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お役立ちコラム

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)とは?企業に必要な背景を解説します

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)は、組織や社会において多様性を尊重し、すべての人々を包摂的な環境で受け入れる考え方です。リコーお役立ちコラムの第6回目は、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の概要や必要な背景やメリットと共に、リコーグループの取り組みもご紹介します。

目次

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)とは

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)とは、組織や社会において多様性を尊重し、すべての人々を包摂的な環境で受け入れ、多様な人材を活躍させることを重要視する考え方を意味します。「ダイバーシティ(Diversity)」は多様性を指し、「エクイティ(Equity)」は公平性を、「インクルージョン(Inclusion)」は包括・受容を意味します。企業には、多様な価値観をもつ人材が活躍できる環境が求められています。

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)が必要になった背景

ここでは、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の考え方が必要になった背景について解説します。

グローバル化の加速

デジタル技術の進歩により情報やデータのアクセスが容易になり、世界中の人々がリアルタイムにつながることが可能になりました。世界経済と文化がますます相互に結びつき、情報、人、サービスなどが国境を越えて流れる速度が増加している今、企業は国籍問わず多様な人材を受け入れて、ビジネスに取り組む必要性が高まっています。

価値観の多様化

社会の進化、文化の変化、個人の経験、教育など多くの要因によって、社会や個人が持つ価値観は多様化し、異なる人々や文化、世代間で異なる価値観が存在するようになりました。多様な価値観の受け入れは、企業の成長と持続可能性にとって不可欠な要素となっています。

労働人口の減少

昨今、少子高齢化の影響によって、労働人口の減少が進んでいます。企業は人材の確保が難しくなっており、雇用に関する体制を変更する必要性が高まりました。たとえば、定年制の延長や女性の雇用など、労働者を確保する取り組みが必要です。外国人の労働者を受け入れる体制も求められています。

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)のメリット

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)は、組織や社会全体の進歩と発展に貢献する重要な要素です。ここでは、DEIのメリットを解説します。

イノベーション創出につながる

企業に多様な価値観をもつ人材が集まると、新しいアイデアが生まれやすくなります。女性や外国人、高齢者などの価値観が、今までにない発想につながるためです。多様な価値観が統合されると、組織全体でイノベーションが起きやすくなります。組織に新しい価値観が生まれると、新サービスや新商品の開発にもつながるため、企業が競争力を維持し、成長するための重要な要素となります。

優秀な人材を雇用できる

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の考え方がある企業は、国内・国外問わず人材を雇用しやすくなります。多様な働き方が受け入れられる環境は、労働条件を理由に働けない人が応募しやすくなるためです。企業に応募する人数が増えることで、優秀な人材を獲得できる可能性を高められます。

従業員のモチベーションが向上する

多様な人材が活躍できる職場環境は、従業員が魅力を感じやすくなります。従業員が多様な働き方で成長を実感できると、自身の必要性を感じやすくなるためです。従業員のモチベーションが高まると、離職率の低下にもつながります。キャリアアップの施策や制度の整備などによって、モチベーションが高まる環境を構築できます。

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)とSDGsの関連性

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)とSDGsは、根本的な部分が一致しています。SDGsとは、多様性のある持続可能な社会を目指す活動です。SDGsの目標として、「誰1人取り残さない」という考え方があります。DEIの根底には、多様な価値観を受け入れることもあり、SDGsの活動と密接な関係があります。

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)における課題

多様な人材が働く企業は、従業員の意識改革が必要です。ここでは、企業における一般的な課題を解説します。

女性や障がい者、外国人などマイノリティとされる人たちが活躍しにくい風土がある

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)では、女性や障がい者、外国人などマイノリティとされる人たちが活躍できる環境の構築が必要です。

例えば女性の場合、かつての日本の商慣習では、男性の従業員が優遇されてきました。現在もこの商慣習が残っている環境もあり、人によっては女性の管理職に対して偏見をもつ可能性があります。実際に女性の管理職の数は少なく、ロールモデルをイメージしにくい現状もあります。

無意識の偏見がある

人間には先入観や固定観念である、アンコンシャスバイアスがあります。アンコンシャスバイアスは、別名「無意識の思い込み・偏見」と呼ばれているものです。あらゆるものを「自分なりに解釈する」という脳の機能によって引き起こされるもので、本人が気づかない場合も多くあります。

リーダーシップの不足

リーダーシップの不足は、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の取り組みの推進を妨げる主要な要因です。組織全体の意識を改革するには、経営層・マネジメント層のコミットメントとサポートが重要です。DEIの取り組みは継続的なプロセスです。多様な価値観や働き方を受け入れるには、経営層が積極的にコミットメントを示し、企業の意識を改革しなければなりません。

まとめ

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)は、組織や社会全体の進歩と発展に貢献する重要な要素です。DEIを進めるには、組織全体での文化の変革、教育と訓練、リーダーシップのコミットメント、透明性の向上、そして包括的な政策が必要です。多様性とインクルージョンを持続的な取り組みとして位置づけ、戦略を策定していきましょう。

リコーのダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの取り組み

リコーグループでは、社員一人ひとりがいきいきと活躍し、イノベーションを創出することで、企業力を向上させ、社会の持続的な発展に貢献することが重要と考えています。その実現のために、多様な人材が活躍できる環境整備が必要であり、社員一人ひとりが仕事と生活の双方をマネジメントし、生産性の高い働き方をすることが重要です。

このような考え方から、リコーグループでは以前から「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」と「ワークライフ・マネジメント」を経営戦略の1つと位置づけていました。2023年からは多様な人材に真に活躍してもらい、インクルーシブな組織風土を醸成するためには、各人が直面するさまざまなチャレンジや状況に応じたサポートや資源を提供するという「エクイティ」という概念が欠かせないと考え、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)」として一層取り組みを強化しています。

“リコーグループでは、世界中すべての人びとのユニークな才能、経験、知見を結集し、新たなイノベーション創出に取り組みます。”

これは、リコーグループが今後、あらゆる多様性や価値観を互いに受け入れ、グローバルの社員が一つのチームとして働く決意を表すものとして制定し、22言語でグローバル各極に発信。2016年10月から世界各地域が参画する”グローバルダイバーシティプロジェクト”を立ち上げ、One Global Ricohとして、グループ一体となったダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の推進に取り組んでいます。

リコーラテンアメリカの社内から始まった女性活躍がテーマのイベント

2017年から3月8日の国際女性デーに合わせて、各地域にて女性活躍をテーマにイベントを開催しています。リコーラテンアメリカの社内から始まったこの活動は年々広がり、社員同士の繋がりの輪が広がるだけでなく、リコーグループとお客様との繋がりや信頼感が強まる非常に有意義な機会となっています。

また、各国女性リーダーからのメッセージをつないだビデオを作成し、全ての従業員のチャレンジを後押しするメッセージを発信しています。

リコーグループのダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)とワークライフ・マネジメントへの取り組みを自社の参考にぜひご覧ください。


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