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2023/08/17~20 雲ノ平

参加者:澤田

奥穂が終わったらノンビリ雲ノ平に行こうと決めていた。
折立から新穂高に抜ける為、8/13の毎日アルペン号を予約したが台風7号が直撃しそうで日程変更を余儀なくされた。
夏休み最終日に帰って来るのは少々辛いが、ノロノロ台風で影響が読めない為、8/16出発に変えてバスの予約を取り直した。

台風とは別の脅威も出てしまった。
8/11頃から子連れの熊が折立周辺でウロウロしていて、8/12には登山者が襲われて折立キャンプ場も閉鎖となってしまった。
8/13には登山道を1H程度進んだところで目撃された情報も流れていた。
熊には会いたくない!

 

8月17日(木) 晴れのち雨

折立7:05-五光岩ベンチ10:45-太郎平小屋11:55-薬師峠12:15

 

バスは少々遅れたもののほぼ時間通りに到着した。
熊と会わない為にも登山者が多く登っている時間帯になるべく一緒に歩きたいので、出発準備を整えてスタートする。

 

アルペン号乗り換え折立バス停

 

3泊4日の山行なので荷が重くゆっくり進んで行く。
一日6Hくらいの行程を目途にしたので、ゆっくり登れば辿り着くだろうと言う目論見である。
太郎平までの登りはこれで3度目になるが、折立から最初のベンチまでの樹林帯が急であるがあとはそれほどではないので、最初の一本を乗り切れればあとは景色を楽しみながら登れば何とかなる。
しかしただただ蒸していて、汗が滝のように出てくる。

なんとかベンチに着いた頃には、バスで一緒だった人達は既に先に進んでいた。
右下に有峰湖が見え、先には薬師岳に続く稜線が見えるが残念ながら山頂は雲の中で時より見える程度であった。

 

眼下に有峰湖が見える薬師岳への稜線

 

5年前に来た時より登山道がさらに整備されていた。
4時間程度進むと太郎平小屋と薬師岳山荘が見え出す。
太郎平小屋まで登れば、今日の泊りの薬師峠のテント場までは直ぐである。

 

薬師岳方面は天気が悪くなりだす太郎平小屋が見える

 

昼少し前に太郎平小屋に到着する。
昼と言うことでかなり賑わっている。
登山届を出し、雲ノ平方面の状況を確認し、ビールを買ってテント場へ向かう。

 

太郎平小屋到着太郎平

 

前に来た際との違いは、テント場の受付が昼間も行われているようになり、昼間でも薬師峠でビールが買えるようになっていた。
夏休みシーズンだけかもしれない。
薬師峠のテント場は1,000円、最近は2,000円のテント場が多い中でリーズナブルであった。

 

薬師峠のテント場は、水が豊富で水洗トイレもあって快適だが、足踏み式の水洗が壊れてしまったのか備え付けのカップで水を流すように指示が書かれていた。これも月日の流れなのだろう。
テントを建て、ビールを飲んでテントの中で寝ているといきなり雨が降り出した。
歩いている間に降られずに良かったなぁと思いながら、雨で涼しくなったテントで夕方まで寝てしまった。
隣のテントの人と話していたら、PFUだと言う。
しかもスキャナをやっていると言う。私も今期からPFUのスキャナに関わることになっていたので、世の中は狭いなぁと言う話となった。

薬師峠のテント場は、携帯が繋がるのでありがたい。
明日の天気図と雨の状況を確認したところ、明日も昼頃から雨になりそうである。
明日も降られずに歩けるだろうか…

 

もうすぐ薬師峠のテント場太郎平キャンプ場

 

818() 晴れのち雨

薬師峠5:20-太郎平小屋5:45-第一徒渉点6:25-薬師沢小屋7:35/7:55-アラスカ庭園10:50-奥日本庭園11:30-祖母岳11:50-雲ノ平小屋12:15/12:30-雲ノ平テント場12:55

 

早立ちの人が3時頃から動き始める。
もう少し寝たいのにと思いウトウトしていたら4時になってしまった。
明るくなったら歩き始めたいので起きて朝食の支度を始める。
外は星空、夜半にも雨が降ったようであるが天気予報通りなら雲ノ平到着まで雨に捕まらないかもしれない。

 

5:20薬師峠をあとに太郎平へと向かう。
途中、槍ヶ岳が見え、このまま天気が続いてくれると良いなぁと思う。
太郎平で一枚脱いで薬師沢へと向かう。
1日目の食料が減ったとは言えまだまだ荷物が重い。

 

遠くに槍ヶ岳黒部五郎岳方面

 

第一徒渡点に着き、緩やかな下りに変わる。
どこまで進むと薬師沢小屋に着くのだろうと思いながら下って行くと、足元に小屋の屋根が見え薬師沢小屋に到着する。

 

第一徒渡点木道が続く

薬師沢小屋の吊り橋薬師沢小屋

直登?

 

吊り橋を越えると雲ノ平への急登が始まる。
樹林帯で景色もなく、しかもトラップのように木が被っている箇所もあり、ともかく辛いとしか言えない。
途中で後ろからビリビリと言う音がするが何だろうと思いながら登り続けた。
空が見えてきて地図を確認するとそろそろ急登が終わりに近づいていることがわかる。

 

今回の山行の中で、折立から太郎平へ登ってしまえばあとは大変じゃないと思い込んでいたが、真っ赤な嘘!
太郎平への尾根と違って岩がゴロゴロ、その上ザックに木が引っかかって歩き難くしかも急登、今回の山行の一番の難所であった。
急登が終わりしばらく進むとアラスカ庭園、やっと雲ノ平の外れに到着したようである。

 

雲ノ平に入ったザック破ける

 

ここで一本立てた際に、登りでビリビリ言っていた原因がわかる。
なんとザックの海蓋が劣化で破けて来ている。
長年使っているので仕方ないが「ここで破けるか!」と思い、スマホやココヘリの端末を落として無くなさいように海蓋の中身を減らしてベルトで対策する。

 

あと1Hくらいだろうか、ここからは木道があり緩やかな登りなので楽しく歩けるはずだが、急登を登り切って疲れているのと荷が重いことでペースは上がらない。

 

雲ノ平を進む雲ノ平山荘が見える

 

祖母岳との分岐が今一わからなかった。
アルプス庭園と言う標識があったので、行って見ることにしてザックを背負ったまま進んだ。
分岐にザックがデポしてあったので、怪しいなぁと思って地図を確認すれば良かったのだが、まあそれほど遠くないだろうと思いザックを担いだまま進んだのだが、途中で一緒になった人が下りて来たので聞いたら祖母岳へ向かっていて、ここを下りて来ないといけないことがはっきりする。
完全に失敗である。
木道が広くなったところにザックをデポして山頂へと向かう。
山頂に出ると黒部五郎岳が目の前に見え、今までの辛さが吹き飛ぶ瞬間であった。

 

雲ノ平山荘に向かう途中で、2つ目の不幸に気が付く。
なんと左側の靴の靴底が剥がれはじめている。
え? まだ5シーズン目だけど! このままあと2日歩ききれるのだろうかと言う不安が広がる。
雲ノ平山荘のベンチで、とりあえずテーピングテープを出して仮補修を行う。

 

雲ノ平キャンプ場は丘を越えた先、まずは小屋で届を出してビールを買ってキャンプ場に向かう。
キャンプ場の使用料は2,000円、ビール500mlは1,100円。
水場が枯れてしまい、別のところに作ってあるのでそちらを使うように説明を受ける。

 

雲ノ平キャンプ場に到着するが、平らなところが少なくテントを設営する場所を探し回り、結局最初に見た入口に近いところに決めてテントを設営する。
昨日と違ってテント設営中も息切れしてしまい、今日の辛さが物語っているようであった。
テントを設営し、外でビールを飲み、今日も昼寝を始めるが暫くすると雨が降り出す。
天気予報はあたっていたのだが、雨が降り出すまでにテントの中に入れたことは幸いであった。

 

テントの中で靴を乾かし、明日に向けて幅広のテーピングテープで靴底の隙間に砂や水が入らないように巻いて、タイラップで固定して補修完了。
とは言え、無理すると酷くなるので明日からは歩き方を注意する必要がありそうである。
雲ノ平は流石に携帯の電波が拾えず天気予報を確認することができない。
出発前の天気予報では、週末にまた雨が降るような感じであったが下山までもってくれると良いのだがと思う。

 

雲ノ平キャンプ場への分岐雲ノ平キャンプ場

靴を補強

 

819() 晴れのち雨

雲ノ平テント場5:30-スイス庭園5:45-祖父岳分岐6:25-黒部川源流7:50-三俣山荘8:40/9:05-三俣蓮華岳10:25/10:40-双六岳12:10/12:30-双六小屋13:30

 

今日は4日間で一番短い行程、更に言えば疲れていたら三俣蓮華岳を登らずに巻道で双六小屋まで行くこともできる。
まずはスイス庭園に行き、祖父岳分岐へと進んで行く。
当初祖父岳も登ろうかと思っていたが、靴が壊れてモチベーションがダダ下がりなので今回はパス、黒部川源流へと向かうことにする。
これで雲ノ平とお別れかと思うと少々寂しい気分になる。
次は雲ノ平に連泊して高天元温泉にも行ってみたい。

 

雲ノ平キャンプ場を後に雲ノ平もあとわずか

スイス庭園

 

黒部川源流の先に三俣蓮華小屋が見えている。
距離はそれほどではないが、一旦源流まで下って登り返しになる。

源流まで下り渡渉した場所で一本立てる。
黒部川源流は水晶岳に登った際に来ているが、帰りは鷲羽岳を通ったのでこの登り返しを登ってはいない。

 

オコジョに会う谷の向こうに三俣蓮華小屋が見える

黒部川源流黒部川水源碑

 

三俣蓮華小屋まで登ったらコーラが飲みたいなぁと思いながら登ること40分、以前歩いた際にはもう少し水量がある箇所を歩いた記憶があるが今回はそうでも無い。渇水期のせいなのだろうか….
三俣蓮華小屋に着いたもののコーラは売り切れ、ガッカリしたがオレンジジュースで喉を潤し、三俣蓮華岳へと向かう。

 

巻道との分岐まで登って来ると山頂までは高度差100m、山頂からの景色が良いと言われているので頑張って登ることとする。

 

三俣蓮華小屋三俣蓮華小屋からの槍ヶ岳

三俣蓮華岳との分岐三俣蓮華岳山頂

三俣蓮華岳山頂標識雲が湧いて景色が今一

 

山頂に着いたが、残念ながら黒部五郎岳は雲の中、槍ヶ岳も雲の中で、良く見えるのは鷲羽岳と水晶岳、360度のパノラマではあるが少々残念であった。
ここからはそれほど上り下りがなく双六岳まで行けると思っていたが、それなりに上り下りがあって疲れた身体には少々しんどくなって来ている。
おまけに双六岳の山頂はガスの中、でも行くしかない。

 

双六岳山頂

 

双六岳山頂に着くと、携帯の電波が拾えるようになり、貯まっていた通知を拾い出す。
山頂でメールやLineを確認して時間を潰したが、天気が一向に回復しないので双六小屋に下りだす。
本来なら正面に槍ヶ岳が見える気持ちの良い下りと聞いていたのだが…

 

双六小屋まであと20分くらいの箇所で雨が強く降り出してしまう。
周囲の人はそのまま下って行ったが、荷が重くペースは上げられないのでカッパの上だけ羽織って濡れないようにする。
ついにカッパを着ることになってしまった。
双六小屋のテント場が見えて一安心、水晶岳に行った際にここに連泊したが、その時は満杯でテント設営場所を探すのに苦労した。
今回は設営場所は選びたい放題のようであった。
双六小屋のテント場に着き、テントを設営する頃には雨は一旦上がっていた。

 

さあ小屋に行って生ビールを飲まなければ!
双六小屋のテント場の使用料は2,000円、生ビール1,000円、350ml缶ビール600円、ビールが他より少しだけ安い。

 

夕方から雷が鳴りだし、雨が降ったりやんだりとなってしまう。
明日は最終日、天気予報を確認すると午後からは雨。
雨に捕まる前に新穂高温泉まで下ってしまいたい。
靴を乾かし、テーピングテープを巻きなおして明日の準備は完了。
いつもと違って帰りがバスで時間が決まっている為、靴の問題もあるので早めに出発することにして早く寝る。

 

820() 晴れのち雨

双六小屋4:50-弓折乗越5:45/6:00-鏡池山荘6:40-シシウドヶ原7:20-秩父沢出合8:25-小池新道入口9:10-わさび平小屋9:35/10:05-お助け風穴10:45-新穂高温泉11:20

 

今日は最終日、弓折乗越まで行けばあとは下るだけである。
3時半に起きヘッ電点けて準備をして、空が白み始めた4:50に出発する。
新穂高まで6Hくらいと見ているが、途中で靴が壊れたらもう少しかかってしまう。
バスに乗る前には温泉に入ってスッキリしたい。
弓折乗越に向かう途中で、槍ヶ岳の左側から朝日が昇りだす。
今日も暑い一日になりそうだ。

 

双六小屋出発槍ヶ岳を望む稜線に朝日が上がる

 

黒百合ベンチに着いたが、時期が遅いのか黒百合が咲いていない。残念。
弓折乗越手前で靴底をとめていたタイラップが切れてしまったので、弓折乗越のベンチで新しいものに交換する。
ここからは下りが続く。

 

鏡平山荘に着くと、ベンチで美味しそうにコーヒーフロートを飲んでいる人がいる。
今日はまだ時間が早いので、かき氷やフロートは無しで鏡池に向かう。
鏡池では逆さ槍が出ているが、逆光になって写真が上手く撮れない。

 

弓折乗越からの鏡平小屋鏡平小屋

鏡池

 

シシウドヶ原まで下ると開けた谷の先に新穂高ロープウェーが見える。
まだまだ遠そうだが終盤に近付いていることがハッキリ感じられる。
秩父沢出合に着き一本立てて冷たい沢の水で顔を洗う。
いつもの年より水量が少なく感じる。
あと40分で林道に出られるので、そこからは安全圏に入る。

 

シシドヶ原秩父沢出合

小池新道登山口

 

小池新道登山口に着き、余計に背負っていた水1Lを捨て荷物を軽くする。
もう少し下ったらわさび沢小屋、友人から「わさび平のそうめんは冷たくて旨いよ」と言われたのでわさび平小屋でそうめんを食べる。
そうめんは美味かったが、火照った体にはもう少しキンキンに冷えていると更に良い。

 

わさび沢小屋名物そうめん

 

あと1Hちょっと、ただただ暑い。
お助け風穴に着き、しばらく涼む。
林道のゲートを抜け林道終了。
橋の手前にあるロープウェー駅に向かう橋の分岐を見落としてしまい、登山指導センターのところの橋まで下りてしまう。
まあ橋の近くにある中崎山荘奥飛騨の湯に寄ることにしていたので、さほど差は無い。
奥飛騨の湯到着。

 

玄関前で荷物を整理させてもらい着替えを取り出して中へ入る。
入浴料900円、JAF割が使えるので800円。
温泉に入ったら、施設内にある食堂で食事ができる。
4日間のご褒美で、生ビールと飛騨牛の定食を食べる。
食事を待っていると、外からザァーっと言う音が聞こえて来た。
窓の外を見ると大粒の雨が降っている。
朝暗いうちに出たので雨に降られなかったが、あと30分遅かったらと思うと今回は運も味方してくれたのだなぁと思ってしまう。
食事が終わってもなかなかやまず、生ビールのお代わりをして小降りになるのを待つ。
傘は無いのでバスが出るロープウェー駅に行くまで、雨が降っているとカッパを着ないといけない。
既にお風呂に入ってスッキリしているので、それは避けたい。

 

新穂高のゲート中崎山荘奥飛騨の湯

飛騨牛定食

 

13時を少し回った頃、雨が小降りになったことを確認して新穂高ロープウェー駅に向かう。
あとは帰りの毎日アルペン号に乗れば新宿直行である。

 

14:40アルペン号出発。
今日は日曜日と言うことで、中央道の渋滞を考慮して少し高いがトイレ付きのバスをチョイスした。
途中でわかったのだが、このバスは上高地に寄ってお客さんを拾ってから東京に向かうようで一旦上高地に入って行く。
この30分が帰宅時間に影響しそうだなぁと言う嫌な予感がする。

 

この予感は的中する。中央道の小仏トンネル付近の通常の渋滞に加えて石川PA付近での事故渋滞の影響で、バスは新宿に23時着となってしまった。
おかげで帰宅が0時半、明日?は6時に起きて仕事をしないといけない。

 

記録:澤田
写真:澤田