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脱炭素への挑戦が導く企業価値向上 ~持続的成長を目指すリコーの経営戦略~

本コンテンツは、2021年11月18日 日本経済新聞朝刊の広告掲載より抜粋して作成したものです。禁無断転載

写真は、生産関連会社Ricoh Manufacturing (Thailand)Ltd. の社屋屋上に設置した太陽光パネル。同工場は使用電力の100%を再エネ電力で賄う。

国際的に地球温暖化対策の強化が求められる中、企業への期待が高まっている。

リコーは経営戦略として脱炭素社会の実現に向けた実効性の高い施策を展開。

国際的なイニシアチブへの積極参加も進め、ステークホルダーと協働し取り組みを加速する。

リコーグループのサステナビリティースローガンは「Driving Sustainability for OurFuture.持続可能な社会を、ビジネスの力で。」。2014年制定のこのスローガンには、社会が抱える多様な課題を事業を通じて解決していくという強い信念が込められている。

リコーは、半世紀近く前の1976年に環境推進室を設立。98年には「環境経営」を世に先駆けて提唱し、「環境保全と利益創出の同時実現」に取り組み、SDGs(持続可能な開発目標)が掲げるゴールの達成にも様々な面から貢献を果たしている。

パリ協定が採択された2015年の第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)では、それまでの環境経営の取り組みが評価され、仏政府の依頼で公式スポンサーを務めた。この国際舞台で脱炭素に向かう世界の潮流を実感した経験が、17年の日本企業初となるRE100への参加表明につながっている。同年には、50年までにカーボンニュートラルを目指すことを盛り込んだ環境目標も政府の宣言に先んじて発表した。

経営のリーダーシップで取り組み企業価値向上にもつなげる

サステナビリティーを経営戦略・システムに取り込み、経営トップの指揮で推進している点がリコーの特徴だ。山下良則社長はESG(環境・社会・企業統治)目標を中長期的な競争力の源泉になる将来財務目標と捉え、経営メンバーでESGの課題を議論するESG委員会を18年に設立。20年からはESGの定量目標を社外にコミットし、役員報酬にも連動させる方式を取り入れた。解決を目指す七つのマテリアリティー(重要社会課題)とそれにひも付く17のESG目標を設定しており、その一つが脱炭素社会の実現となっている。情報開示にも積極的で、統合報告書はもとより、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークにのっとったレポートの発行も21年に開始した。

リコーグループが取り組むマテリアリティー(重要社会課題)とSDGsの図

具体的な数値として、30年度の温暖化ガス排出を15年度比63%削減するという高い目標を掲げ、事業で使用する再生可能エネルギー電力比率についても50年までの100%達成に向け30年度の目標数値を30%から50%へと今年引き上げた。

成果も着実に生まれている。温暖化ガスは20年度に36・5%削減を達成。すでに世界31社182拠点で再エネ100%を達成し、主力のA3複合機生産に使われる電力も19年夏にすべて再エネ化している。国内では21年4月から独自の再エネ電力総合評価制度を導入し、調達する電力の「質」も評価して本社の再エネ100%化を完了。国内販売会社のリコージャパンでは、新設する社屋のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を進め、顧客向けのショーケースとして脱炭素の実践事例紹介に活用している。一方、事業を通じた脱炭素への取り組みとしては、電力販売や照明・空調制御システムといった創エネ・省エネ事業やグローバルな製品・部品再生事業の展開、植物由来のプラスチック代替新素材の開発などを進めている。

リコーの取り組みのもう一つの特色は、ステークホルダーと共に取り組みを進めていること。例えばリコージャパンでは「SDGsキーパーソン」という制度を18年から始め、現在、全国で414人の社員が登録している。各職場で社内外に向けたSDGsの展開を促す役割で、環境・社会・地域課題の解決に貢献するリコーの取り組みを発信する点でも成果が生まれている。

また、国内外の主要イニシアチブに率先して参加し、そこで得た知見を社外にも共有。RE100参加を検討する企業にもノウハウを提供するなど、活動の輪を広げている。政策への働きかけや脱炭素に関する外部団体にも積極的に関与する。

こうした多彩な取り組みにより、リコーはサステナビリティーのリーダー企業として世界でその名を高めている。20年には「DJSI World」構成銘柄に選定され、日経SDGs経営大賞の大賞を受賞した。リコーグループのビジネス視点に立った脱炭素の取り組みは、今後も加速していくだろう。

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