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2023/07/15~17 奥穂高岳

参加者:L澤田・國保

今年こそ吊尾根を歩きたい。
昨年は計画したものの直前で背中を切開することになってザックが担げず断念となってしまった。
梅雨が明けていないが、この三連休は初日は雨が降りそうだが後半に向けて回復する予報なので奥穂高岳山行を決行することにした。

沢渡に着くと駐車場にはそこそこ車が止まっている。
この連休はバスの始発が5時なので、早めに起きることにして仮眠に入る。

715() 小雨のち曇り

上高地6:30―明神7:20―徳澤8:20―横尾9:30―本谷橋10:40―涸沢ヒュッテ12:40

 

5時に起きるがまだ天気が今一、今日は涸沢までなので急ぎはしないが混雑して良い場所にテントが張れなくなるかもしれないので準備をしてバスで上高地へ向かう。
上高地に到着した時点では、カッパを着るか迷うくらいの雨であったが出発の支度をしていると段々降って来たので仕方なしにカッパを着てスタートする。
久しぶりの上高地、雨なので混雑していないことが良いのだが、荷は重いしカッパは暑い。
明神に着くころにはTシャツはビショビショになってしまった。

雨の河童橋明神到着

 

黙々と歩くこと1H、徳澤園到着。
空が明るくなって来ている。
雨も止んだようなので、まずはカッパの上だけ脱ぐことにする。
新村橋は架け替え中で、対岸に渡るには仮設道路を進んで行く必要があるようであった。
今回はパノラマルートには行かないので「橋無いねぇ…」と話しながら先に進む。

 

一度は泊まってみたい徳澤園新村橋架け替え中

 

横尾に着くと人でいっぱいなことに驚かされた。
青空ものぞくようになったのでカッパ下も脱いで身軽になる。
ここで1日目の行程の半分かなぁ、ここからが本格的な登山道で涸沢への登りが始まる。

 

賑わいを見せる横尾橋を渡って涸沢へ向かう

 

横尾を出て1H、本谷橋もう少しかなぁと思うが歩が重くなったので手前で一本立てる。
今日はあと2Hくらいで涸沢なのだから無理する必要は無い。

 

気を取り直して歩き始めると10分ちょっとで本谷橋に到着する。
昔は危なっかしい橋だった記憶が残っているが、今では立派なつり橋となっている。

さあ、ここからが本当の登りである。

本谷橋で水を飲んで気合を入れなおして再スタートする。

 

本谷橋本谷橋を越えて小休止

 

ペースは上がらないが順調に涸沢は近づいている。
対岸の本谷の雪渓を登って行くパーティーが見える。北穂への登攀だろうか?
前方の丘の上に涸沢ヒュッテが見えて来る。
この辺りから雪渓が残っていて、雪の斜面を何度か歩くことになる。
行き違いもあるのでペースが落ちて来る。
暫く登ると涸沢ヒュッテ、本日はここまでで終了。

 

雪渓を進む

 

テントの受付は13:30からのようなので、先に場所を選んでテント設営を行うが、涸沢はガレ場の上にテントを張る必要があって、雪の時期以外はテントを張って寝るのも大変な場所である。
テントの受付の前でコンパネ1枚500円で貸出を行ってくれているようであったが、既にコンパネは残っていなかった。
コンパネ借りられたら快適なテント生活がおくれそうです。

 

13:30過ぎたのでテントの受付に行ったが、受付待ちの長い列が出来ていて30分待ちでやっと受付を完了する。
ヒュッテに行って一杯飲む。
涸沢カールの雪渓側から時より強い風が吹きつけるのでただただ寒い。
明日はザイデン登って奥穂を越えて岳沢まで下る必要があるので、早めに就寝とする。

 

大賑わいの涸沢ヒュッテ涸沢カールのテント場

 

 

716() 曇り

涸沢7:35―穂高岳山荘10:10

 

朝起きてパトロールの詰め所の前の天気予報を見ると、昨日から大きく変わっていて午前中に強風が吹くことになっていた。
昨日見た時は午後から回復する予報だったので予定通り進むことにしていたが、どうするか決めかねてしまう。
パトロールの人に話を聞くと、午前中は15m/sくらいの強風が吹き、昼前に雨が来て、その後回復して行くものの午後も10m/sくらいの風が吹く可能性があり、吊尾根は風の影響を受ける可能性が高いと言われた。
穂高岳山荘のテン場もかなり混雑しているだろうと言う話もしている。

テントに戻って國保と相談し、今日は穂高岳山荘まで上がってテントを張って停滞、テントが張るスペースが無かったらそのまま涸沢まで下ってテントを張り、今回は吊尾根を歩くことは断念して夏休みに出直すしか無いと言う話となり、朝食を取って出発準備を始める。

涸沢ヒュッテの辺りは電波が得られずスマホで気象情報が直接見られないので、情報収集が難点です。
小屋内はWiFiがあるようだが、テント泊者には提供されていないので仕方がない。

 

涸沢カール上部はガスの中涸沢小屋へ向かう

 

涸沢小屋まで登るとスマホの電波が拾えるようになった。
ザイデンを下りて来た登山者に状況を聞くと、上部ではたまに突風が吹いていると言う。
荷が大きいので突風に煽られないように注意が必要だなぁと思いながら先に進む。

ザイデンに近づくとガスの中に段々入ってしまう。
しかし風は強くなく、これなら問題無さそうだが天気は一向に回復する兆しは無い。
雪渓にステップが切ってあり、しばらく登ると穂高岳山荘に到着する。

 

パノラマコースと合流するとガスに捕まる

ザイデンの岩場を登るここが頑張りどころ

高山植物に癒されながら進む穂高岳山荘手前

 

 

テントの受付は10:30からと言うことで、先にテント張って良いよと言われたのでテントを張り、10:30過ぎに受付に行ったら長い列。
今日はストーブが焚いている小屋の中の列なので寒さが無いのがありがたい。
でもこんなに早く2日目を終わってしまって大丈夫なのだろうか?
明日は奥穂を越えて岳沢に下って、そのまま上高地まで下る必要があって行程的には少し長い。
テントの中でゴロゴロしていると、どんどんテント山行の人達がやって来てスペースが埋まって行く。
14時くらいには設営スペースが無くなり、小屋からはどこでも良いので張れる所に張って良いと言われたようで、こんな所に張るの?と思えるところまでテントの設営が行われて行く。
涸沢で天気の回復を待たずに出発して正解だったようです。

 

穂高岳山荘からカールを見下ろす

本日の宿は石垣の上今夜は快適かも

天気が急速に回復中

 

717() 晴れ

穂高岳山荘5:35―奥穂高岳6:10/6:30―紀美子平7:50/8:10―岳沢10:25―岳沢登山口12:15―上高地12:45

 

3時を過ぎると周囲が動き始めている。
今日は長いと言っても8Hくらい、まだ寝ていたいなぁと思うが4時過ぎにテントの入口を少し開けると空が白み始めている。
トイレから帰って来た頃に朝日が昇る勢いで明るくなって来た。
真っ青な晴天、1日停滞したのは正解だったようだ。

朝日が上がって来る今日は快晴奥穂方面も真っ赤に染まる

 

朝日で染まる山頂を見て、朝食を済ませて出発準備をして奥穂に向かう。
1H
登れば山頂、あとは下る一方だがそれが一番危ないのかもしれない。
山頂に朝日を見に行った人たちがいるからか、この時間なのに山頂から下りて来る人がいてすれ違いが発生している。
1H
せずに奥穂高岳山頂に到着する。
山頂は写真撮影待ちの状態であったが、時間があるのでその列に並び我々も写真撮影する。
今日は周囲の山々が全て見えていて景色が良い、遠くに富士山も見えている。

穂高岳山荘出発いきなりの直登前穂の奥に富士山が見える岩場を登る

 

 

山頂を越えた広場でひとしきり景色を堪能し、吊尾根へと向かう。
何度となく奥穂の山頂や前穂の山頂に立っているが、なぜか吊尾根には嫌われていて今回初めて通ることになる。
吊尾根を歩けば、徳本から明神東陵を経て奥穂に繋がるルートを歩いたことになるので、何としても歩きたかったが何度となく計画に上げたもののその度に天気・渋滞・ショートカット等々、歩く機会を逸していた。

奥穂高岳山頂山頂は見納め槍ヶ岳が見える

 

歩いてしまえばなんてことないルートだなぁと思うのだが、何か所か注意が必要な箇所があり気が抜けない。
紀美子平で一区切りと思いながら先に進む。

さあ吊尾根最初はなんてことない稜線が続く前穂を見ながら快適に歩く

 

紀美子平に着き、前穂は?と聞いたが、何度も来ているので前穂はパスしてそのまま岳沢に下りることとなった。
私が持っている日地出版の地図(昭和の地図)には、紀美子平を経由せずに吊尾根から前穂に直接登るルートが書かれているが今はそのルートは存在しない。
紀美子平からは急な斜面を下りて行くことになる。
荷が大きいので荷に振られないように慎重に下りて行く必要がある。
まあ2Hも下れば岳沢なので急がず安全重視で下るしかない。

紀美子平紀美子平から奥穂山頂を望む

 

今日もヘリが飛んでいる。
このところ事故が多く気になっているが、昨日に続き今日も事故があったのだろうか…

紀美子平からは岩場と梯子が続く岳沢パノラマ岳沢パノラマから奥穂を望む

岳沢が近付いたがまだまだ下る岳沢ヒュッテが見えるが近付かない振り返れば穂高

 

岳沢に着くころには暑くてバテバテ、岳沢の小屋の前のベンチは陽が当たって暑い。
水を飲んでヘルメットをザックに仕舞って、涼しい風穴まで向かうしか無いと言うことで上高地に下りだす。
風穴が近いと良いのだが、1Hもある。
3日目終盤ともなるとペースが上がらない。
暑い暑いと思いながら下るので歩が進まない。
なんとか風穴について涼むがあと1H、上高地に着かないことには今回の山行は終わらない。

 

岳沢ヒュッテ岳沢ヒュッテのブランコ

岳沢風穴涼しいねぇ

梓川まで下り木道を歩き出すと観光客の多さに驚く。
まあ3連休最終日が最高の天気になったので仕方がないと思うが、バスはどのくらい待つことになるのだろうか…

河童橋を渡り穂高と別れを告げバスターミナルに向かうと長い列が出来ていた。
沢渡行きのシャトルバスの列のようで、往復切符を買ってしまったのでタクシーと言うわけにも行かず列に並ぶことにする。
1H、やっとのことでシャトルバスに乗ることができた。

今日は3連休最終日、おまけに工事で中央道が片側通行の区間もある。
渋滞を避けながら帰るしかないなぁと思いながら帰路に着く。

岳沢登山口木道を上高地に向かって進む

三日目の穂高は快晴

 

記録:澤田
写真:國保・澤田