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リコー インド教育支援プログラム-Quality Education for All-

活動報告

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    PhaseⅠ 学びのためのネットワーク構築

    活動の進捗状況・写真を掲載していきます。

    2013年11月  子どもたちの声をコミュニティへ

    子どもたちの学習環境と生活環境の改善に欠かせないのは、そのプロセスに子どもたちが参加することです。本プログラムでは、子どもたちの成長にとってどのような環境づくりが必要なのか、子どもクラブや子どもメディアグループの活動を通じて、子どもたち自らが声をあげ、行動することの大切さを伝え、教員や保護者、コミュニティの人たちに働きかけることを行っています。今回は、そんな子どもたちの活動を紹介します。

    ドラタバット校の子どもクラブでは、およそ10人のメンバーが1ヶ月に2回集まり、学校の課題や取り組みたい活動について話し合っています。これまでに、飲料水の確保、男女共同で使用しているトイレの改善、校庭を囲む塀の必要性が課題として上がってきました。校長先生からのアドバイスを取り入れながら子どもクラブから働きかけた結果、遂に学校運営委員会が解決に乗り出しました。その結果配水管が整備され、女子用のトイレが建設され、また、校庭の塀の建設については政府の予算を獲得することができました。

    一方、子どもメディアグループは、スクールマガジンの発行やイベント開催を通して、子どもクラブからあがった課題を、地域社会に発信していく役割を担っています。子どもたちはこの活動に参加することで、ミーティングの議事録の書き方や記事をわかりやすくまとめることを覚えます。また、スピーチの仕方や写真の撮り方も上達し、メッセージを届けるための劇の練習を通じてダンスや演技の経験をすることもできます。
    シェーカンパリー校で10月に発行されたスクールマガジンには、学校や村のニュースの他に、子どもたちが書いた絵や物語、詩などが掲載されています。メディアグループの活動は、学校の学習課程以外で子どもたちが特技としているところを伸ばす機会にもなっています。

    学校に必要な環境が整っていないと、子どもたちは授業に集中することができないばかりか、学校に通い続けることすら難しくなります。子どもたち自身がこのような活動を通じてコミュニティに向けて発信していくことは、環境改善に参加することでもあり、また、コミュニティについての理解を深め、自ら考え・行動する問題解決の能力を養うことにつながります。そして、それが彼らの学習・生活環境の改善が継続されることにつながるのです。

    ドラタバッド子どもクラブの様子

    ドラタバッド子どもクラブの様子

    子どもクラブで話し合う子どもたち

    子どもクラブで話し合う子どもたち

    カメラの使い方研修

    カメラの使い方研修

    メディアグループの劇の練習

    メディアグループの劇の練習

    シェーカンパリー校のスクールマガジン

    シェーカンパリー校のスクールマガジン

    2013年6月  学校運営の基盤作り

    本プログラム対象地域の学校は、日本の学校のように教室がきれいで、トイレもあり、図書室や理科の実験室があるという環境にはありません。インド政府は、こうした学校環境改善や義務教育の普及のために、2013年度の予算として、数百億円を計上しています。しかし、州、県、郡、そして学校での予算決定の過程や内容が不透明であり、各学校で実際に使える予算は少なく、子どもたちの教育の質改善のために本当に必要な予算配分が行われていないのが現状です。

    また、2009年にインド政府が制定した「教育の権利法」では、教員、保護者、コミュニティ、子どもたちがメンバーとなる「学校運営委員会」が主体となって、予算作成を含む学校運営を行うと定められています。ところが、プログラムを開始した2011年の時点では、学校運営委員会や各メンバーの役割を知らない人たちがほとんどでした。

    本プログラムでは、3年間のプログラム終了後には、現地のコミュニティが自立的に、学校環境の改善ができることを目指しています。そのために重要な役割を果たすのが、学校の改善方法を話し合い、予算を作成する学校運営委員会です。そこで、まず、先生、保護者、コミュニティ、そして子どもたちに、子どもには教育を受ける権利があること、学校運営の中で、それぞれの果たす役割があることを研修の中で伝え、各学校で学校運営委員会を組織し、学校改善に向け活動してきました。

    例えば、メダック県チンタンチャル村では女子生徒が学校へ通わなくなる事例が出ていたことから、学校運営委員会が中心となり、子ども、教員、地域青年会、保護者と話し合いが行われました。そこで明らかになったのは、「学校にはトイレがないから」という原因でした。しかし、政府からの予算(8,000ルピー:約13,600円)ではトイレ建設には足りないため、学校運営委員会が早急に対応すべく、地域の青年会やコミュニティに働きかけ、7,000ルピー(約11,900円)の寄付金を集めることに成功しました。その結果、男女別のトイレが建設され、女子生徒の退学原因の一つが解決されました。

    このように学校運営方法や関係者の教育に対する意識を向上することで、各学校のニーズに沿った学習環境を持続的に改善することにつながります。プログラム3年目の本年は、更に学校運営全体のガバナンス改善を目指し、郡や県レベルでも学校運営における問題などを、現地の人たちが主体となって行政に提示できるように、郡レベル学校運営委員会も形成して、行政とのネットワーキングも強化していきます。

    生徒増により、教室不足のため外で勉強する子どもたち

    生徒増により、教室不足のため外で勉強する
    子どもたち

    郡レベルにおける教育の権利法研修の様子

    郡レベルにおける教育の権利法研修の様子

    女子生徒の退学原因について話し合うために集まった保護者たち

    女子生徒の退学原因について話し合うために
    集まった保護者たち

    建設されたトイレ

    建設されたトイレ

    県レベルにおける教育の権利法会合

    県レベルにおける教育の権利法会合

    2013年3月  走る印刷機

    2012年度に寄贈を計画していた10台の印刷機は、1月中に各学校への設置と先生たちへの研修を終え、順調にテスト用紙や教材の印刷に活用され始めています。
    今回は、設置先のひとつである地元NGOが運営するモバイル・チャイルド・リソースセンターでの活用状況をご紹介します。

    本プログラムを実施する地域の公立学校には、日本では当たり前に存在する理科の実験器具や算数教材が、ほとんどありません。そのため、子どもたちは教科書を読んで得た知識が、実際にどういうことなのかを体験することができず、理解が進まないケースがあります。

    こうした補助教材と子どもたちにもわかりやすい絵本や図書を乗せ、各学校を巡回するのが、モバイルリソースセンターです。このバスは、3つの地区の公立学校150校をカバーしており、毎日2校、2ヶ月かけて全学校を巡回しています。バスには、発電機が設置されているので、電気も扇風機もついていて、教室よりも快適に過ごすことができます。

    バスが学校に到着すると、子どもたちは順番にバスに乗り込み、好きな本を手に取り、熱心に読んでいました。また、バスが滞在している間は、リソースセンターのスタッフが補助教材を使って、子どもたちに火や水を使った実験を見せたり、勉強の大切さを歌や踊りを通して伝えるパフォーマンスをしたり、楽しい特別授業の時間になります。

    このモバイルリソースセンターに印刷機を設置したことで、バスの巡回にあわせて、各学校に必要な印刷教材やテストを提供したり、先生が用意したプリントを印刷したりできるようになります。通常、学校の一室に置かれる印刷機ですが、デコボコ道を移動しても動かないよう特別クリップを用意するなど、設置にも工夫をしました。

    2ヶ月に1度という頻度は決して十分ではありませんが、バスの巡回のタイミングに合わせて先生たちに2ヶ月分の教材を用意してもらい、それを印刷しておくようにすれば、これまで数時間かけて、コピーショップに行っていた手間や黒板の文字を写す時間を減らすことができ、授業や学習環境も改善できるのではないかと期待しています。

    モバイルリソースセンターのバス

    モバイルリソースセンターのバス

    電気も扇風機もある快適なバス内

    電気も扇風機もある快適なバス内

    本に夢中の子どもたち

    本に夢中の子どもたち

    リソースセンターのスタッフによるカード教材を使った授業

    リソースセンターのスタッフによるカード教材を使った授業

    バスに設置された印刷機

    バスに設置された印刷機

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