2015年10月~2017年3月を第2期の活動として、テランガナ州で言語(テルグ語・英語)の教科を対象としたデジタル教材の開発・授業の導入支援を行いました。今回、対象科目を言語にしたのは、母語であるテルグ語が他教科学習の基礎にも関わらず学習成果が低いことと、英語学習への強い要望が生徒・保護者からあったといった背景がありました。また、現地の販売会社リコーインドからの支援もあり、プロジェクターの導入対象校は、2県の40校に拡大しました。
まずは、第1期(2014年4月~2015年9月)と同様、教員に対して「デジタル教材の開発方法」と「子どもの参加を促す双方向の授業方法」の研修を行いました。その結果、教員たちが教材開発を進んで行なうようになり、自ら歌やナレーションを入れたり、字幕をつけたり、子どもたちが理解しやすい教材となるよう、どんどん工夫を加えていくようになりました。第1期で開発した教材も含め、これまでに100以上のデジタル教材が教員によって作られています。
こうして教員が独自に開発した教材を授業で活用し、双方向の授業を行なってきたことで、第1期と同様、子どもたちの学習レベルの向上や出席率の向上、私学からの転校、子ども参加型授業へのシフト、教員のモチベーションの向上、教員同士の連携の広がりなど、多くの成果が出ています。また、こうした成果を踏まえ、テランガナ州教育局は、ICT*(Information Communication Technology)を活用した授業のモデルを州内の学校に拡大することを決定しました。
2017年3月をもってリコーとセーブ・ザ・チルドレンが協働で進めてきた本活動は終了しますが、政府が継続的にデジタル教材を活用した授業を推進できるよう、仕組み作りのサポートも行なってきました。その結果、県の教育機関(DIET:District Institute of Education and Training)では、デジタル教材の開発トレーニングが教員養成コースのプログラムに組み込まれました。また、デジタル教材の共有を行なうために設置したDIET内のPCルーム「デジタルハブ」は、教員が常に訪問して教材をダウンロードするなど、活用できる状態になっています。
これまでの取り組みから、テランガナ州政府の主導で、すでに一部の学校において、リコーのプロジェクターの導入も進んでおり、今後はビジネスを通して教育の質の向上に持続的に貢献していきたいと考えています。
*ICTとは情報通信技術の略称です。
現地の言語であるテルグ語の教科書
先生の開発したデジタル教材での授業
先生が楽しそうに授業をしている様子が各校で見られた
DIET内に設置されたPCルーム「デジタルハブ」