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脱炭素社会の実現に向けた取り組み

自社の事業活動における脱炭素化

スコープ1,2排出量削減の取り組み

【再生可能エネルギーの積極的な利活用】

VPPA契約にて追加性を重視した再生可能エネルギー導入を強化

  • 2022年、株式会社上里建設と初のVPPA((Virtual Power Purchase Agreement仮想電力購入契約)を締結。
    VPPAは需要家の敷地外に建設する専用発電所で発電された再エネ電力の環境価値のみを仮想的に需要家が調達する手段で、日本国内では 2022年に始まった新しい再エネ導入の形態。
    2023年8月より稼働開始。再エネ電力量約2.24GWh/年、CO2削減効果約992トン/年

画像:リコーが契約する上里建設の発電所(福岡県飯塚市)
リコーが契約する上里建設の発電所(福岡県飯塚市)

生産拠点のオンサイトPPA*モデル導入推進

  • 2021 年度、Ricoh(Thailand)Ltd.、 Ricoh Manufacturing (Thailand) Ltd.、リコーエレメックス、リコーインダストリーに導入
  • 既に導入した拠点と合わせた計 6 拠点の合計発電量は 5.88GWh/ 年 (CO 2 削減効果約 3,235トン/ 年 ) で、グループ全体の使用電力量の約1.3%に相当
  • Ricoh Manufacturing (Thailand) Ltd のコストダウン効果は、12 年間で約 1 億 8 千万円
  • 2021 年 10 月稼働開始のリコーエレメックスは、リコーグループ国内初のオンサイトPPA

* Power Purchase Agreement の略称

オンサイトPPA モデルは、電力需要家の敷地や屋根などのスペースに発電事業者が発電設備を設置、電力需要家は設備を持たず再エネ電力を購入する契約形態

画像:国内外4拠点でオンサイトPPA*モデルを新たに導入

A3複合機(MFP)組立ラインの再エネ100%化

  • 2019年以降、A3 複合機の組み立て生産に使用する全ての電力(37GWh 相当)を100%再エネ化
  • 中国、タイの工場は再エネ証書I-REC、日本の拠点は非化石証書及び再エネ電力メニューにて実現

画像:A3複合機(MFP)組立ラインの再エネ100%化

再エネ電力総合評価制度の導入

  • 価格のみならず、新規の再エネ開発を促進する追加性のある電源であることや、環境負荷がより低いこと、地域社会が出資する発電所であることなどを総合的に評価
  • 日本で再エネ電力を調達することが決定した拠点では、この制度を用いて電力の調達先を選定
  • この制度を活用して本社事業所 ( 東京都大田区 ) で使用する電力を 2021 年度から100%再エネ化 (CO 2削減効果約2,000トン/ 年、再エネ電力量4.3GWh/ 年)

評価項目

価格 低価格だと高得点
追加性 稼働年数が若いと高得点
再エネ種類 環境負荷が低いものだと高得点
近接性 発電所と購入事業所が近いと高得点
電源構成 電気自体も再エネだと高得点
小売電気業者の評価 直近のCDP気候変動スコアがA-以上で得点
発電事業者の評価 直近のCDP気候変動スコアがA-以上で得点
地元出資比率 比率が高いと高得点
その他の地元貢献 地元への寄付、雇用創出などを定性評価

事業所における再生可能エネルギーの利用拡大

  • リコーヨーロッパでは、再生可能エネルギーが利用できるオフィスの利用促進、オフィス使用電力の90%以上で再生可能エネルギーを利用
  • リコーラテンアメリカでは、本社および13の販売会社ですべての使用電力を再生可能エネルギー由来に切り替え済

【徹底的な省エネ・燃料転換の推進】

工場における廃熱ヒートポンプ導入

  • 2022年2月、沼津事業所南プラントに廃熱回収ヒートポンプを導入
  • 第 8 工場屋上のチラー冷凍機のクーリングタワーから大気に放出している廃熱を利用することで、脱溶剤工程で使用している65℃温水を生成する。蒸気の使用量を約60%低減する( 見込み値) ことで、コスト、および、CO 2 削減( 最大540トン/ 年) を両立。ROI は約5 年
  • 再エネ電力切替によるスコープ 2 削減を進める一方で、蒸気使用など削減困難なスコープ1の課題にも着手
  • 本取り組みが評価され、2023省エネ大賞を受賞お知らせ

画像:工場における廃熱ヒートポンプ導入

サステナブルな不動産調達を進めるためのグローバルな標準を策定

2023年、「リコーグループ グローバル不動産規定」として、“再生可能エネルギーの利用”、“環境性能の高い建物” など 環境への配慮を考慮した不動産調達に推奨すべき項目を定めました。
今後 ISO20400のフレームワークをガイドラインとして、現状の可視化から検討を進め、環境へ配慮した不動産調達を進めていきます。

ZEB 事業所社屋の拡大と顧客提案への活用

  • 2023年4月現在、計12拠点が「ZEB Ready」以上の認証取得
  • リコージャパンは今後の新社屋 *1を「ZEB Ready」以上とし、各社屋は顧客向けショーケースとしての機能を持ち、見学者の皆様に脱炭素の実践状況を紹介

* 1:自社所有/ 一棟借りのみ

ZEBの定義とリコー・リコージャパンにおける導入事例(業務開始年月)

ZEB:省エネ(50%以上)+創エネで100%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物
  • 和歌山事業所(2020年4月)
  • 帯広事業所(2021年12月)
  • 宮崎事業所(2022年1月)
Nearly ZEB:省エネ(50%以上)+創エネで75%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物
  • 岐阜事業所(2019年3月)
  • 熊本事業所(2020年3月)
  • 上田事業所*(2021年10月)
  • つくば事業所(2022年3月)
  • 東濃事業所(2023年2月)
ZEB Ready:省エネで基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物
  • 明石事業所(2020年5月)
  • 掛川事業所(2020年8月)
  • 大館事業所(2021年4月)
  • リコー環境事業開発センター

*2023年6月にNearly ZEBとして認証を受けました

ZEB認証取得事業所
画像:ZEB 事業所社屋の拡大と顧客提案への活用
宮崎事業所
Nearly ZEB認証取得事業所
画像:ZEB 事業所社屋の拡大と顧客提案への活用
つくば事業所

環境認証ビル利用の拡大

  • リコーラテンアメリカでは、新オフィスおよび倉庫において、LEED認証もしくはそれに相当する環境へ配慮された建物の推奨利用を強化
  • この活動の一環として、既にリコーコロンビア, コスタリカではLEED認証取得オフィスを利用

画像:リコーコロンビアのオフィス
リコーコロンビアのオフィス

スコープ3排出量削減の取り組み

ライフサイクルアセスメント(LCA)活用推進活動の強化

リコーグループでは、1990年代より画像製品を中心にLCAの活用を始め、2002年のタイプⅢ環境ラベルプログラム「エコリーフ」の開始時から製品の定量的な情報開示にも取り組んできました。
現在、主要な画像製品については、エコリーフの算定・開示基準に則り、CFP情報開示を行っています。
また、製品やデジタルサービスの提供により社会で削減された環境負荷を「削減貢献量」としてLCA手法を用いて毎年算定しています。
現在ビジネスユニットごとにLCA活用推進担当者を設け、定量情報の開示・訴求を強化しています。

製品のライフサイクル環境負荷評価技術

海上輸送における削減施策

  • エコ船舶(バイオ燃料)の採用

    2022年度からマースク社のエコデリバリーサービスの契約を開始。
    2022年5月~2023年4月実績として40フィートコンテナ556個分の船舶輸送において、バイオ燃料を利用。
    燃料の採掘・精製・輸送まで77トン、船舶での燃料燃焼による分で1,270トンを削減し、合計1,347トンのCO2を削減。

  • コンテナ積載率の改善

    海上運賃抑制施策の一つとして2022年度にコンテナ積載効率改善活動を推進。
    梱包設計変更、パーツ・サプライと製品の混載などの施策により、主に欧米向けの海上輸送で積載率70%未達のコンテナをなくすことにより、100本以上のコンテナを削減し、約2,000トンのCO2を削減、また約2億円のコストダウンを達成。

省エネ・創エネ関連ビジネスの提供

自社の脱炭素化のみならず社会の脱炭素化への貢献に向けて省エネ・創エネ関連ビジネスの提供を進めています。

脱炭素貢献製品の開発

お客様に環境配慮商品を提供するため、国内外の環境ラベルを積極的に取得しています。
環境ラベル
また、省エネ・省資源・汚染予防・快適性・使いやすさを独自の厳しい基準で製品評価する「リコーサステナブルプロダクツプログラム」を運用し環境に貢献するものづくりを進めています。
リコーサステナブルプロダクツプログラム

省エネモード「QSU(Quick Start-Up)」

複合機の省エネでは、一日の約9 割*1 ともいわれる製品が稼動していない待機時の消費電力をいかに減らせるかが重要です。そこで、製品が待機状態のまま一定時間が過ぎると自動的に消費電力を抑えた状態に移行する「省エネモード」が生まれました。QSU(Quick Start-Up) とは、省エネモード(スリープ状態) から素早く複合機を使用可能にする技術ですが、この立ち上げに要する時間を決めるのは、一度冷めた定着ローラーを必要な温度まで温めるスピードです。現在ではスリープモードからの復帰時間も大幅に短縮し、標準消費電力量(TEC 値)*2業界トップレベルの省エネを達成しています。

* 1: 月間 5 万枚を出力するオフィスで40 枚 / 分の複合機が20 日稼動した場合を想定

* 2: 国際エネルギースタープログラムで定められた測定法による数値

プリント環境での環境負荷削減をトータルでサポート

リコーヨーロッパ(RE)では、お客様のプリント環境にかかる環境負荷と総所有コストを可視化し、リコーのサービス導入後の効果をモニタリングしながら継続的な改善のお手伝いをする、サステナビィリティ・オプティマイゼイション・プログラム(SOP)を展開しています。SOPのプロセスは、まずお客様のプリント環境を詳しく分析し、コストと環境負荷を可視化します。次に最適な機器配置をご提案するとともに、環境負荷削減目標設定のお手伝いをします。
SOP導入の一環として、お客様一人ひとりの環境意識を高める活動への協力や、省エネモードや両面印刷などの機能を最大限活用いただくためのトレーニングの実施を通じて、お客様の意識・行動の改革のお手伝いをします。さらに目標値と実績の差異をモニタリングしながら、継続的な改善のための運用・管理を行います。さらに、「カーボン・バランスド・プリンティング」を提供し、お客様がSOPにより環境負荷削減を図ったうえで、それでも削減しきれずに残ったCO2を相殺します。

(欧州)サステナビィリティ・オプティマイゼイション・プログラム

スマートエネルギー関連事業

脱炭素の潮流が加速する中、日本では、エネルギーを「減らす」「選ぶ」「つくる」「融通する」の観点で、お客様に脱炭素ソリューションを提供しています。IT/ ネットワーク機器の分野で培った監視サービスを活用し、お客様の太陽光発電設備のO&M( オペレーション& メンテナンス) やEV 充電設備の保守・照明空調制御システムなど省エネ・創エネ関連事業を進めています。

(日本)スマートエネルギー