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リコーグループは、デジタルサービスの会社としてお客様の"はたらく"の変革を支え、働きがいと企業や経済の成⾧が両立する、持続可能な社会づくりに貢献しています。そんなリコーで働く社員たちは、自らの仕事の中で、「"はたらく"に歓びを」をどう体現しているのでしょうか?
そこで、リコーのテレビCM「社員が語るストーリー」シリーズに登場している社員に、仕事のやりがいや今後のビジョンについてインタビュー。今回は、樹脂判別ハンディセンサーの開発とマーケティングを担当する、循環型ソリューション開発室の建部哲郎さんに話を聞きました。
リコーデジタルサービス(RDS) 日本極統括 環境・エネルギー事業センター 循環型ソリューション開発室 開発3グループ
建部 哲郎氏
所属している部署と、今のお仕事について教えてください。
建部: 環境エネルギー事業センターの循環型ソリューション開発室という部署で、循環型社会の実現に向けた製品の開発に携わっています。具体的には、新規事業の樹脂判別ハンディセンサー「RICOH HANDY PLASTIC SENSOR B150」の開発や、お客様の要望のヒアリングを含むマーケティング、そして新機種や、樹脂判別ハンディセンサーに関連するデジタルサービスについての検討も担当しています。
顧客のニーズのヒアリングと開発、どちらもやっているんですね。
建部: 新規事業ということもあり、そこは分けずにどちらも担当しています。もともとは開発の仕事がメインだったのですが、2023年3月の発売前に1年間ほど、製品をお客様にお貸し出しして、使い勝手やご要望を開発にフィードバックするという活動をしていたんです。発売後もその延長でマーケティングを担当しているという流れです。
私は樹脂判別ハンディセンサー開発のメイン拠点である大阪の池田事業所にいるのですが、東京の本社や、神奈川・海老名のリコーテクノロジーセンター、それから東北にもメンバーがいるので、主にオンラインでやりとりをしながら仕事を進めています。
リコーに入社した時は、どのような部署に配属されたんですか?
建部: 入社した直後は、電子デバイスカンパニーという半導体を作る部署で設計をしてました。その次は研究開発本部で、MEMSミラーの開発を担当しました。MEMSミラーは樹脂判別ハンディセンサーにも使われていますので、そのつながりで、樹脂判別ハンディセンサーの発売約2年前に今の部署に移りました。今はほぼリモートワークで、週に2日ほど出社しています。
樹脂判別ハンディセンサーの開発の仕事の中で、もっとも大変だったのは何ですか?
建部: センサーをお客様にお貸し出しする活動期間の間に、様々なご要望を開発にフィードバックしていく仕事は大変でしたね。今の部署に来て最初の頃は、プラスチックやセンサーの知識も少なかったので、お客様のご要望が実現できるのかどうかすら、わからなくて。まずはやってみるという感じでしたね。課題を持ち帰って、文献で情報を探したりアルゴリズムの検討をしたり、プログラムを組んでみたりしながら、機能を改善しつつ、自分も学んでいきました。
ヒアリングをするお客様はどんな業種の方々だったのでしょうか。
建部: リサイクル業者様から、製造業様や卸売、物流関係、大学関連など、ビジネスにプラスチックを使われている様々な企業様です。
お客様からの要望というのは具体的にいうと、「この素材も判別してほしい」ということですか?
建部: そうですね。最初、樹脂判別ハンディセンサーの標準機能で判別できるプラスチックは7種類でした。ただ、それ以外のプラスチックもたくさんありますので、「これも測れませんか?」という声をいただく中で、機能をどんどん追加していきました。
その1年の活動期間で、大幅に機能が改善されたのでしょうか。
建部: 標準搭載機能で判別できるプラスチックが、7種類から13種類に増えました。それに、プラスチックは複数の素材が混ざっているケースも多いんですね。当初は、混合プラスチックをチェックすると、割合が多い素材で判別結果が出ていたのですが、お客様からの要望を受けて、混合されている素材とその割合も判別できる「混合比率モード」を追加しました。自分でプログラムを組み、プラスチックの混ぜ物を作り、それを判別してパーセンテージが正しいかを検証していく、その開発が大変でしたね。
では、建部さんが仕事を通じて"はたらく"に歓びを感じる瞬間は、どんな時ですか?
建部: お客様との対話と開発は、大変ですが、とてもやりがいを感じます。以前の半導体設計の仕事では、複合機の部品を手がけていたので、お客様とは距離があって、自分がどんな仕事をしているのか実感しにくかったのですが、今はお客様と近くでつながっているので、自分の仕事の成果が明確にわかって、すごく楽しいです。
CM撮影現場
お客様から実際に、喜びの声をいただく機会も多いのでしょうか?
建部: 混合比率モードをお客様にお見せした時には、「新しい機能、よかったよ」とか「現場で使えていいね」と喜んでいただけたり、樹脂判別センサー自体、あることを知らなかった方からは「こういうセンサー、待ってました」という声をいただきました。私が実際の現場に行ってプラスチックを計測すると、来てくれてよかったと、感謝されることもあります。
リコーに入社した時は、お客様とこうしてコミュニケーションする仕事をしているとは想像していなかったのでは?
建部: 想像してなかったです。どちらかというと、営業のような仕事はあまり得意じゃないと思っていました(笑)。最初はやっぱり難しいなと思うこともあったのですが、いろいろな業種のお客様と話しているうちに、どんどん楽しくなっていきました。
お客様との対話や反応から歓びを感じるとのことですが、開発の仕事では、どんなところにやりがいを感じますか?
建部: 新規事業の部署でメンバーが限られていて、開発とマーケティングなど分業ができない部分もありますが、だからこそいろいろな仕事を任せてもらえる環境でもあるので、ありがたいですね。
どんどんチャレンジができる環境では、ご自身の成長のスピードも速そうですね。
建部: そうですね。「やりたい」と手を挙げれば、スピーディに、なんでもやらせてもらえる環境ですね。
今回、リコーのテレビCMに出演しましたが、CM制作を振り返っていかがでしたか?
建部: もっと緊張せずに演技できたらよかったな、と思います。あとは、もうちょっとダイエットしとけばよかったですね(笑)。でも、たくさんのスタッフの方とスタジオで一緒に撮影ができたことは、とても貴重な経験でした。リコー主催のイベントでも放映されたのですが、その後、製品のウェブサイトでの問い合わせが増えたんです。樹脂判別ハンディセンサーを知っている人だけではなく、知らない方が興味を持ってくださるきっかけになったのは、とても良かったなと思いますね。
CM撮影現場
社内の反響はいかがでしたか?
建部: 社内からも「よかったよ!」と声をかけてもらえました。CMを観た私の子どもも、何度も動きを真似して楽しんでいたので、それもよかったです(笑)。
今後の目標を教えてください。
建部: まずはこのセンサーをお客様にもっと使っていただいて、世の中に浸透させていくのが目標です。加えて、センサーをご提供するだけではなく、関連するデジタルサービスも展開させていきたいです。
それは具体的には、樹脂判別ハンディセンサーで取得した情報を活用したサービスということでしょうか。
建部: そうですね。樹脂判別ハンディセンサーはプラスチックを分別できるのですが、リサイクルする方法がないというお客様もまだ多いです。たとえば、毎月、一定量のプラスチックを排出するものの、リサイクル業者さんが有価回収できる重量に達していないために、費用をかけて廃棄しているケースもあります。
その廃プラスチックを、近隣の企業で共同回収できるスキームを作れば、プラスチックを有価物としてリサイクルに出すことができます。複数の企業様が参加するとなれば、リサイクル素材への信頼性が求められるので、その部分はリコーの樹脂判別ハンディセンサーが担保できます。今後は、そうしたソリューションも含む資源循環の大きな絵を描いて、サービスとして広げていきたいですね。