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Dynamic Print Head Positioning技術

オフセットコート紙対応を可能にした、
“ドットゲイン*1の小さな高精細画像”を実現するドット位置高精度化技術

画像:オフセットコート紙対応を可能にした、”ドットゲイン の小さな高精細画像”を実現するドット位置高精度化技術

高速連続用紙インクジェット・プリンティング・システムRICOH Pro VC60000は、今までのIJ(インクジェット)連帳機では印刷できなかった、水性インクの吸収性に乏しいオフセットコート紙に対しても、高速、高画質の印刷を実現しました。RICOH Pro VC60000は、アンダーコーティング、印刷、プロテクターコーティング、乾燥の4つに機能分離したユニットで構成されています。

アンダーコートユニット: インクのムラやざらつきを防ぐため、アンダーコート液を塗布
印刷ユニット: 速乾性顔料インクを用紙に吐出し画像を形成
プロテクターユニット: 印刷面を保護するため、プロテクターコート液を塗布
乾燥ユニット: ヒーターによってインク等のサプライを乾燥定着させる

ここでは、印刷ユニットにおける、Dynamic Print Head Positioning技術をご紹介します。

*1 ドットゲインが大きいと、実際のデータ(印刷版)に比べて印刷結果(印刷物)の画像を構成するドットが太ります。

背景

連続用紙は、使用環境によって蛇行を起こすことがあります。用紙が蛇行してしまうと、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各プリントヘッドの用紙に対する相対位置がずれてしまい、それぞれのプリントヘッドから吐出されるインクが重なる位置にズレが生じます(版ズレ)。
従来から、用紙の蛇行やズレは、印刷ユニットにおいて用紙が入ってくる箇所に用紙制御装置を設けて、用紙の位置を調整して補正を行っていましたが、用紙制御装置では補正しきれない場合がありました。結果として、印刷画像の品質の低下につながってしまうことがありました。

解決したこと

用紙制御装置では補正しきれない用紙の蛇行やズレも、リコー独自のDynamic Print Head Positioning技術で補正可能にしました。Dynamic Print Head Positioning技術は、プリントヘッド自動位置調整ユニットにより、わずかな用紙の動きを検知して、プリントヘッドの位置を動かして印字位置の精度を高める技術です。版ズレの防止や、表裏見当*2の品質向上に役立ちます。

*2 両面印刷の場合は、表と裏での印刷位置が合うように見当合わせを行う。

技術の特徴

プリントヘッド自動位置調整ユニットにおいて、KCMY全てのプリントヘッドに用紙のエッジをセンシングするためのセンサーを設け、CMYの各プリントヘッドにはヘッド位置を微動制御するためのアクチュエータを設けました。
各センサーにより、黒(K)の位置を基準として、CMY印字時の用紙の位置ズレをセンシングします。そして、検出した位置ズレから用紙蛇行量を導出します。アクチュエータは、長い周期での用紙蛇行に合わせてヘッド位置を微動させて制御します。

画像:プリントヘッドの自動位置調整
図:プリントヘッドの自動位置調整

アクチュエータは、5μm以下の精度でヘッド位置を微動制御することが可能です。数10~100μm程度の蛇行量の一般オフセット用紙において、オフセット印刷並み以上の色合わせ位置精度(35μm以内)を実現しました。

画像:色合わせ位置精度の改善
図:色合わせ位置精度の改善

本技術は、リコーが電子写真で培ってきた精密駆動技術を活かし、高速インクジェット・プリンティング・システムのために開発しました。

本技術の分類:分野別「インクジェット」「制御」|製品別「インクジェット」