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森林保全プロジェクト

地球上には、森林、湖沼、珊瑚礁、海洋など、さまざまな生き物の生息地があり、それぞれに特有の生態系が保たれています。生態系が崩壊すれば、人類の生命維持に必要な自然環境も崩壊します。
リコーは、生態系の中でも、特に生物多様性が豊かな「森林」に注目して、1999年度から環境NGOや地域とのパートナーシップのもとに「森林保全プロジェクト」を展開しています。
これらの活動は単なる植林とは異なり、土地固有の生物種の生息域や住民生活を守ることを主眼とするもので、持続的な森林管理の枠組みの構築を目的に行われています。

プロジェクトの目標達成のステップ

プロジェクトの目標達成のステップ

これまで実施したプロジェクト

プロジェクト名称

パートナー

国名

実施期間(年)

活動成果

1

さとやまの復元

ボーシュ

バングラデシュ

1999~2007

  • 植樹:30,000本
  • 植林や育苗の仕事が広がり地元住民の生活向上
  • 地域の子供の教育の場として里山の活用

2

世界遺産地域の森林保全と復元

スリランカ野鳥鳥学グループ

スリランカ

2000~2007

  • スリランカオナガなど絶滅の危機にある生物の保全
  • 地元の住民や行政との連携

3

熱帯雨林回復*

コンサベーション・インターナショナル

フィリピン

2000~2010

  • フィリピンワシに代表される生物の保全
  • コーヒーや柑橘類の収穫による収益が生計手段となる

4

日野市・さとやま保全

日本野鳥の会

日本

2000~2003

  • 多摩丘陵にある里山の自然環境の保全が完了
  • 日野市の環境教育の現場として活用

5

熱帯林・オランウータン生息域回復*

WWF

マレーシア

2000~2010

  • オランウータンの保全
  • 野生動物保護の必要性に対する地元民意識向上

6

温帯林・パンダ生息域回復*

WWF

中国

2001~2007

  • パンダなど保護区内での野生動物管理を充実
  • 森林伐採に頼らないバイオ燃料の試験導入に貢献

7

熱帯雨林回復*

コンサベーション・インターナショナル

ガーナ

2002~2013

  • アグロフォレストリーの導入により住民の収入源向上(カカオを農地開墾ではなく森林栽培にすることによって、森林生態系の保全と収穫量増加の両立を達成)

8

大西洋岸低地熱帯林ボアノバにおける森林復元

バードライフ・インターナショナル

ブラジル

2007~2015

  • 植林:8,600本
  • ボアノバ国立公園およびボアノバ野生生物保護区に指定
  • 国立公園の整備やビジターセンター立上げ
  • 地域社会の自立した環境保全に取り組む体制整備

9

北限のトラ生息域タイガの森保全

地球・人間環境フォーラム

ロシア

2004~2018

  • アムールトラなど地域固有の希少な生き物の保全
  • 国立公園の指定(2015年)、およ世界遺産登録(2018年)達成
  • 地域住民が国立公園事務所に就業
  • 継続的な保全体制の整備

10

三江併流世界遺産の生物多様性保全

アジア緑色文化国際交流促進会

中国

2007~2018

  • 植林:8,000本
  • 行政と連携して密林を抑制する活動の実施
  • 自然と共生しながら安定して収入が得られる農業体制構築
  • 小学校生徒への環境教育にる環境意識の醸成

11

沖縄やんばる森林保全

やんばる森のトラスト

日本

2001~2019

  • 天然記念物ヤンバルクイナなど固有種の回復
  • 地域の子供たちへの自然観察活動支援(環境大臣賞、局長賞受賞)
  • 地域住民や訪問者に森の大切にする意識醸成
  • 2016年9月やんばる国立公園指定、2021年7月世界遺産登録
  • リコージャパン沖縄支社が大宜味村と連携協定、映像施設を受注

12

アファンの森保全

C.W.ニコル・アファンの森財団

日本

2001~2020

  • 地域の保護種の再生活動(リコー社員参加)
  • ニコル氏による講演会実施
  • リコージャパン長野支社との社会貢献活動連携

13

マレーシア・マングローブ再生

バードライフ・インターナショナル

マレーシア

2011~2020

  • 植林:5,300本
  • マングローブモニタリング(CO2吸収量25トン)
  • 環境教育や植林活動を通じて持続的な保全体制を構築
  • ラムサール条約湿地登録、フライウェイサイト登録に向けた体制整備

14

メキシコ オアハカ州・チアパス州マングローブの再生

バードライフ・インターナショナル

メキシコ

2015~2021

  • 植林:89,700本
  • 地域コミュニティへのマングローブ再生教育(全30回、700名)
  • 植林地モニタリング(CO2吸収量185トン)
  • 生活向上支援としての蜂蜜生産技術の伝授や販売力向上

Tap to see the table

長野黒姫アファンの森保全

~人が適切に関わることで、森の再生能力を高める。生物も人も共に生きる森づくり~

●場所:日本(長野県)
●開始時期:2001年11月~2020年6月
●内容:荒廃した土地をトラストし、ヤマネなど多様な生物が生息できる天然の森を回復する
アファンの森は、長野県黒姫にある約3万坪の森です 。一度荒廃した森の生態系は容易には回復せず、自然の再生力だけでは数百年の歳月を要するため、人が適切に関わって再生の手助けをすることが重要です。
プロジェクトでは「自然の遷移に合わせた長期的に安定した天然林の回復と保全」を目標として、優先的に成長を促す樹木の選定や、天然更新しやすい環境の整備を行ってきました。
活動の結果、森の生き物たちの種類が確実に増えていることが確認されています。100年後の森の姿をイメージして、「計画に合わせた活動の実施」、「効果を検証するための調査」を繰り返し行い、人が関わることで森の再生力を高めるより良い方法を選びながら活動しています。

プロジェクトのシンボル種:ヤマネ

プロジェクトのシンボル種:ヤマネ

初期のアファンの森

初期のアファンの森

活動により再生された森

活動により再生された森

アファンの森を訪れたリコー近藤社長(当時)(左)とアファンの森財団理事長C.W.ニコル氏(右)

アファンの森を訪れたリコー近藤社長(当時)(左)と、
アファンの森財団理事長C.W.ニコル氏(右)

●パートナー
財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団

アファンのロゴ

2002年設立。長野県黒姫にあるアファンの森にて、人と多様な生き物達が共生できる森づくりをテーマに、森林の生態学的調査や研究・保全活動を実施。C.W.ニコル氏(作家・ナチュラリスト)が理事長。

詳しくはこちら

沖縄やんばる森林保全

~かけがえのなさに気づけば、森は未来に残される。固有の生物たちを育む森を受け継ぐために~

●場所:日本(沖縄県)
●開始時期:2001年11月~2019年6月
●内容:ヤンバルクイナなど絶滅の危機にある生物のすみかであるやんばるの森を残す
沖縄島北部に広がるやんばる(山原)の森は、天然記念物のヤンバルクイナやリュウキュウヤマガメなど多くの固有種が生息する貴重な森林です。
ダム建設や林道開設により、森林は分断され、生態系に悪影響が起きています。
本プロジェクトは、地域住民や訪問者に森の大切さを伝えて森を守る人々の輪を広げ、自然観察会やトラスト地の確保を行い、やんばるの森の自然を守っていくものです。
目標の一つであった国立公園化が2016年9月に実現し、現在は自然観察会やグリーンツーリズムの定着に向けた活動を実施しています。

プロジェクトのシンボル種:ヤンバルクイナ

プロジェクトのシンボル種:ヤンバルクイナ

やんばるの森の景観

やんばるの森の景観

トラスト地の看板

トラスト地の看板

子供たちを対象にした自然教室の様子

子供たちを対象にした自然教室の様子

プロジェクト紹介動画

●パートナー
やんばるの森トラスト
生物多様性に富む沖縄本島北部地域で、野生生物のためのトラスト地を確保し、生息環境の保全と自然保護の推進に寄与することを目的に活動。

北央セランゴ沿岸マングローブの森再生

~海と森、2つの生態系を併せ持つマングローブの森を再生し、動植物の生息域を守る~

●場所:マレーシア
●開始時期:2011年7月~2020年6月
●内容:生き物の生息地、CO2吸収源、高い保水力など重要な機能をもつマングローブの森を再生する
マングローブは、マレーシアの典型的な生態系の一つで、生物多様性豊かな場所です。一方で、不法侵入や違法伐採などにより、マングローブは年々減少しています。このプロジェクトでは、地域住民と一緒にマングローブの森とその生態系の重要性を共有し、環境教育や植林活動を通じてマングローブの森の再生と持続的な保全を目指します。

多様な生態系の宝庫である湿地帯

多様な生態系の宝庫である湿地帯

マングローブの苗木

マングローブの苗木

この地域に生息しているビロードカワウソ

この地域に生息している
ビロードカワウソ

植林の様子

植林の様子

プロジェクト紹介動画

●パートナー
バードライフ・インターナショナル東京

バードライフ・インターナショナル東京のロゴ

国際環境NGOバードライフ・インターナショナル(本部・英国ケンブリッジ)の日本法人。
アジア各国のパートナー団体と緊密に連携し、アジア地域における鳥類を保護するとともに、人々が健康で幸福に暮らすことができる自然環境の維持・向上に寄与することを目的としています。

メキシコ オアハカ州・チアパス州マングローブの再生

~マングローブ伐採によって渡り鳥、絶滅危惧種の安住の地が危機に。森林、湿地の再生と地域住民の生計確保を目指して~

●場所:メキシコ(オアハカ州・チアパス州)南太平洋沿岸
●開始時期:2015年7月~2021年6月
●内容:アメリカ大陸の渡り鳥ルートを守るためにも重要な、マングローブ林を復元・修復する
オアハカ州とチアパス州に広がるマール・ムエルト干潟、エンクルシハダ生物圏保護区は、多様な湿地の生態系を有し、ガンカモ類をはじめ水鳥が多く見られます。また、北米と南米をつなぐ細いくびれに位置する渡り鳥ルートの要所であり、多くの絶滅危惧種の重要な生息地となっています。この地域では、水路や堤防の建設、養殖、製塩などのさまざまな人間活動によるマングローブ林の伐採が進み、乾燥化と生態系のダメージが拡がっています。リコーは地域住民、NGO等と協力して、マングローブ林復元・修復のパイロットエリアを定め、2015年7月より支援を開始しました。このプロジェクトは生態系保全と並行して、雇用促進、漁業の生産性向上など、地域住民の生計向上に寄与することも目的としています。

オアハカ州、チアバス州の南太平洋沿岸地区

オアハカ州、チアバス州の南太平洋沿岸地区

植林の地域住民の方々への説明

植林の地域住民の方々への説明

マングローブ林内の整備

マングローブ林内の整備

マングローブを植える様子

マングローブを植える様子

プロジェクト紹介動画

●パートナー
バードライフ・インターナショナル東京

バードライフ・インターナショナル東京のロゴ

国際環境NGOバードライフ・インターナショナル(本部・英国ケンブリッジ)の日本法人。
アジア各国のパートナー団体と緊密に連携し、アジア地域における鳥類を保護するとともに、人々が健康で幸福に暮らすことができる自然環境の維持・向上に寄与することを目的としています。