメーションの推進、基幹システムの刷新などにも取り組む予定。
質問1
株主総会招集通知のクオリティの高さに驚いた。その分のコストを削減して、将来の投資に回し株主価値を上げることができるのではないか。ここまで質の高い冊子を発行する理由を教えてほしい。
回答者
山下代表取締役
回答
社長就任以来、株主の皆様や機関投資家の方々をはじめ、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションをしっかり行うことが社内の取り組みを活性化するために大切なことと考えている。そうした中で株主総会招集通知に関しても重要なツールと考えており、透明性を高めるためにも内容を充実させた。
回答者
松石取締役
回答
株主の皆様にご報告する資料のなかで最も目に触れる情報の一つに招集通知があると認識している。機関投資家の方をはじめ、さまざまな方の声を聞き、もっとも評価の高かった会社の招集通知をベンチマーキングして作成し、それをベースに内容を充実させてきた。コストはある程度かかるが、これを見てリコーを知っていただき、ご質問やご意見をいただくための一助になっていると思っている。今後も皆様方の声をいただきながら内容を充実させていく。
質問2
今後、紙のコピーが減少していくと思われるが、複写機に代わるヒット製品の開発など、何か対策を考えているか。
回答者
山下代表取締役
回答
今後、紙のコピーは減少していくが、その分、電子データは増えていく。そのためにオフィスサービスを強化していく所存。複合機に代わる今後のデバイスに関しては、今回作った5つのカンパニーのなかで、複合機に限らないエッジデバイスを作っていくカンパニーである、リコーデジタルプロダクツの責任者である中田より詳細を説明させていただく。
回答者
中田コーポレート上席執行役員
回答
デジタル化で紙が減少する傾向は避けられない。デジタル情報を利活用するお客様に寄り添い、お客様のクリエイティブな仕事を支えていく。そのために、紙を使わずに情報を入出力する新たなインターフェイスとなるデバイスを開発していく。オフィスだけでなく、現場、ホームといったあらゆる場面で使える、音声や映像を駆使したデバイスなども投入していきたい。
質問3
社内外での女性活躍、性的マイノリティへの考え方を教えてほしい。現場社員が事業を紹介しているビデオに女性がいなかったことが残念。女性管理職の構成はどうなっているか。
回答者
山下代表取締役
回答
事前のプレゼンテーションで女性役員の比率についてはご説明したが、社員の活動や管理職などの話も含めて、人事担当の瀬戸からご説明させていただく。
回答者
瀬戸コーポレート上席執行役員
回答
女性活躍、性的マイノリティなど、ダイバーシティへの対応は重要だと考えており、さまざまな活動を通じて社員を啓蒙し、活動に携わっている社員を支援している。今回放映したビデオには男性だけが出演していたという点はご指摘ごもっともである。ただし、実際の社内では女性も活躍しており、今後実態が正しく伝わるように改善していきたい。
女性社員比率については、グローバル全体で約30%。国内は約18%で、海外は約36%。女性管理職比率は、グローバル全体で15.1%。国内は5.8%で、海外は28%。「30%Club Japan」にも昨年加盟しており、改善していきたい。
質問4
招集通知82ページに記載の「循環型社会の実現」の取り組みを進めていけば、国内のトップランナーを走れるのか。
回答者
山下代表取締役
回答
トップランナーとして走っていきたい。昨年10月に菅総理が2050年にカーボンニュートラルの方針を表明し、その後、2013年比較で2030年に46%削減の目標を出した。
リコーグループの環境目標では脱炭素分野において、2015年比で2030年に63%削減という高い目標を掲げて活動している。先ほど、A3複写機の全量を再エネを使って生産しているとお話ししたが、複写機をどの程度再生材で作れるかという点にも力を入れている。
回答者
鈴木コーポレート執行役員
回答
「循環型社会の実現」に関しては、リコーは1990年代からコメットサークルを提唱し、いわゆるサーキュラーエコノミーの思想のもと、長年活動を続けてきた。製品の新規資源使用率の目標として、2022年度は85%以下、2030年度は60%以下、2050年度には12%以下を掲げている。また、プラスチック削減の方針も設定している。
さらに、サーキュラーエコノミーの思想では、新規投入資源を減らすということだけではなく、新規事業の創出という観点でも活動を行っている。たとえば、環境に配慮した商品として、剥離紙を使わない感熱ラベルやペットボトルへのダイレクト印刷、以前から取り組んでいた製品・部品の再生などもより一層強化していく。
質問5
新事業による社会課題解決への取り組みに大いに期待している。先ほど紹介があったエネルギーハーべスティングの製品の発売時期を教えてほしい。
回答者
山下代表取締役
回答
完全固体型色素増感太陽電池を搭載したマウスや机はすでにパートナーから発売いただいている。また完全固体型色素増感太陽電池そのものについても今年5月に出力性能を20%向上した新製品を発売した。今後もパートナーとの連携により、さまざまなデバイスに搭載していけるように提案を進めていく。
質問6
コロナ後にも一定程度のリモートワーク需要は残ると思う。それに対する商品・サービス提供の戦略について教えてほしい。
回答者
山下代表取締役
回答
当面はリモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドな働き方がそれぞれの職種にあった形で進むものと思っている。すべてが元に戻るわけでも、すべてがリモートになる訳でもない。はたらく方々の課題を解決するためには、お客様に寄り添うことが大事だと考えている。そのために社内での実践を進め、そこで得たノウハウをお客様へ提供することを徹底していく。
質問7
障がい者雇用枠の達成率および、障がい者の働く環境づくりについて教えてほしい。
回答者
山下代表取締役
回答
障がい者に関する法定雇用率は当然ながら達成している。また、障がい者の方が仕事をしやすい業務をまとめた会社を設置している。ただし、一般のオフィスや工場で一緒に働ける環境をつくっていく点では道半ばである。はたらくの歓びの提供を目指すリコーとして、先進的な活動をしていきたい。
質問8
1,000億円の自己株式取得を公表しているが、ここに至るまでの社内での議論、背景について説明いただきたい。
回答者
松石取締役
回答
2018年のコーポレートガバナンスコード改定で資本収益性を重視した経営が求められた。そのための具体策を検討し、2019年4月のIR Dayで資本政策の概要を発表。その後、取締役会などで最適資本構成や株主還元など、詳細を検討した。本来であれば、1年前の2020年3月に発表する予定だったが、コロナ禍での不透明な経済環境もあり、延期させていただいた。
自己株取得の背景には2つある。1つ目には、2020年に連結子会社であったリコーリースの株式をみずほリースに一部譲渡したことで実質無借金になり、無借金になったことはよいことだが、一方で資本に偏った事業運営をしているという懸念もあった。2つ目には、19次中計中にM&Aで2,000億円投資予定だったが、結果は400億円程度の投資で終わり、1,000億円以上の資金が余剰となった。
以上、2つの背景から、19次中計の総括として1,000億円を株主還元しようということになった。2021年3月にコロナ影響の先行きが見通せる状況になってきたことで、詳細の資本政策と自己株取得の実施を発表し、買い付けを始めた。この自己株取得は5月末時点の進捗率が25.9%であり、順調に進んでいる。予定通り1年以内で自己株取得をやり切れると考えている。
質問9
コロナ禍を受けて、今後の生産拠点戦略についてどう考えているか。既に取り組まれていること、今後の方針について教えてほしい。
回答者
山下代表取締役
回答
4月にカンパニー制に移行し、各事業が企画・開発・生産・販売・サービスまでを一気通貫で行う体制とした。それぞれのカンパニーが生産拠点を持ち、改善・改革を進めていく。従来は生産本部があったが、今後は事業ごとに生産を見ていく。ただ、生産拠点は生産技術を互いに共有することが効果的であることは各カンパニーも理解してくれている。デジタルプロダクツというカンパニーはものづくりを集中して行うため、中国・タイ・日本の生産拠点で相当分を検討していくことになる。
回答者
中田コーポレート上席執行役員
回答
カンパニー制となり、商品事業ごとに工場運営を開始した。今までは地域性、技術性の観点から世界各国に散らばる多くの自社工場で、一つの製品を構成する部品モジュールを生産していた。この従来のやり方では、部品の集め方、仕掛在庫の面などで運転資金が非常に非効率であったことから、それぞれの工場がカテゴリトップで、競合企業に比べても勝てる工場にしていくことが優先事項と考え、再編・集約することとした。そのことでスピードも上げ、生産体制を強化していく。
また、間接業務のデジタル化を進めたことで、昨年、コロナ禍で稼働した中国の新主力工場では、日本からの遠隔支援により、現地に出張することなく立ち上げることができた。このようなデジタルマニュファクチャリング技術を確立しながら部門ごとに共通化された工場に展開していくことで、他社に比べて大幅に間接効率を上げていくことができると考えている。今後も事業ごとに工場を強化することを続けていく。
質問10
カンパニー制の狙いと効果について教えてほしい。
回答者
山下代表取締役
回答
それぞれのカンパニーは企画・開発・ものづくり・販売・サービスを一気通貫で運営することとしたため、ここで経営スピードを上げていきたい。さらにお客様ごとの領域でカンパニーを作ったので、現場重視を加速していきたい。一方で、本社はできるだけ小さくし、グループ全体のポートフォリオ管理に専念して、適切な資源配分を厳しく行うことにしたい。
ビジネスユニットごとにスピードを上げて成長していく、さらにカンパニーはこうありたいというポートフォリオ管理で厳しく見ていく。社内で健全な牽制力が働くことになると思う。