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リコーの全員参加型デジタル革命 RPAやAIツールを全社で展開

出典:月刊先端教育 2021年10月号に掲載されました

目次

1970年代にオフィスオートメーション(OA)のコンセプトを世に提唱し、OAメーカーとしてグローバルに事業を展開してきたリコーは、デジタルサービスの会社への転換を目指す。全社をあげて取り組んでいる、社員の意識改革や業務プロセスの改善について聞いた。

全員参加の社内デジタル革命 業務プロセスを改善し続ける

浅⾹ 孝司の写真

浅⾹ 孝司 プロフェッショナルサービス部 ワークフロー⾰新センター 所⻑

デジタルサービスの会社への事業構造の転換を目指すリコーでは、2018年に全員参加型の「社内デジタル革命」を開始。この方針の下、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)などのデジタルツールを活用した業務プロセス改革を全社で展開している。プロフェッショナルサービス部ワークフロー革新センター所長の浅香孝司氏はこう語る。

「私たちは生産現場の3K(きつい・きたない・キケン)を自動化で変えると共に、『オフィスワークの3M』という言葉を作り、そのストレスをなくすことにも取り組んできました。3Mは『面倒・マンネリ・ミスできない』を意味し、社員目線でデジタルを使った改革を進めています」

社内デジタル革命を進めることで、リモートによる対話停滞や報告準備・進捗会議の削減など、イライラや無駄の少ない「新しい仕事の仕方」が可能になるという。

リコーの業務プロセス改革は、通常のPDCAサイクルよりもD(実行)が1つ多い、「PDDCAサイクル」で進められている。2つのDは、プロセスを見直すこととツールを活用することを意味する。最初の約2年は企業風土やマインドセットの変革に重点を置き、RPAの活用に取り組んできた。そして現在は「デジタルを使い倒す」方針で進めているという。

RPAについては独自のeラーニング教材を作成し、既に約4,000人が受講した。現在は約1,000のプロセスに適用され、年間約25 万時間の工数削減を達成している。

意識変革とデジタル人材強化活動 二層構造で推進

⽊原 ⺠の写真

⽊原 ⺠ デジタル戦略部 デジタル⼈材戦略室室⻑

デジタルサービスの会社への変革に向けた人材育成は、二層構造で進められている。第1に、社員の意識変革や、デジタルを使いこなす新しい仕事の仕方に向けた「imagine.change. 活動」。第2に、技術系人材をデジタルエキスパート、ビジネス系人材をビジネスインテグレーターとし、専門家として育成する「デジタル人材強化活動」だ。デジタル戦略部デジタル人材戦略室室長の木原民氏はこう語る。

「専門的なデジタルスキルを保有し、お客様に価値を提供する人材をデジタル人材と定義しています。二層構造の人材育成で、最終的にはお客様のカスタマーサクセスを目指します」

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永⽥ 亮介 imagine. change. 推進PT リーダー

リコーグループの日々の判断や、活動の基礎となる普遍的な理念(創業の精神、使命・目指す姿・価値観)は「リコーウェイ」と呼ばれている。imagine. change. 推進PTリーダーの永田亮介氏はこう説明する。

「デジタルサービスの会社への変革で必要となる自律型人材に求められることをリコーなりに定義したのが、『リコーウェイの実践』と『デジタルを活用した新しい働き方』です。これを全社で推進する活動を『imagine.change.活動』と呼んでいます。デジタルサービスの会社としてお客様に価値を提供するには、新しい働き方・仕事の仕方とともに、意識や企業文化/風土の醸成が必要でした」

この全員参加のimagine. change.活動で、最初の課題となったのは「なぜ私たちが変わらなければいけないのか」を社員に理解してもらうことだったという。また、そのためには自分たちの現在地を把握してもらうことも必要だった。

そこで、まずは社内ポータルを活用し、活動の背景や狙い、内容についてビデオメッセージで丁寧に発信した。また、現状の理解度や実践度を把握するため、国内の約3万人の社員を対象に診断や調査を実施した。

一方、デジタル人材強化活動では2020年、デジタル系の技術を中心とするスキルを持った社員がどこにどの程度いるのかを把握し、可視化する仕組みを立ち上げた。現在は、それらの人たちのスキルを向上させる取り組みを進めている。

「まずは自分がどういうパーソナリティーなのかを把握した上で、自律的な能力開発に取り組めるよう、DX 資質適性調査を実施しました。他にはデジタル技術教育を行っているほか、自律的な学習環境としてオンライン学習プラットフォームをグループ全体に導入中です」(木原氏)

社員が一緒に楽しく学べるような、機会の提供にも取り組んでいる。このうち、アイデアソンは社員が現場の課題に対し、頭の中にあるアイデアを持ち寄り、課題をクイックに改善していくものだ。既に2回実施しており、第2回では217人が参加して81件のテーマに取り組んだ。さらに、互いに活動を認め合う場として、事例共有会の「Open College」も実施している。このほか、ポータルサイトや困った時にすぐ相談できる「RPAクリエーターコミュニティ」なども整備している。

開かれた学ぶ場、活動を認め合う場として、事例共有会「Open College」を実施している。

“はたらく”に歓びを与え、カスタマーサクセスに昇華

リコーでは今後も全社員に対し、意識改革やデジタルナレッジに関する取り組みを積極的に展開していくという。その一方で、デジタルサービスの会社となるためには、専門性の高いデジタル人材を増やしていくことも必要だ。

そこで、まずは2022年度までの中期経営計画の期間中に「ITスキル標準(ITSS)でレベル3以上の人を50%増やす」という目標を立て、その達成を目指す。様々なデジタル人材をどのように増やしていくのかという具体的な戦略も立て、取り組む方針だ。

「私たちは社内のプロセスを自ら良くする自律型人材を育成し、さらにそのレベルを上げる活動をしています。また、お客様の困りごとに対してサポートできる人材になることも重要で、カスタマーサクセスにつながる活動を目指しています」(浅香氏)

リコーが取り組む本気の業務プロセス改革のポイントは働きがい33改革で、2036年ビジョンとして掲げる「“はたらく”に歓びを」を社員自身が理解し体現することで、顧客への価値提供につなげることだ。さらに、それをカスタマーサクセスにつなげ、デジタルサービスの会社への転換を進めていく。

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