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リコー インド教育支援プログラム-Quality Education for All-

活動報告

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    PhaseⅡ 楽しく学ぶ授業を創る

    活動の進捗状況・写真を掲載していきます。

    2014年12月 デジタルコンテンツを活用した授業がスタート

    7月以降、県の教員養成機関(DIET : District Institute of Education and Training)の協力の下、小学4・5年生の先生を対象にした教員研修を行いました。研修では、基本的なPC・インターネットやプロジェクターの知識とデジタルコンテンツ活用の意義とともに、触って学べる体験教材とデジタル教材を組み合わせた参加型授業の手法についても説明しました。講義の後は、先生たちが実際に、教科書の各単元に沿って、活用するデジタル教材の内容を検討し、参加型授業となるための進め方を含む「授業プラン」の作成や模擬授業も行ないました。

    9月からは、研修で作成した授業プランに沿って、各学校で、実際にデジタル教材を取り入れた授業を実施しています。例えば、5年生の「食べ物の味覚や消化」を学ぶ授業では、体内の消化機能を動画で紹介した後、先生が用意したいくつかの食品を子どもたちが味見をし、「甘い、苦い、辛い」などの味覚を体感する授業を行ないました。先生たちが一方的に説明する授業ではなく、動画を見たり、クイズをしたり、意見を発表する機会を作ったり、簡単な確認問題を実施したりすることで、楽しく授業に参加する子どもたちの様子が随所に見られるようになっています。

    いくつかの授業を体験した子どもたちからは、「教科書だけではわかりにくいことも、理解できるようになった」「もっと多くのストーリーを聞いたり、ゲームやクイズを体験したりしたい」と言った声が聞かれました。また、先生たちからも、「子どもがより授業に集中したり、反応したりするようになった」「臓器の仕組みや宇宙など想像するのが難しいものについて、教えやすくなった」など、デジタルコンテンツの効果を確認することができました。

    さらに、欠席がちだった子どもが、きちんと学校に通うようになったり、宿題に取り組まなかった子ともが、熱心に新しいことを学ぶようになったり、授業以外の学校活動にも積極的に参加するようになったり、多くのポジティブな変化が子どもたちに見られるようになりました。こうした効果を踏まえ、今後はより理解が難しい授業テーマに関する効果的なデジタルコンテンツを検討すると同時に、先生がより授業をしやすい環境を整える支援を行なっていきます。

    画像:リコースタッフによるプロジェクターの使い方説明(7月・デリ)

    リコースタッフによるプロジェクターの使い方説明(7月・デリ)

    画像:単元ごとの授業プランを作成する先生たち(7月・ビハール州)

    単元ごとの授業プランを作成する先生たち(7月・ビハール州)

    画像:プロジェクターを活用した生活の授業(11月・デリ)

    プロジェクターを活用した生活の授業(11月・デリ)

    画像:動画に見入る子どもたち(11月・デリ)

    動画に見入る子どもたち(11月・デリ)

    2014年9月 教員ワークショップを実施

    プログラム開始にあたり、まず、現状を把握するため、対象地の3州で基礎調査を行いました。その中で、教員や教育省に聞き取りを行ったところ、教員の質に関わる問題として、以下の点が挙がりました。
    1. 教員の異動や交代が頻繁にあるため、研修の効果が実際の授業に表れにくい
    2. 教員によって、「授業の質」に対する意識の高い、低いに差がある
    3. 教員は子どもを授業に積極的に参加させるスキルを身に着けていない
    また、授業の質を担保するために、現状では教科や手法が限られている教員マニュアルを見直す必要があることもわかりました。

    こうした状況をふまえ、6月~7月にかけて、デジタル教材を活用し、どのように参加型授業を実施するかを検討する教員ワークショップを、各州で実施しました。

    ワークショップでは、まず、デジタル教材開発の専門家を招き、デジタル教材とはどのようなものなのか学んだ上で、対象となる「生活」の授業のどの単元で活用できるかを議論しました。教員たちからは、口頭や写真では伝えきれなかったり、身近にあるものでは説明できなかったりするトピックにビデオや映像などを使いたい、という意見が出ました。例えば、植物の根が水を吸収する映像、地域にみられない動物の映像、環境汚染の原因と影響の流れ、文字の読み書きができない女の子のストーリーなどです。

    他にも、インドならではのアイディアもありました。インドでは、「家族」は非常に重要な存在で、毎日の生活の中でも親戚とのつながりが強いです。そのため、子どもが血縁関係を理解するのは大切なことですが、大家族の血縁関係を正しく、簡単に理解するのは難しいため、そこにデジタル教材を使いたいと熱心に語ってくれました。

    また、よりよい授業を実施するために、教員マニュアル入れる項目として、各単元を学ぶ目的を子どもたちと共有する、グループワークや個人ワークを取り入れることなどあがりました。参加型にするための方法として、写真を使う、映像を使う、質問を問いかける、課外活動を行うなどの具体的な内容も話し合いました。

    今回のワークショップで集まった教員の意見を集約し、教育省と議論を重ねながら、7月~9月にかけて、各州で行う学校でのパイロット授業に向けて、先生向けのトレーニングを実施していきます。

    画像:UNICEFと教育省が開発したビハール州の教員マニュアル

    UNICEFと教育省が開発したビハール州の教員マニュアル。
    予算の関係で、内容は小学校1年生~5年生の算数と国語(ヒンディー語)に限られている。

    画像:デジタル教材の映像の一つを見る教員たち

    デジタル教材の映像の一つを見る教員たち

    画像:デジタル教材が活用できる単元の選定とどのようなデジタル教材がいいかをグループにて話し合った

    デジタル教材が活用できる単元の選定とどのようなデジタル教材がいいかをグループで話し合う

    画像:最後にグループで話し合った内容を発表した

    最後にグループで話し合った内容を発表

    2014年4月 事前調査

    プログラムの本格始動に向けて、2月に事業候補地であるアンドラ・プラデシュ州カリムナガール県にて、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフとともに、調査を実施してきました。

    学校でのプロジェクターとデジタル教材の活用に向けて、デジタル教材の作成や教員研修を行う政府機関を訪問し、現状についてのヒアリングを行いました。また、いくつかの学校も訪問し、先生たちに補助教材やPCの活用状況をうかがい、子どもたちにはどの教科が好きか、どの教科が難しいと感じるかなどのインタビューを行ないました。

    その結果、政府はすでに多くのデジタル教材を作成しているものの、学校ではあまり活用されていないこと、県レベルでの教員研修は予算の関係であまり行われていないことがわかりました。また、先生が工夫をして様々な補助教材を使っている学校もありましたが、こうした教材活用は、学校や先生によってかなり差があることもわかりました。

    この調査結果をふまえ、どのようなデジタル教材であれば、より先生が活用しやすく、生徒が楽しく授業に参加できるのか、どのように先生の声を反映しながら教員研修を実施していくのかなどを検討し、プログラムの準備・実施を行っていきます。

    訪問した学校の子どもたち。壁にはたくさんの教材が貼られている

    訪問した学校の子どもたち。壁にはたくさんの教材が貼られている

    子どもたちが作成した英語教材

    子どもたちが作成した英語教材

    英語のe-learning教材が導入されている学校

    英語のe-learning教材が導入されている学校

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