コピーの不思議Q&A|Ricoh Japan


コピーの不思議Q&A


「不思議だなぁ...」と思うことが、科学する心の第一歩です。みんなが毎日便利に使っている機械の内側には、そんな不思議の秘密がぎっしり詰まっています。「キッズのためのQ&A」では、タカハシ博士とコーラ隊長が、皆さんから寄せられたコピー機、プリンター、ファックスについての質問にお答えします。なぜだろう?不思議だなぁ!と思ったら、ここをクリックしてメールで質問を送ってください。


コピー機の構造に関する質問コピー機の構造に関する質問

前川リラさんからの質問:

「カラーコピー機の作り方を教えてください」

皆さんが実験で使ったカラーコピー機は、2,000点以上の部品から出来ています。
これらの部品には全て、部品番号(略して部番と言います)と、部品の名前(部品名称と言います)が付けられています。例えば下の表のようになっています。

カラーコピー機の部品一覧



工場でカラーコピー機を作るには、これらの部品をすべて組み付けていかなければなりませんが、そのためには以下のようなことができていなければなりません。

1台のカラーコピー機には2,000点近くの部品が必要です。コピー機を何台も作るには、まず2,000点の部品×作る台数分の部品が揃っていなければなりません。

またカラーコピー機は組み立てていく順序が細かく決められていますが、その順番に必要な工具や機械を揃えておかなければなりません。

そしてこのカラーコピー機を、例えば数十人で組み立てることにした場合、どこからどこまでを誰が組み付けるか、一人一人が受け持つ範囲を決め、その範囲をしっかりと決められた時間内に組み立てて、次の人に受け渡しをしなければなりません。この「流れ作業」を実現するためにしっかりと訓練を行い、多くの時間が必要な部分の組み立て工程には人を増やし、あるいは組み立て方を改善し、一人一人が決められた時間内に自分の分担を終え、一斉に次の人に渡していけるような段取りも必要です。

また、組み立てている最中に部品がなくならないよう、部品の在庫に気を配り、なくなりそうな部品を持ってきて組み付け担当の人に渡す係りも必要です。

工程の最後には全ての部品が正しく組み立てられたかを調べる検査器具や方法が決められていますが、この手順に沿って最終の確認をする人が必要ですし、コピー機としてちゃんとコピーがとれるかどうかをチェックする方法や、チェックする人も決めておかなければなりません。

ベルトコンベアー式の製造方法



カラーコピー機の組み立て工場では、このように一人一人の受け持つ範囲を決め、一定の時間ごとに一斉に次の人に受け渡していくような作り方をしています。例えば一人一人の分担する時間を2分として、最初の部品を組み付けてから最後の部品が組み付けられるまで、2,000の工程を経て2日かけてカラーコピー機を完成させます。次から次へと組みつけが進行していきますから、出口のところでは2分ごとにカラーコピー機が1台完成していくことになります。

この作り方は、「ベルトコンベアー方式」といって、コピー機だけでなく自動車など多くの製品の作り方に使われています。

またベルトコンベアー方式と違って、一人の担当者がコピー機1台を最初から最後まで組み付け、完成させる作り方もあります。一人の人に全ての部品や必要な工具を渡し、その人が全ての部品を組み付けていくやり方で、こちらは「セル生産方式」と呼ばれています。この作り方も、コピー機だけでなく他の製品作りにも活用されています。