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円筒プロジェクションマッピング

1枚の大きな映像を、複数台のプロジェクターを使って円筒に投影する技術です。キャリブレーション作業が容易になり、ずれや歪みのない映像を手軽に投影することができます。

 

※本技術は、研究開発段階であり、現時点での商品化・販売予定はありません。

プロジェクションマッピングとキャリブレーション

リコーでは、ビジネス向けにプロジェクターを販売するだけでなく、芸術や広告の分野においても、プロジェクターを活用したサイネージソリューション(例:図1)などを提供しています。

画像:図1 マルチプロジェクション
図1 マルチプロジェクション

そのサイネージソリューションのひとつが、「プロジェクションマッピング」です。複数台のプロジェクターを用いて、さまざまな形状の立体物や空間に映像を投影することができます。

プロジェクションマッピングでは、用いるプロジェクターの事前調整(キャリブレーション)が必要です。単に複数台のプロジェクターを並べて投影しただけでは、映像が互いにずれてしまい、形も歪んでしまうからです。

従来、プロジェクションマッピングのためのキャリブレーションは、イベント業者による施工や半自動の製品により行っていました。しかし、手作業による位置合わせや専用コンテンツ制作などの技術・ノウハウが必要、半自動の製品では180度以上の広角な投影はできない、などといった課題がありました。これらの課題が改善されれば、高度な専門知識を持たないサービスマンでも設置・保守が可能となるなど、より活用の幅が広がることが期待されます。

円筒へのプロジェクションマッピング

プロジェクションマッピングの一例である「円筒プロジェクションマッピング」は、複数台の超短焦点プロジェクターにより、1枚の大きな映像を円筒に貼り付けるように投影するシステムです。

さまざまな形状の立体物に映像を投影しようとすると個々の形状にあった専用コンテンツを制作する必要がありますが、円筒に投影する場合、一般的な長方形の映像コンテンツをそのまま貼り付けることができます。円筒では、円筒の外側面に投影することで360度円筒型デジタルサイネージ、内側面に投影することで広視野角没入感ディスプレイといった用途が考えられます。

画像:図2 円筒プロジェクションマッピングの用途
図2 円筒プロジェクションマッピングの用途
(左:360度円筒型デジタルサイネージ、右:広視野角没入感ディスプレイ)

リコーは、円筒プロジェクションマッピングにおいて、分割3次元計測データ統合技術と歪み補正の技術を組み合わせることにより、キャリブレーションを半自動で行い作業を容易にする技術を開発しました。本技術により、設置準備を簡単化しつつ、映像にずれや歪みがない、180度以上の円筒投影を可能にします。

3次元計測とマルチプロジェクション

実際に、長方形の映像コンテンツを円筒の内側面に投影する場合におけるキャリブレーション、プロジェクションの流れを説明します。

1) 図3のように、各プロジェクターから投影される画像が、ある程度重なるように、複数台のプロジェクターを配置します。

画像:図3 キャリブレーション用のパターン投影
図3 キャリブレーション用のパターン投影

2) 円筒の形状を把握するため、円筒を市販のカメラ付3次元センサーで3次元計測します。なお、プロジェクターの投影光がどのように円筒にあたっているかも把握する必要があるため、3次元計測時は、円筒に図3のようなパターンを投影しておきます。
以上で、人手が伴う作業は終了です。以降の処理は、PCを用いて自動で行うことが可能です。

3) 3次元計測では、一度に180度以上を計測することは難しいため、3次元センサーを移動させて複数の位置で計測を行います。その後、分割3次元計測データ統合技術*で、計測データを統合します。

*分割3次元計測データ統合技術:複数位置での計測データ間の座標系統合は、統合したい計測データ間で対応点を見つけることができれば求めることができます。しかし、円筒には対応付けに利用できる特徴がないため、隣り合う撮影位置(計測位置)から撮影する際に重複して撮影される領域にパターンを投影し、これを対応点群として座標変換を算出しています。

4) 次に、得られた3次元計測データが具体的にどのような円筒であるかを把握するため、3次元計測データに円筒モデルをフィッティングして円筒を推定し、プロジェクターとの位置や円筒のサイズを取得します。その後、円筒内側側面の仮想的な展開図を生成します。

5) 円筒側面展開図には、3次元計測時にプロジェクターで投影したパターン(図3)が映っているので、このパターンを手がかりに歪みの無い映像に補正する処理を行うことができます。この補正処理は、図1のような平面に対するマルチプロジェクションと同様の処理です。具体的には、プロジェクターの投影光が重なった部分の明るさ調整や、画像にずれや歪みがなくなるように歪み補正処理を行います。

画像:図4 キャリブレーションと投影の処理
図4 キャリブレーションと投影の処理

図3、5は、リコーの超短焦点プロジェクターを6台使って、直径2mの円筒に投影した場合の映像です。6台で、円筒の内側側面に約290度投影することができます。

図3のように、キャリブレーションを行う前の映像は大きく歪んでいますが、上記1)から5)の処理により、図5では歪みやずれのない映像が投影できています。

画像:図5 投影結果
図5 投影結果

上記の3次元計測およびマルチプロジェクション技術により、設置準備の時間を大幅に削減して、リコーの超短焦点プロジェクターを使った180度以上の円筒スクリーンへの投影が可能となりました。

円筒プロジェクションマッピングでは、通常のパノラマ映像のほか、全天球カメラ(RICOH THETA)の映像やコンピュータグラフィックス(CG)の映像を再生することも可能です。

このように、リコーは、独自の技術を駆使して、プロジェクターを活用したサイネージソリューションにおいても、お客様への提供価値を高めていきます。