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リコー山の会慕士塔格登山隊1998(登山編)



第1部:中国へ出発




7月24日(金) 雨  北京へ出発

出発の朝だと言うのにもの凄い雨が降っている。荷物も多く、駅までどうしようかと思っているうちに時間になってしまう!「仕方が無い!荷物になるが傘をさして行くしかない!」
先日横浜からのNEXの予約を入れたがいっぱいであった。さぞ空港は混んでいるのだろう!
横浜駅でNEXを見送り、快速エアポート成田で空港へ向かう。12:40空港第2ターミナル到着。ザックが大きくカートのままエスカレーターに乗れないためにエレベーターで出発ロビーへ上がるが意外にも空いている。
心配していた荷物のX線チェックも、重量オーバーも難なくOKとなりボーディングパスをもらってスポットへ向かう。
さあ旅の始まりである。我々の期待と不安を乗せて、CA926便は定刻(14:55)を少し過ぎて、北京へと飛び立つ。
日本と北京との時差は1H。フライト時間は約3.5H。
北京時間17:50 CA926便は無事北京空港へ到着する。
北京空港ではCMAの趙さんの出迎えを受ける。心配していた無線機持ち込みの手続きもCMAの方が代行してくれる。
ここで同じ飛行機で来た栃木岳連の先発隊(3名)と一緒になる。
空港からホテルまではCMAのマイクロバスで向かう。空港から中心街まではオリンピック誘致の際に高速道路ができ、非常に便利になったとのことである。
19:20前門飯店(ホテル)到着。


7月25日(土) 曇り  北京 -> ウルムチ

今日は夕方の飛行機でウルムチへ移動の予定である。
これと言って予定も無い我々は市内観光へと向かう。
天安門広場・故宮・北京美術館と見学し、少し早いが空港へ。
国内線の空港使用料は50元(1元は約20円)。カウンターでチケットを購入し空港内へ入る。
人でごった返すチェックインカウンターへ並ぶが、コンピューターが壊れたのかなかなか処理が進まず1Hかかってしまう。早めに来て良かった!
北京からは栃木岳連隊の連絡官、張さんが同行する。
CZ329便は20番ゲートから定刻16:50にウルムチへ向けて出発する。
北京->ウルムチ間は3.5H。ほぼ成田->北京間と同じ距離である。
20:40ウルムチ着。公式には北京時間が使用されているが新疆時間では2H違う。
ウルムチの人口は130万。日本の都市で言うと10万くらいの街並みにしか感じられない??
ウルムチの標高は約1000m。
空港では新疆登山協会の出迎えを受け、我々の通訳となるアダラットさんと会う。
ウルムチでは華僑賓館に泊る。




7月26日(日) 晴れ  ウルムチ -> カシュガル

ついに今日はカシュガルである。
が、今日も飛行機は19:30! なぜ夕方にしか飛行機が無いのだろうか?
仕方が無いので市内観光に行く。紅山公園・美術館(ローランの美女がある)・人民大会堂・絨毯工場、時間があればトルファンにでも行きたいところであるがとても行けるような距離ではない。
ウルムチからはボゴタも奇麗に見え、ムスターグ・アタへの期待が高まってくる。
XO9903便は定刻19:30に出発する。新疆航空のはずであるが機体にはAIR VOLGAと書かれていて、おまけにロシアの国旗まで付いている。ボーイング727に似た3発のジェット機だが、これがスポレフだろうか?
20:45カシュガル到着。カシュガル登山協会の出迎えを受ける。ついにタクラマカン砂漠の西の外れまで来てしまった。カシュガルの標高はおよそ1500m。早速出迎えのマイクロバスでホテルに向うが、周りは泥でできた家が並ぶ。
今夜の宿はカシュガル賓館。この辺りでは一流であるが、部屋でシャワーに入っていると突然停電!
この辺りまでくるとホテルでもヘッ電が必要なのだろうか?






7月27日(月) 晴れ  買い出し

今日は移動は無し。明日からの山行の為の準備を行なう。
ホテルから登山協会まで移動するバスの窓からムスターグ・アタを見ることができる。
登山協会に着き、5月に送った荷物の確認を行なう。ここで2班に別れ、私は買い出し班となり、登山協会のマイクロバスで午前中の買い出しに出かける。
炊事道具を始め何でも揃うが、どこで何を売っているかよくわからない。連絡官の王さん、通訳のアダラットさんの力を大いに借りるがなかなか進まない。
帰りに郵便局に寄り、日本へのお礼状を出し、ひとまず登山協会へ戻る。
午後の買い出しは16:00から始まった。午後はモスク周辺にある店へ行く。露天で灯油を購入する。瓶に入った灯油が秤売りなのには驚く。
買い出しはゆっくりとしたペースで進む。こんなことで終わるのか?と思うが、まあ彼らに任せるしかない。
19:00買い出し終了。明日の出発をスムーズに行なうために、登山協会へ戻り荷物をトラックに積んでしまうこととなる。
今回使用するトラックは登山協会のニッサンパトロール!あまり荷台が広くないが大丈夫だろうかと思っていたが、何とか山盛りで荷物が収まる。
明日の出発を前に、今夜はホテルの Grape Barでワインを飲む。
今夜が最後のシャワー&ベッドなので、ゆっくりシャワーに入り23:30ベッドに入る。




7月28日(火) 曇り->晴れ  カシュガル -> スバシ

スバシへ向けて出発の朝!
いつもと違って曇っている。しかも夜半から風が強い!
7:30起床。早速ザックに荷物を詰め出発準備を行なう。
ついにムスターグ・アタを間近で見られる日である!
10:00ホテル出発。バスは一路カラコルムハイウェーへ向って走る。
狭い峡谷を抜け、15:40カラクリ湖到着。目の前にはムスターグ・アタが見える。
ここで遅い昼食をとり、30分でスバシへと着く(17:10着)。
既に草原に登山協会のキッチンテントが張ってある。
スバシの標高は3700m前後。ちょうど富士山頂に車で来てしまった感じであり、急激に動いては高山病になりかねない高さである。
とは言っても働かなければならない。早速トラックから荷物を降ろし、キッチンテントの周辺に宿泊用のテントを張る。
今夜は王さんが中華を作ってくれた。

長い移動も終わり、明日からはBCへの高度順化活動が始まる。






記録:澤田