コピーの不思議Q&A|Ricoh Japan


コピーの不思議Q&A


「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。


コピー機の構造に関する質問コピー機の構造に関する質問

石川友紀くんからの質問:

「 コピー機の開発には幾らかかりますか?何日くらいかかりますか?」

カラーコピー機の開発に着手して、商品として発売するまでにどのくらいのお金(開発費用)がかかるのか?また、何日ぐらいかかるのか、興味がありますよね。

ですが、この質問に回答するためには、いくつかの前提を決めておかなければなりません。 といいますのは、開発すべき課題の規模によって、かかるお金(経費)が大幅に変わってきますし、開発に携わる人数によっても、開発日数が大きく変わってしまうからです。

自動車の開発を例にして、どのような課題があるのか一緒に考えて見ましょう。

(1)今までにない新しい方式のエンジンを搭載したクルマの開発

これには、従来のガソリンエンジンではない、水素燃料電池を使った自動車の開発などが当てはまりますね。 この燃料電池を使う自動車の開発は、現在、実際に各社で盛んな取り組みが行われています。 今までにない新しい方式のエンジンですから、開発にはお金も時間もたくさん必要になります。

水素エンジンを搭載する等、新しいもの開発

(2)根本的な構造を大きく作り変えるクルマの開発

今までの形やサイズ、エンジンの馬力、あるいはコストなどが、お客様の要求に合わなくなって構造を全体的に作り変える場合がこれにあたり、よく「フルモデルチェンジ!」とか、「ニューモデル!」などと宣伝されます。 このような開発にも、相当のお金や時間が必要になります。

構造全体を変える、フルモデルチェンジ

(3)構造は同じだけど、一部の機能を大きく改良したクルマの開発

従来のエンジンから燃料効率を改善した、低燃費ガソリンエンジンを塔載した車の開発などがこれにあてはまりますね。 機能を向上させるためには、改良と実験を繰り返し行わなければなりませんから、これもお金や時間がかかります。

機能を向上させるための一分の改善

(4)さらに一部を少しだけ改良したクルマの開発

たとえば一部の操作性が悪いなど、お客様から届いたクレームに対応して改善を行ったり、製造コストを下げるために、部分的に設計をやり直すといった場合が当てはまります。 これは比較的お金も時間がかかりませんが、どこを改良するかによっては、部品の試作とテストを何度も繰り返さなくてはなりませんから、お金も時間も必要になります。

クレームなどに対応した一部の改良

なーんだ、結局なにをどう開発してもお金と時間がかかるんだ!と思うかもしれませんが、どのような課題を克服するための開発か?によって、費用と時間は大きく異なります。 ですから、どうしても一概には言えないのですが、一般的には(1)>(2)>(3)>(4)の順に、より多大なお金と時間がかかるように思います。

皆さんが分解したカラーコピー機の場合は、上の(2)に近い課題をもって開発してきました。 それで、おおよそ70億円、開発に2年ほどかかっています。

カラーコピー機の構造を全体的に変えるとすると、開発に2年と70億円がかかります