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お役立ちコラム

DX(デジタル)人材とは?DX人材が注目される背景、育成方法などを解説します

デジタル技術の活用によって企業のビジネスを変革し、競争力を高めていくことが「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」です。日本でもDXの重要性が認識されるにつれ、DXを推進する人材への注目度も高まっています。リコーお役立ちコラムの第1回目の今回は、DX推進のために必要な人材の育成の方法、DX化推進のポイントを解説します。

目次

DX人材とは

DX人材とは「DXの推進を担う多様な人材のこと」です。経済産業省のガイドラインでは、以下のように定義されています。

1.DX推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材、育成
2.DXの取り組みをリードする人材、その実行を担っていく人材の育成、確保

まとめると、テクノロジーやデータに関する知識を持つ人材に加えて、DXをリードしプロジェクトを統括できる人材が必要ということになります。

デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン|経済産業省

DX人材が注目されている背景

DX人材が注目されている背景にあるのは、経済産業省「DXレポート」における「2025年の崖」です。既存システムのブラックボックス状態を解消できず、DXが遅れデータ活用ができない場合、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が出ると発表したことにあります。この「DXレポート」は、DXの必要性と認知度を向上させました。

DXレポート|経済産業省

日本企業の課題はDX人材不足

情報処理推進機構(IPA)によれば、日本企業の多くではDXを推進する人材が不足していると言われています。多くの企業が将来の成長、競争力強化のためにDX化が必要であるとの認識はある一方で、推進に必要なデジタルスキルを有した人材が大幅に不足しており、DX人材の確保・育成が企業の大きな課題となっています。

デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査|独立行政法人情報処理推進機構

企業に必要なDX人材とは

企業のDX推進に必要な人材は、テクノロジーやデータに関する知識を持つ人材に加えて、DXをリードしプロジェクトを統括できる人材に大きく分かれます。

必要なDX人材像

DX人材は主に次の7つあげられます。この7つの人材像は、情報処理推進機構(IPA)が「デジタル事業に対応する人材」と定義しているものです。

DXで成果を上げるために重要なのは変革リーダー

DXで成果を上げるために、重要な人材はデジタル事業の実現を主導する変革リーダーであるプロダクトマネージャーです。DX化による事業価値を見いだし、成果を実現するために総合的な事業戦略の策定を行い、目標を実現させる役割があります。DX化のプロジェクトやデジタル技術を活用したビジネスに対して責任を負います。

DXを全社へ浸透させるためには、推進部門以外の人材もデジタル技術を理解することが不可欠

DXは推進する部署のみで行うのではなく、推進する部門以外の協力が得られる体制を作る必要があります。人材不足の今、企業が求めるDXに精通した人材を外部から確保してくることは容易ではありません。そのため、社員に対して、新しいテクノロジーやデジタルスキルに対する教育を行い、組織的な底上げを実施し育成することが重要です。

DX人材を育成するには

DX人材の育成のためにはどのような環境整備が必要でしょうか?今回は3つの例をご紹介します。

必要な知識・スキルを学べる環境を整える

日本企業では、技術を学び直す「リスキル」への取り組みが少なく、社員が必要な知識やスキルを学びにくい点があげられます。新しいテクノロジーやデジタルスキルの理解度のギャップがデジタル化を遅らせる要因になるため、社員のITリテラシーレベルを把握し向上させる環境を整えましょう。

OJTなどで実践を行う

OJTや実務などの機会を設けることで、社員は現場からの経験や知見が得られます。実務を通じて活用力や実行力が身につき、学んだスキルやマインドセットを実践で活かせる人材に育成できます。DX推進が軌道に乗った後は、社内でプロジェクトを立ち上げて新人の教育の機会を作るのもおすすめです。

アジャイル開発を行う

アジャイル開発とは、開発工程を「計画」「設計」「実装」「テスト」の4つに区切って行う手法です。短い間隔で工程を分けることで、仕様変更や機能改善、軌道修正に対応しやすくなります。アジャイル開発は小規模なプロジェクトから始めることで開発の難易度を抑えられるため、DX人材育成に活用できると言われています。成功体験が積めるため、現場で活用できるスキルを身につけられます。

DXを推進していく大切なポイント

DXを推進するには、企業全体の取り組みやシステム導入後の取り組みが重要です。それぞれ説明します。

経営層が率先し企業全体でDXに取り組む

DXは企業変革そのものであるため、経営層が率先して取り組む必要があります。経営層と現場の間にDXに対する意識に差があると、方向性を見失いやすくなります。IT部門だけが推進している状況ではなく、社員全体にDXの意識が浸透するように、経営層がDX化を牽引することができれば成功に近づきます。DX化は長期間の取り組みになるため、長期目線をもって実施しましょう。

システムの導入を目的にしない

DXのシステム導入は、ゴールではなく手段です。システムを導入した後に使用する機会が少ないことや、システム化した後に生産性が落ちるなどの問題を引き起こす場合があります。システムの導入は、運用体制も視野に入れて検討しましょう。DXによる自社の課題解決を行うために、導入した後の体制の構築やDX人材の育成などを想定することが重要です。

まとめ

DX人材は、DXに精通したスキルやマインドを持つ人たちです。変革リーダーを中心に、企業のビジネスを変革するDX化への活躍が期待されています。DX人材は多くの企業で不足しているため、人材を育成する環境を構築していきましょう。

最後にリコーグループの事例をご紹介します。

リコーグループのデジタル人材の育成

リコーグループでは、企業価値の源泉となる人材への投資は将来財務を生むための重要施策と捉え、経営基盤強化の一環として、デジタル人材の育成に力を入れています。

「リコーのデジタルサービスを創出・加速させる人材」を 「デジタル人材」と定義し、すべての社員がその中心となるデジタル人材になることを目指しています。育成については、まず社員のスキルを可視化し、どの部署にどんな人材がいるのかを把握します。その上で、専門的デジタルスキルを保有する人材として、それぞれの専門能力の向上を目指しています。

2022年4月には「リコーデジタルアカデミー」を設立しました。リコーデジタルアカデミーとは、全社員がデジタル人材を目指すために自律的にスキルを磨き続ける機会を提供する社内研修プラットフォームです。社員が自発的に講座を受ける仕組みですが、講座を案内すると即座に500人以上が参加を希望しました。

リコーグループのデジタル人材への取り組みもぜひ参考にご覧ください。

「変革に向けデジタル人材の育成を推進」(日経ESG)

リコーデジタルアカデミーを設立し、デジタル人材の育成を加速

リコー、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2022」に選定

リコーのDX

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