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投写画像の歪み補正技術

超短焦点プロジェクターは、通常のスクリーンに画像を投写すると、スクリーンのわずかなたわみの影響で画像が歪んで見えてしまうという弱点を持っています。リコーでは画像をスマートフォンなどの手持ちカメラで撮影するだけで、歪みを補正する技術を開発しました。

超短焦点プロジェクターの投写画像はなぜ歪みやすい?

超短焦点プロジェクターを使用する場合、通常の吊り下げ型やスタンド型のスクリーンに投写すると映像が歪んで見えることがあります。これは通常焦点のプロジェクターではほとんど問題にならない、スクリーン自体のわずかなたわみが強調されて見えるためです。

画像:超短焦点プロジェクターで投写画像が歪んで見えてしまう原理
図1: 超短焦点プロジェクターで投写画像が歪んで見えてしまう原理

この図の例では、スクリーンがわずかに凹んでいるため、本来の位置よりも上に光線が当たります。視聴者はスクリーンの反射光を投写画像として見ることになるので、反射位置のずれは投写画像のずれ(歪み)として認識してしまいます。

この現象は通常焦点型のプロジェクターでも発生していますが、投写面までの距離が長く光線の入射角が浅いため、反射光の位置はほとんどずれません。これに対し超短焦点プロジェクターでは、プロジェクターから投写面までの距離が短く光線が下方から鋭角に当たるため、ずれが大きくなり、投写画像が歪んで見えやすい原因となります。

画像:超短焦点、通常焦点プロジェクターによる投写状態の違い
図2: 超短焦点、通常焦点プロジェクターによる投写状態の違い

先回りして歪みを加工

投写画像をまっすぐに、歪まずに見えるようにするためには、視聴者の方向へスクリーンから反射される光線が正しい位置から飛んでくるように投写する光線をずらしておく、つまり、投写する画像自体を先回りして加工しておけばよいはずです。どう加工するかを決めるためにはスクリーンの状態を正しく把握することが必要です。

画像:映像を加工して投写する模式図
図3: 映像を加工して投写する模式図

重要となるスクリーン状態の安定的な把握

スクリーンの状態を正しく把握するために、キャリブレーション(校正)用のパターンを投写してカメラで撮るという作業を、投写開始前に1回だけ行います。そして、オリジナルのキャリブレーション画像の位置と、それを投写して正面からカメラで撮った画像の位置とを正確に対応付け、画像がどう歪むのかを計算します。

しかし、カメラで撮った画像はさまざまな要因で変動してしまうため、それを補い安定的に情報を取得するための工夫が必要です。このため、従来は、数十種類のキャリブレーション画像を投写・撮影して安定性を高めたり、カメラを三脚上に固定して手振れを発生させないようにしたり、照明光の影響を避けるため暗室での使用を前提にしていたりで、実用化には至っていませんでした。

リコーでは、まずキャリブレーション画像として安定性があるといわれている円を格子状に並べたものを選択しました。また、手軽に活用できるようにするために、スマートデバイスでの手持ち撮影を意識して、1回のみの撮影にすること、ある程度の手振れを許容することを目標にしました。さらに、通常のプロジェクター利用環境(完全な暗室は仮定できないこと)も考慮に入れました。こうした条件の下、キャリブレーション画像とカメラで撮った1枚の画像の円同士を正確に対応付けて、円の配置がどう変動しているかを解析していきます。

画像:キャリブレーション画像の比較
図4: キャリブレーション画像の比較

画像:撮影したキャリブレーション画像の拡大図
図5: 撮影したキャリブレーション画像の拡大図

リコーで長年培われてきた画像処理技術をベースとして新規開発した技術により、キャリブレーション画像とそれを撮影した画像の位置関係を、サブピクセル単位(1画素以下)で安定的に取得できるようになり、スクリーンの形状を精度よく推定することが可能になりました。

スクリーンの形状がわかれば画像がどのように歪んで投写されるかが計算でき、その逆方向の変形を投写する画像に施せば、変形と歪みが打ち消しあい、視聴者からは歪んでいない画像が見えることになります。

画像:歪み補正技術の適用結果
(補正前後の変化を分かりやすくするために、スクリーンは意図的に大きく変形させています。)
図6: 歪み補正技術の適用結果

図6が技術の適用結果の例です。わかりやすいように、極端に変形させたスクリーンに投写していますが、大きく歪んでいた画像がまっすぐになっています。

製品への応用

以上説明した技術により、ある程度の照明のある部屋で、手持ちのスマートデバイスで1枚だけキャリブレーション画像を撮影するだけで、スクリーンのわずかなたわみに起因するプロジェクター投写画像の歪みを補正することができるようになりました。iPad/iPhoneのアプリケーションとして提供する“TAMAGO Pita Projection”では、お手持ちのiPad/iPhoneを使ったプレゼンテーション時に、画像をまっすぐに歪みなく見えるように投写することが可能です。

画像:TAMAGO Pita Projectionの仕組み
図7: TAMAGO Pita Projectionの仕組み

また、本技術は超短焦点プロジェクターでの利用を想定して開発されましたが、通常焦点プロジェクターでも利用可能です。例えばスクリーンとプロジェクターが正対しないために発生する台形状の歪みも補正することが可能です。

※iPhone、iPadは、Apple Inc.の商標です。
※RICOH TAMAGO Pita Projectionは提供を終了しました。