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トップインタビュー

テクノロジーとサービスのイノベーションでお客様の期待を超える変革を実現し、未来を切り拓いていきます。

代表取締役
社長執行役員・CEO
山下 良則

Q2019年3月期はどのような1年でしたか?

近年は、デジタル技術の進展と、その技術革新のスピードが劇的に速まる中で、お客様の価値認識や需要動向などが大きく変化しています。さらに、世界規模で見ると、企業の社会課題解決への貢献に対する要請が高まり、SDGs(持続可能な開発目標)*1等のグローバルな目標の達成に貢献しない企業は、たとえ高収益でも市場の評価は得られず、持続的な成長が見込めなくなっています。また、個々人の生き方や価値観の多様化が進み、IoT(Internet of Things)などの進化も相まって、働き方においても個人化(パーソナライゼーション)が加速しています。つまり、従来の環境の下で作り上げられた体制や業務プロセスを、これからの事業環境に即したものへと再構築し、未来を見据え大きな変革に取り組むべきときが来ています。

2018年9月24日、私は米国で開催された「Climate Week NYC」のオープニングセレモニーに招待され、基調講演を行いました。これは、リコーグループが日本で初めてRE100*2に参加表明したことなどが評価されて実現したものです。私は、リコーグループのこれまでの活動を振り返りながら、「変革は行動することによってのみもたらされる」「地球環境を守るには、リーダーシップ、行動、そして協力が不可欠であり、私たちの不断の努力が必要である」というメッセージを伝えました。そして、未来に向けた積極的な挑戦を続けていかなければと思いを新たにしました。

経営環境に影響を与えるメガトレンド
経営環境に影響を与えるメガトレンド
  1. 持続可能な開発⽬標(SDGs)Sustainable Development Goals
    貧困や飢餓、健康や安全衛⽣、経済発展、環境課題など、17の⽬標と169のターゲットに全世界が取り組むことによって、「誰も取り残されない」社会を2030年までに実現することを⽬指す。2015年9⽉の国連サミットで採択。
  1. RE100
    事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアチブ
re100

Q2019年3月期の業績についてはいかがでしたか?

事業全体を振り返ると、2018年3月期からの第19次中期経営計画(以下、19次中計)を受け、2019年3月期はこれまで以上に「稼ぐ力」*3の向上と成長戦略の実行に力を入れ、将来の成長を確実なものにする施策に取り組んできました。その結果、連結売上高は、前期に比べ2.4%減少となる、2兆132億円となりましたが、営業利益は868億円、稼ぐ力は1,051億円となり、着実に成果が上がっていると実感しています。

各事業別に見ると、基盤事業では、構造改革効果の刈り取りを進めた結果、オフィスプリンティング分野の収益力は大幅に回復しましたが、海外を中心にハードウェアや関連消耗品等の売上高が減少しました。一方、成長事業については、オフィスサービス分野の順調な収益拡大が継続する中、オフィスサービス分野、産業印刷分野の事業拡大に向けたリソース獲得のため、戦略的投資を実施しました。

また、事業の選別を進め、子会社であるリコーロジスティクス(株)の株式を、物流を本業とするSBSホールディングス株式会社に譲渡し、新たにパートナーとして連携することでサプライチェーンマネジメント機能のさらなる強化を図りました。

さらに、業務プロセス改革の効果も着実に表れています。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を国内外で進めた結果、現在社内の60プロセスが自動化され、年間工数が大きく削減されました。2020年3月期も継続して、業務の見直し、自動化に取り組んでいく考えです。19次中計では、3年間(2018年3月期〜2020年3月期)合計での構造改革効果目標を1,000億円(2017年3月期実績比)と掲げました。聖域を設けずに固定費や経費の適正化に取り組んだ結果、2019年3月期までの累計の効果は885億円に達しています。

また、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化にも取り組んでいます。2019年3月期は、CEO評価について見直しました。CEO評価の主な項目は、1.財務の視点、2.株主・資本市場の視点、3.非財務の視点から評価しています。特に2については「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」の1つとしてTSR(株主総利回り)を採用しました。直近5年間は、厳しい事業環境が続いたことなどから業績面において資本市場の期待に十分に応えることができず、TSRはTOPIX(配当込み)を下回る推移でしたが、2017年4月以降は上昇に転じており、直近では市場全体を上回るパフォーマンスを示しています。また、中長期的な企業価値向上の目的を株主の皆様と共有できるインセンティブとして、新たに株価条件付株式報酬制度の導入を決定しました。

  1. 稼ぐ力
    構造改革費用、一過性収益などの特殊要因を除く営業利益
稼ぐ力の推移
稼ぐ力の推移
TSRおよび比較指標の直近5年間の推移
TSRおよび比較指標の直近5年間の推移

Q成長戦略「リコー挑戦」の進捗はいかがでしょうか?

リコーグループは、2023年3月期までをスコープとして、持続的な成長に向けた3つのステージを設定しています。2018年3月期からの「リコー再起動」では、将来の成⻑にむけて⾜腰を鍛え、実⾏⼒を磨くことに専念するとともに、リコーグループが特に重視する5つの重要課題(生産性向上、知の創造、生活の質の向上、脱炭素社会の実現、循環型社会の実現)を設定するなどの取り組みを行ってきました。そして、2019年3月期からの2年間は、「リコー挑戦」を掲げ、成⻑に大きく舵を切り、全社⼀丸となって⾼い⽬標に挑戦していくステージです。

「リコー挑戦」では、お客様への提供価値である「EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES 〜人々の“はたらく”をよりスマートに。〜」にこだわり、オフィスから現場、社会へと価値提供の領域を広げています。また、社会課題の解決に資する事業を追求するというリコーグループのDNAを踏まえ、SDGs達成とリコーグループの企業価値向上の同時実現を目指します。5つの重要課題解決につながる事業戦略の策定とともに、事業部門ごとにSDGsの達成に貢献するためのKPIを設定し、管理する仕組みをスタートしました。

また脱⾃前主義にのっとり、リコー単独では不可能だったお客様価値の迅速な作り込みに挑戦すべく、オープンイノベーションにより新規事業を創出していきます。また、リコーグループ自らが仕事のやり方を変え、社内での実践事例をお客様にお届けするために、グループ社員全員参加の「社内デジタル⾰命」を推進し、お客様への提供価値をより一層磨き上げていきます。
さらに、社会的に重要度が高まっている脱炭素社会の実現については、2050年バリューチェーン全体のGHG(温室効果ガス)排出ゼロを目指し活動するとともに、国際的な気候関連財務情報開示の枠組みであるTCFDへの賛同を表明。気候変動がもたらす経営リスク・機会を開示しました。

「リコー挑戦」で定めた3つの成長戦略は、2019年3月期から本格的なフェーズに進み、事業拡大に向けた取り組みを実施しました。

持続的な成長に向けたステージ
持続的な成長に向けたステージ
リコーグループが目指す姿
リコーグループが目指す姿

成⻑戦略 0|基盤事業“最強”化への挑戦

成長戦略0は、オフィスプリンティング事業の収益力強化に取り組んでいます。前期に引き続き、オペレーションの効率化を徹底的に進めるとともに、売価のマネジメントやソリューションを組み合わせた付加価値の創出等により1商談あたりの利益の増大を図っています。オペレーションの効率化では、品質の向上とコスト競争力を高いレベルで両立させるため、自前主義にこだわらず、開発機種の絞り込みや生産委託などを進めました。また原価低減にも取り組み、2019年3月期のオフィスプリンティング事業の売上は前期から減少したものの、収益性が向上し、営業利益が増加しました。
オフィスプリンティング事業の事業環境は、先進国地域では金額ベースで緩やかな減少が続くと見込まれているものの、カラー複合機(MFP)およびA4MFPの需要拡大は続く見通しです。そのような中で、開発から生産、販売、保守サービスにわたるバリューチェーン全体のオペレーションの効率化を加速することによって、収益基盤を確固たるものとしつつ、中国をはじめとする成長市場での事業拡大を目指します。加えて、MFPをさらに進化させて、クラウド化などお客様のIT環境の変化を先取りする製品やサービスの提供による新たな収益基盤の確立に挑戦しています。

成⻑戦略 1|プリンティング技術による産業革新への挑戦

商用印刷事業は、POD(プリント・オン・デマンド)の領域、オフセット印刷を中心とするアナログ印刷のデジタル化の領域で需要の拡大が予測され、今後も、市場稼働機の増加に伴って収益拡大が見込めることから、重要な成長事業と位置付けています。2018年から順次新機種を投入し販売が好調に推移してきています。2020年3月期は、デジタルならではのオンデマンド印刷の魅力を訴求しさらなる販売拡大を目指しています。
産業印刷事業は、現在の主流であるアナログ方式の大量印刷による環境負荷の高さが世界的な問題となっていることなどを踏まえ、リコーグループの強みである産業向けインクジェット技術によるデジタル印刷ソリューションの提供によって、安心・安全な衣食住環境への貢献を目指しています。
サーマル事業は、原材料表示などで利用される感熱ラベルやインターネットショッピング拡大に伴う宛先ラベルなどの全世界的な需要拡大により、今後も堅調な事業拡大を想定しています。2019年3月期は、原料高騰による影響があったものの、売上を伸長させ、営業利益を確保する一方で、米国や欧州での生産能力を増強し、今後の需要拡大に備えました。加えて、生産ライン上を流れる製品のラベルなどに直接書き込みができる高速レーザープリンティングシステムなどによる新たな事業創造にも挑戦しています。
今後は、こうした“表示する印刷”の領域に加え、インクジェット技術を応用したアディティブ・マニュファクチャリング(積層造形)、バイオプリンティング(細胞吐出)などの“機能する印刷”の領域にも取り組み、プリンティングの可能性を引き続き追求します。

成⻑戦略 2|オフィスと現場をつなぐ価値創出への挑戦

オフィスサービス事業は、中小企業のIT投資の需要を捉えつつ、オペレーションの効率化を進めてきました。さらに、事業の拡大に伴う能力を獲得するために、業務提携や資本提携を行いました。オフィスの領域で、従来の企業内ワークフローやコミュニケーションにおける変革にとどまらず、企業間のワークフロー、さらに現場に領域を拡げ、現場の仕事のデジタル化を図り、オフィスの業務と現場の業務とをワークフローでつなげることで、提供価値を拡げていきます。また、リコーグループ独自の共通プラットフォームであるRSI(RICOH Smart Integration)プラットフォームを強化し、ここからさまざまなワークフローソリューションを提供していきます。
産業プロダクツ事業では、自動車の安全運転支援システムで活用されるステレオカメラの販売が大きく拡大しています。また、Smart Vision事業が提供するサービス「THETA 360.biz」は、360°カメラのビジネス用途を拡げ、不動産物件案内をバーチャルに行うアプリケーションで高い評価を得ています。今後は、それぞれの事業が提供するサービスとRSIプラットフォームとの連携の強化を進め、利用者の拡大を図っていくことで、プラットフォームの魅力を向上させます。

強みを活かした3つの成長戦略
強みを活かした3つの成長戦略
売上高 事業構造の改革
売上高 事業構造の改革

新たな可能性への挑戦|リコーグループのコア・コンピタンスで社会課題を解決

中長期的なリコーグループの成長をさらに確実なものにするために、将来の事業の芽を育成することにも挑戦しています。リコーグループが培った画像処理技術やデータ処理技術をもとに神経系疾患の医療を支援する脳磁計、脊磁計や、インクジェット技術を応用して細胞を生きたまま正確に吐出することで生成されるDNA標準プレートなど、ヘルスケア分野にも事業を拡げています。また、アディティブマニュファクチャリング事業として、造形サービスでは簡易試作品の製作など設計支援サービスを提供しています。小ロット多品種の製造を低価格で実現することで、型や版を使った大量生産を前提とする製造業のプロセスを根本から革新する可能性を追求しています。

2020年3月期の業績見通し
2020年3月期の業績見通し
売上高 事業構造の改革(目標)
グループ財務目標

Qリコーグループの価値創造にむけた今後の展望をお聞かせください。

グローバル化、情報化の進展により、社会の抱える課題が⼤きく変化しており、一個人や一国家の力では解決が不可能な課題に企業が⽬をむけ、その解決に貢献していくことが求められています。私たちリコーグループは、価値提供の場をオフィスから、現場や社会へと拡げ、自らの強みを活かして課題解決に貢献できる領域において、新たな価値創造に挑戦していきます。

リコーグループが今後も挑戦をし続けていくためには、社員の一人ひとりが変革の当事者として、失敗を恐れずに行動を起こしていかなければなりません。これを実現するためには、社員が生き生きと働き、幸せを感じながら個人やチームとして最大の成果を出すことを目指す企業風土が不可欠です。リコーグループの働き方変革は、社員にとっての「働きがい改革」となるよう取り組んでいます。例えば、挑戦する社員を後押しする制度・仕組みや若手社員を中心とした社員活性化策、「生き生き働く」を支援する環境整備など一人ひとりがモチベーション高く働き、さまざまなことに挑戦できるよう各取り組みを進めています。

これからもイノベーションを促進し、新たな事業を継続的に生み出すことができる経営体質への変革を進めていきます。

リコーグループのこれからの「挑戦」と「飛躍」にご期待をいただければと思います。

リコーグループの提供価値とSDGs達成への貢献
リコーグループの提供価値とSDGs達成への貢献