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ドライ洗浄技術

水や溶剤を使わず、洗浄対象に樹脂フィルム片を気流で吹き付け、その衝突・接触で汚れを除去する環境にやさしい洗浄技術を開発しました。生産工程で使う治具やリサイクル部品の洗浄での応用が進んでいます。

本ドライ洗浄技術とその応用装置は、財団法人クリーン・ジャパン・センターから
平成23年度「資源循環技術・システム表彰」の「経済産業省産業技術環境局長賞」を受賞しました。

洗浄原理

資源のリサイクルを行っても、再生工程で発生する環境負荷が大きければ効果的なリサイクルとは言えません。リコーでは循環型生産システムの開発に注力し、水を使わない独自の「ドライ洗浄」技術を開発しました。

本技術は、数ミリ角の樹脂フィルムを気流で飛ばして洗浄対象に吹き付け、その衝突・接触により汚れを除去するものです (図1) 。薄くて軽いフィルムは洗浄対象に傷をつけることがなく、そのエッジ部で汚れを効果的にかき取るため、空気を吹き付けるだけでは取れなかった汚れも除去可能です。

汚れが除去された後は、気流とともに汚れのみが分離・排出され、樹脂フィルムは循環しながら繰り返し利用されます(図2)。水や溶剤を使わないだけでなく、薄くて軽いフィルムは素材自体の使用量が少ないうえに、繰り返し利用しても除去能力が低下しないため、交換せずにそのまま使い続けることができ、消耗品コストや環境負荷を大幅に抑えることが可能になります。

画像:図1:樹脂フィルムによる汚れの除去
図1:樹脂フィルムによる汚れの除去

画像:図2:汚れの分離・排出
図2:汚れの分離・排出

固着汚れ除去

生産工程での洗浄を大幅改善

リコーでは、これまで複写機やプリンター製品のリサイクルのため、廃液を出さないドライ洗浄技術の開発を進めてきました。これを他の生産工程にも応用することで、従来溶剤を使用してきた自動はんだ付けの治具(パレット)においても溶剤レス洗浄が可能になりました。

図3に示すように、自動はんだ付け工程(フローはんだ装置)では、すでにはんだ付け済の部品を熱から保護するためパレットという治具を使用します。はんだ付け工程では、接合面の酸化皮膜を除去するためフラックス(融剤)を使用しますが、パレットを繰り返し使用する間にフラックスが積層し固着するため、定期的に除去することが必要になります。

画像:図3:自動はんだ付け工程で使用されるパレットの断面図
図3:自動はんだ付け工程で使用されるパレットの断面図

従来は、この固着フラックスを除去するために、溶剤を用いて洗浄を行うのが一般的でしたが、溶剤使用および廃液発生に伴う環境負荷やコストが大きく、作業安全の面からも溶剤を使用しない洗浄方法が求められていました。

溶剤を使わず、はんだフラックスを洗浄

リコーでは、部品に付着しているトナー除去用に開発したドライ洗浄技術の応用/改良に取り組み、溶剤を使用せずに固着フラックスでもドライ方式で除去することが可能になりました。フィルム片は、除去されたフラックス粉との大きさが違うため分離が容易で、フラックス粉のみ集塵機で回収され、樹脂フィルムは循環しながら繰り返し利用されます(図4)。

画像:図4: 固着フラックス除去でのドライ洗浄
図4: 固着フラックス除去でのドライ洗浄

基板の自動はんだ付け工程の様子から、なぜその工程で使用するパレットを洗浄しなければならないか、従来の洗浄との比較、そして実際のドライ洗浄方式による洗浄について、分かりやすく映像でご紹介します。

映像1:ドライ洗浄による固着フラックスの除去

図5は洗浄を行う前のパレットと、本装置で2分間の洗浄を行った後のパレットです。

画像:(a) Pallet with adhered flux
(a) フラックスが付着したパレット

画像: (b) Pallet after dry washing
(b) 本装置で洗浄されたパレット

図5:洗浄前後のパレット

環境負荷削減の効果

このパレット洗浄では、環境負荷、洗浄コストを、従来の溶剤を使用した方法に比べて1/2~1/10(当社比)に削減することができ、これまで2時間以上かかっていた洗浄時間(工程リードタイム)も5分未満に短縮することができました(図6)。

画像:図6:アルコール系溶剤洗浄とドライ洗浄の工程比較
図6:アルコール系溶剤洗浄とドライ洗浄の工程比較

現在、国内および海外のリコー生産拠点において、はんだ付け工程で使用するパレットの洗浄に利用され、効果を上げています。

粉体汚れ除去

機器リサイクル時の部品洗浄工程に応用

リコーでは資源の有効活用という観点から、製品のリサイクルを行っています。資源のリサイクルを行うにあたっては、再生工程で環境負荷を増大させないことが重要です。複写機/複合機のリサイクルのための再生プロセスにおいては、洗浄工程がもっとも高い比率を占めています(図7)。

画像:図7:再生プロセス比率
図7:再生プロセス比率

ドライ方式による洗浄

本技術による洗浄方式は、リコーの生産拠点においてトナー除去に実際に利用され、効果を上げています。

図8はリサイクル部品のトナー除去用洗浄装置の例です。実際に部品を洗浄している様子はリコーのエコバナシ「ドライ洗浄」篇映像をご覧ください。

画像:図8:リサイクル部品のドライ洗浄機

図8:リサイクル部品のドライ洗浄機


映像2:リコーのエコバナシ「ドライ洗浄」篇


環境負荷削減の効果

リコーが開発したドライ洗浄方式では、脱水・乾燥の工程が不要となり、1時間以上かかっていた工程が約1分に短縮され、この洗浄による廃液削減を実現しました(図9)。

また、この時間短縮による工程改善により、リサイクルの処理量が大幅に増加し、再生コストも削減されます。

画像:図9:水洗浄とドライ洗浄の工程比較
図9:水洗浄とドライ洗浄の工程比較

旋回流式汚れ除去(旋回流式ドライ洗浄デバイス)

リコーのドライ洗浄技術では、粉体汚れ除去でも固着汚れ除去においても、洗浄装置のノズルから圧縮空気を噴出させ、その気流で樹脂フィルムを汚れに吹き付ける方法を用いています。しかし、圧縮空気は使用できる環境が限られ、小規模に使うには消費エネルギーの面でも改善の余地があります。この課題を解決するために、手軽に、掃除機などの吸引手段のみでドライ洗浄効果が得られる「旋回流式ドライ洗浄デバイス」を新たに開発しました。

図10はその原理を示したものです。

画像:図10:旋回流式洗浄デバイスの概略図
図10:旋回流式洗浄デバイスの概略図

旋回流式ドライ洗浄デバイスは、洗浄に使用する樹脂フィルムを本体内部に入れ、掃除機などの吸引口に接続して使用します。吸引によってデバイスの内部空間が負圧になり、インレットから外気が内部に流入します。流入気流は円環状の内部空間(旋回ドラム)の空気の流れを加速し、旋回気流を発生させます。この旋回気流により樹脂フィルムが高速に回転し、旋回ドラムの一部に開けられた開口部で洗浄対象の汚れの表面に衝突、その衝撃により汚れを除去します。気流とともに除去された汚れのみが分離・排出され、フィルムは循環しながら繰り返し使用されます。
吸引力で駆動するために、原理的に本デバイスは樹脂フィルムや粉塵を外部に飛散させません。このため、掃除機などの既存の集塵機を用いて、どこでも手軽に液体や溶剤を使わないドライ洗浄による汚れの除去が実現できます。

図11:旋回流式洗浄デバイス
図11:旋回流式洗浄デバイス


本デバイスを用いることにより、以下のような効果を得ることができます。
(1)液体や溶剤を使わずに、強力な汚れ除去ができる。 
(2)吸引駆動であるためゴミが飛散せず、周囲の環境に影響を与えない。
(3)原理がシンプルであるため、軽量・コンパクトに設計できる。
このような特長を活かし、作業スペースが少ないリサイクル現場や、生産装置内部の汚れを除去するメンテナンス工程に活用され始めています。

映像3では、旋回流式ドライ洗浄デバイスの特長・原理や、さまざまな対象物の洗浄の様子を紹介しています。


映像3:旋回流式ドライ洗浄デバイス