AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約


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Science July 26, 2002, Vol.297


短信(In Brevia)

以前サイエンス誌で報告された結果について、WrightとCzeislerによって行なわれた注意 深く制御された反復実験では、ひざの裏側を日の光にさらしても、実際には ヒトの概日性時計には位相の変化は生じないことが明らかになった(p. 571;Barinagaによ るニュース記事参照のこと)。(KF,NF)
PHYSIOLOGY:
Setting the Human Clock: Technique Challenged

   Marcia Barinaga
p. 505.
Absence of Circadian Phase Resetting in Response to Bright Light Behind the Knees
   Kenneth P. Wright Jr. and Charles A. Czeisler
p. 571.

水を通過する水素イオン(Protons Passing Through Water)

溶液内で、水分子の一部分はH3O+とOH-へ解離されている。そしてこれらのイオンは、他 のイオンと比較して、予期される以上に大きい移動度を示す。Bakker とNienhuys (p. 587)によるHDOとD2O混合物に対しての分光学的研究は、“液体水中でのO-H伸長振動はか なり非調和である”という解釈を与えている。水素-結合性相互作用を付け加えると、位 置エネルギー面が広がり、レベル・スペーシングが減ることになる。第2の振動励起状態 は、O-H 結合における解離エネルギーのたった20%に相当するエネルギーで生じるが、そ の状態で、水素イオンがすでにかなり非凝集化されている。(hk,KF)
Delocalization of Protons in Liquid Water
   H. J. Bakker and H.-K. Nienhuys
p. 587-590.

個々に育てる(Glowing Individuals)

さまざまな径とキラリティーを有する単壁カーボンナノチューブは、それぞれ固有の特性 を有する異なった分子である。しかし、これらの相違を研究するには、それらナノチュ ーブによって形成された束やロープからそれらナノチューブを分離し安定化する方法が必 要である。O'Connell たち (p.593) は、強力な超音波処理とドデシル硫酸ナトリウム (SDS) を用いて、個々のチューブを安定化した。そして、彼らはそれらを遠心分離法で精 製することができた。半導体性のナノチューブは、金属性のナノチューブとの抑制的な相 互作用から解放され、800nm と1600nm 間の波長に対応するバンドギャップ蛍光を見せた 。この放射は、ナノチューブの側壁が酸性条件下でプロトン添加されると失活させること ができる。(Wt,KF)
Band Gap Fluorescence from Individual Single-Walled Carbon Nanotubes
   Michael J. O'Connell, Sergei M. Bachilo, Chad B. Huffman, Valerie C. Moore, Michael S. Strano, Erik H. Haroz, Kristy L. Rialon, Peter J. Boul, William H. Noon, Carter Kittrell, Jianpeng Ma, Robert H. Hauge, R. Bruce Weisman, and Richard E. Smalley
p. 593-596.

銀河系への侵入者(Milky Way Interlopers)

銀河系のハロー(halo)の領域に存在する古い恒星からなる球状星団は、原始銀河系の形成 初期の崩壊のなごりを示す最も古い物体を代表するものであると考えられている。奇妙に も、星団は、わずかに異なった年代と特性を持つ2つのグループを成している。Yoonと Lee(p.578; またClementによる展望記事参照のこと)は、星団のうち金属が乏しい (metal-poor)グループが平面上に分布していること(planar alignment)を、外部ハロー中 に見つけた。彼らは、これらの星団は、銀河系形成直前に形成された衛星銀河(satellite galaxy)からの侵入者であり、十分早く退散できなかったために、これらほんの少数の迷 子星団(stray clusters)が置き去りにされてしまったことのだ、と示唆している 。(TO,KF,Nk)
ASTRONOMY:
Of Clusters and Galaxies

   Christine M. Clement
p. 532-533.
An Aligned Stream of Low-Metallicity Clusters in the Halo of the Milky Way
   Suk-Jin Yoon and Young-Wook Lee
p. 578-581.

モンスーンの湿気(Monsoon Wetting)

モンスーン活動の多様性は、全世界の気象パターンの観点から重要であるにもかかわらず 、じゅうぶん理解されていない。Andersonたち(p.596;またBlackによる展望記事参照のこ と)は、表面居住(surface-dwelling)の有孔虫の一種、グロビゲリナ(Globigerina bulloides)について、それが強いモンスーン風によって生成されるような湧昇条件 (upwelling conditions)を調べる非常に良い指標となるため、その相対的な量を分析する ことで、過去千年間の南西アジアモンスーンの強度を明らかにした。北西アラビア海から 得られたこの記録は、モンスーンの強度が、1600年頃の最小から、全期間中で最大値を示 す現在まで、過去4世紀間上昇していることを示している。この結果から、南西アジアの モンスーンの強度は、北半球の温度が上昇しつづけるなら、今後も増し続けることが示さ れる。(TO,KF)
CLIMATE VARIABILITY:
Enhanced: The Rains May Be A-Comin'

   David E. Black
p. 528-529.
Increase in the Asian Southwest Monsoon During the Past Four Centuries
   David M. Anderson, Jonathan T. Overpeck, and Anil K. Gupta
p. 596-599.

フォークを進行させる( Keeping the Forks on the Road )

数多くのDNA複製ステップにおける何らかの失敗は、二本鎖(ds)DNAの切断導入によって染 色体の完全性の損失となるを引き起こす(Carrによる見解参照)。二編のレポートは複製フ ォークの進行に焦点を合わせてあてている。複製フォークがどのように監視されているの かを決定するために、Sogoたち(p. 599; 表紙参照)は、野生型酵母細胞とチエックポイン ト欠損の酵母細胞の複製フォークの構造を電子顕微鏡を用いて直接可視化した。野生型の 細胞では、停止した複製フォークは1本鎖(ss)DNAの短かな領域を露出する。チエックポイ ント欠損の細胞では、長いssDNAをもつ複製中間体と逆転フォークが見い出されており 、このことは、dsDNA切断が停止したフォークの不適切な処理によって生じていることを 示唆している。酵母中においてMec1を含んでいる染色体-結合信号シグナル伝達タンパク 質のATR/ATMファミリーは、損傷したDNAや異常なDNAを検知して、細胞周期の停止を指示 し、そして修復する。ChaとKleckner(p. 602)は、Mec1がないと場合にDNA切断は,複製遅 延ゾーン(replication slow zone)と命名された染色質の特異的領域で生じていることを 示している。このように、Mec1は細胞周期の正常なS期の間で複製フォークの進行におい てにある役割を果たしている。(KU,NF)
ATR Homolog Mec1 Promotes Fork Progression, Thus Averting Breaks in Replication Slow Zones
   Rita S. Cha and Nancy Kleckner
p. 602-606.
Fork Reversal and ssDNA Accumulation at Stalled Replication Forks Owing to Checkpoint Defects
   José M. Sogo, Massimo Lopes, and Marco Foiani
p. 599-602.
Checking That Replication Breakdown Is Not Terminal
   Antony M. Carr
p. 557-558.

はしごを共に登る( Moving Up the Ladder Together )

層状の銅酸化物超伝導体の二次元平面では、複雑な相互作用が起こっている。この複雑さ を解明する一つの方法はより単純な酸化物化合物における一般的な挙動を調べることであ る。Blumborgたち(p.584)はこの方法を採用して、CuO面の2本足のフラグメントを含む物 質であるSr14Cu24O41ラダー化合物の分光学的特性や 移動特性、誘電特性を調べた。低い電場ではずれ、銅塩超伝導体の新たな基底状態を表わ す可能性のある電荷-配列状態を、絶縁相が形成している。(KU,KF)
Sliding Density Wave in Sr14Cu24O41 Ladder Compounds
   G. Blumberg, P. Littlewood, A. Gozar, B. S. Dennis, N. Motoyama, H. Eisaki, and S. Uchida
p. 584-587.

胃が痛い(Pain in the Gut)

世界中で人口の約50%が感染しているHelicobacter pyloriは、消化性潰瘍を引き起こす 可能性があり、そして胃癌と関連している。Mahdaviたち(p. 573)はここで、胃粘膜上 の、炎症-誘導性シアリル-ルイスx(sLex)抗原に結合する、H. pylori上のシアル酸結合 付着因子、SabAと呼ばれる受容体を単離し、sabA遺伝子(JHP662/HP0725)を同定した 。感染個体および非感染個体のバイオプシーにより、sLexレベルが感染中に増加すること が示される。したがって、sLexと付着因子との間の相互作用が、H. pylori感染の病気を 引き起こす能力および慢性化に寄与している可能性がある。(NF)
Helicobacter pylori SabA Adhesin in Persistent Infection and Chronic Inflammation
   Jafar Mahdavi, Berit Sondén, Marina Hurtig, Farzad O. Olfat, Lina Forsberg, Niamh Roche, Jonas Ångström, Thomas Larsson, Susann Teneberg, Karl-Anders Karlsson, Siiri Altraja, Torkel Wadström, Dangeruta Kersulyte, Douglas E. Berg, Andre Dubois, Christoffer Petersson, Karl-Eric Magnusson, Thomas Norberg, Frank Lindh, Bertil B. Lundskog, Anna Arnqvist, Lennart Hammarström, and Thomas Borén
p. 573-578.

損傷反応隊(Damage-Response Team)

DNA-損傷剤に対する細胞の感受性および染色体の不安定性により特徴づけられる、まれな 一群の先天性障害の一群は、研究者たちが、DNA損傷に対して細胞が応答する際の分子経 路というピースを組み立てる際の手助けをしてきた。Howlettたち(p. 606;Wittおよび Ashworthによる展望記事を参照)はここで、染色体不安定性症候群、ファ ンコーニ貧血(FA)を罹患する少数の患者が、乳ガン感受性遺伝子、BRCA2中に、両アリ ル性(biallelic)変異を有していることを見出した。このBRCA2タンパク質は、相同組み 換え機構の一部として機能すると考えられているが、6種の以前に特性決定されたFAタン パク質と同一のDNA-修復経路において機能しうる。この経路についてさらに詳細に解析す ることにより、治療的処置のための新規な標的が示される可能性がある。(NF) blockquote> BIOMEDICINE:
D-Day for BRCA2

   Emily Witt and Alan Ashworth
p. 534.
Biallelic Inactivation of BRCA2 in Fanconi Anemia
   Niall G. Howlett, Toshiyasu Taniguchi, Susan Olson, Barbara Cox, Quinten Waisfisz, Christine de Die-Smulders, Nicole Persky, Markus Grompe, Hans Joenje, Gerard Pals, Hideyuki Ikeda, Edward A. Fox, and Alan D. D'Andrea
p. 606-609.

問題のダイエット薬、再び(Revisiting a Controversial Diet Drug)

D-フェンフルルアミンD-フェンフルラミン(d-FEN)は、合衆国において減量医薬品とし ていったんは広く処方されたが、この薬を使用した患者の一部に、弁膜性心疾患および高 血圧が報告されたことから、1997年に市場からは回収された。食欲抑制剤として 、d-FENは神経伝達物質であるセロトニンの有効性を増大させるが、しかしながら、薬物 の食欲抑制効果を媒介する中心的な経路は、同定されていなかった。げっ歯類モデルを研 究することにより、Heislerたち(p. 609)はここで、d-FENは、げっ歯類およびヒトの両 方において、エネルギーバランスを維持する際に極めて重要な働きをすることがすでによ く知られているシステムである、視床下部の弓状核中のメラノコルチンシグナル 伝達経路を活性化することを報告する。この新しいメカニズムの情報は、下流メラノコル チン経路を標的とする、有効でより選択的な、よりリスクが少ない抗-肥満治療薬を開発 するの補助をする可能性がある。(NF)
Activation of Central Melanocortin Pathways by Fenfluramine
   Lora K. Heisler, Michael A. Cowley, Laurence H. Tecott, Wei Fan, Malcolm J. Low, James L. Smart, Marcelo Rubinstein, Jeffrey B. Tatro, Jacob N. Marcus, Henne Holstege, Charlotte E. Lee, Roger D. Cone, and Joel K. Elmquist
p. 609-611.

まっすぐにする( Getting It Straight )

アクチンフィラメントの組立が、細胞分裂や細胞極性の確立と維持、更に細胞運動といっ たプロセスのために必要とされる。分岐アクチンフィラメントの形成は現在ではよく理解 されているが、しかしながら細胞がどのようにして分岐のないアクチンケーブルをつくる かに関しては謎が残っている。Pruyneたち(p. 612;ChangとPeterによる展望参照)は、酵 母タンパク質のフォミン(formin)相同性領域がin vitroで分岐のないアクチンフィラメ ント形成をどのように促進しているかを示している。(KU,NF)
CELL BIOLOGY:
Formins Set the Record Straight

   Fred Chang and Matthias Peter
p. 531-532.
Role of Formins in Actin Assembly: Nucleation and Barbed-End Association
   David Pruyne, Marie Evangelista, Changsong Yang, Erfei Bi, Sally Zigmond, Anthony Bretscher, and Charles Boone
p. 612-615.

受容体を選別する( Sorting Out Receptors )

様々なG-タンパク質-結合受容体(GPCRs)が細胞表面に再循環したり、或いは分解のために リソソームへの標的となったりするそのメカニズムは何なのだろうか? Whistlerたち(p. 615; GrayとRothによる展望参照)は、タンパク質の一つ 、GASP(GPCR-連結結合性選別タンパク質: GPCR-Associated Sorting Protein)が二つの構 造的 に関連したオピオイドGPCRsの運命に役割を果たしていることを役割について述べている 。δオピオイド受容体のカルボキシ末端細胞質領域がドメインは、μオピオイドのそれで はなく、GASPに結合するが、μオピオイドは結合せずし、そして、このような相互作用が リソソームへの輸送を促進している。幾つか他のエンドサイトーシス受容体も、又また 、GASPと相互作用しており、このことはからGASPがエンドサイトーシスの後でリソソーム に行くか再循環するかの選別を制御するキープレーヤであるらしいよう。(KU,NF)
CELL BIOLOGY:
A Last GASP for GPCRs?

   John A. Gray and Bryan L. Roth
p. 529-531.
Modulation of Postendocytic Sorting of G Protein-Coupled Receptors
   Jennifer L. Whistler, Johan Enquist, Aaron Marley, Jamie Fong, Fredrik Gladher, Pamela Tsuruda, Stephen R. Murray, and Mark von Zastrow
p. 615-620.

自己免疫性遺伝子上への回帰(Homing in on Autoimmune Genes)

自己免疫性の病気疾患については、特異的遺伝子座位がはっきりわかっているものはほん のわずかにすぎない。マウスでは、Bphsが、器官特異的な自己免疫の感受性に影響する常 染色体優性座位である。Bphsによって制御される感受性表現型はまた、百日咳毒素によっ て引き起こされる血管作動性アミン(VAAS)に対する過感受性過敏性反応の増加を示す 。Maたちは、このたび、ヒスタミンH1受容体(H1R)遺伝子Hrh1がBphsをコードしているこ と、また3つのアミノ酸の違いが感受性座位の活性を説明できる可能性のあることを明ら かにしている(p. 620)。Hrh1の欠失は、実験的に誘導された2つの自己免疫形態だけでな く、誘導されたVAASに対する抵抗性をマウスの感受性系統に与えた。抵抗性は、Tヘルパ ー表現型の逆転と相関していたが、これは、Bphs座位がT細胞の応答の調節不全を介して 感受性を与えることを示唆している。(KF,NF)
Identification of Bphs, an Autoimmune Disease Locus, as Histamine Receptor H1
   Runlin Z. Ma, Jianfeng Gao, Nathan D. Meeker, Parley D. Fillmore, Kenneth S. K. Tung, Takeshi Watanabe, James F. Zachary, Halina Offner, Elizabeth P. Blankenhorn, and Cory Teuscher
p. 620-623.

銅塩におけるバルクの電荷不均一性の測定(Probing Bulk Charge Inhomogeneites in Cuprates)

銅塩高温超電導体に関する最近の研究によると、それらが不均一であることが示唆されて いる。それらの電荷密度の変化はナノメートルのスケールで観測されてきた。しかしなが ら、実験は表面計測に基づいて行われてきたので、その不均一効果は手法に付随する人為 的なものである可能性がある。Abbamonte たち (p.581; またCho によるニュース記事参 照のこと) は、共鳴X線散乱に基づく手法を導入した。このX線散乱法では、X線の波長 は酸素の K edge に調整されており、電荷密度を精密に調べることが可能である 。La2CuO4+delta では、彼らは、面内空孔オーダリング(hole ordering)の証拠を見出せ なかった。(Wt,KF)
SUPERCONDUCTIVITY:
Stripes Theory Beset by Quantum Waves

   Adrian Cho
p. 499.
A Structural Probe of the Doped Holes in Cuprate Superconductors
   P. Abbamonte, L. Venema, A. Rusydi, G. A. Sawatzky, G. Logvenov, and I. Bozovic
p. 581-584.

おあつらえ向き(Made to Measure)

分子の組合せライブラリは、薬剤の標的など、受容体と強く結合する分子の探索において 有用でありうる。しかし、そうしたライブラリにおける分子プールは固定的であるため 、発見されうる分子の範囲は限定されてしまう。これとは対照的に、ある動的組合せライ ブラリのメンバーは、さまざまな、より広範囲の種へと、可逆的に構築されうるのである 。ある受容体の存在下では、特定の種の形成が好まれることになる。Ottoたちは、そうし たライブラリを用いて、ある鋳型の分子認識が、その鋳型にもっとも強く結合しうる複数 の種の同定を可能にすることによって、ライブラリの組成に大きな変化をもたらしうるこ とを示している(p. 590)。そうした種は、それから、鋳型によって選択された構成要素の みを含むライブラリを用いることで、選択的に合成されうるのである。(KF,NF)
Selection and Amplification of Hosts From Dynamic Combinatorial Libraries of Macrocyclic Disulfides
   Sijbren Otto, Ricardo L. E. Furlan, and Jeremy K. M. Sanders
p. 590-593.

線虫の性質(The Worm's Turn)

線虫(C.elegans)は、Kimたちによって、グラム陰性緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)によ る感染の制御に関与する遺伝子をスクリーニングするために用いられてきた(p. 623)。正 常な適応性とライフサイクルを有しているが、その細菌が腸に蓄積するにつれて緑膿菌に よって急速に殺される、2つの変異線虫が同定された。これら変異体はまた、グラム陽性 の病原体、腸球菌(Enterococcus faecalis)に対しても感受性をもっている。遺伝的マッ ピングや変異対立遺伝子の配列決定、さらにゲノムDNA断片を一緒に取り出すことによっ て、関与しているその遺伝子が、細胞の免疫応答において重要であると知られている、哺 乳類のp38マイトージェンによって活性化されるタンパク質キナーゼ経路の要素の相同物 をコードしていることが示された。(KF,NF)
A Conserved p38 MAP Kinase Pathway in Caenorhabditis elegans Innate Immunity
   Dennis H. Kim, Rhonda Feinbaum, Geneviève Alloing, Fred E. Emerson, Danielle A. Garsin, Hideki Inoue, Miho Tanaka-Hino, Naoki Hisamoto, Kunihiro Matsumoto, Man-Wah Tan, and Frederick M. Ausubel
p. 623-626.

抗血管新生療法とp53(Antiangiogenic Therapy and p53)

Yuたちは、p53癌抑制遺伝子が不活性化された腫瘍(ヒトの癌のおよそ半数で生じる)の方 が、p53が正常に機能している腫瘍に対してよりも、抗血管新生療法に対する応答性が低 いという、血管新生阻害剤を用いる癌療法への潜在的障壁を提起することになる知見の証 拠を提供した(2002年2月22日号の報告 p. 1526)。GiacciaとHammondは、コメントを寄せ 、Yuたちが研究に用いたHCT116細胞系が適切に選択されたかどうかについて疑問を呈し 、「抗血管新生療法についての(その研究の)有効性を考慮する前に、より多くのデータ が必要である」と主張している。Browderたちは、別のコメントで、その研究の結果は 、p53+/+およびp53-/-細胞双方の成長が、その研究において、抗血管新生療法では明確に 抑制されているにもかかわらず、「抗血管新生療法が結局うまくいかないということを意 味するものだと、広く間違って解釈されてきている」と述べている。Kerbelたちは、彼ら による返答で、HammondとGiacciaによって提起された特定の技術的な課題と、Yuたちによ る研究が抗血管新生療法に対して有する幅広い意味合いの双方について、論じている。こ れらコメントの全文は、以下で読むことができる。(KF,NF)
http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/297/5581/471a
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