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環境コミュニケーション:お役立ち・環を拡げる -環境経営を読み解く-

地域のつながりを再生するビオトープ

地域のつながりを再生するビオトープ

ビオトープを中心に地域のつながりを再生

ビオトープの歴史は、ドイツの生物学者ヘッケルが「生き物のすむ空間」をギリシャ語の「bio=生命」と「topos=場所」を組み合わせた合成語「biotop」と名付け、その大切さを唱えたことに始まったと言われます。1976年に、環境先進国ドイツで初めて自然の復元を盛り込んだ自然保護法が制定されたことも手伝って、政府や企業、市民が協力して森林や池などを整備するビオトープづくりのムーブメントが広がったそうです。日本では、1990年代くらいから小・中学校の総合学習にビオトープづくりを活用するところが現れはじめ、以来、少しずつ広がっています。都市化が進み、地方でも生き物がどんどん減っていく中で、ビオトープづくりは、失われた自然の回復、子どもが自然とじかに触れ合って環境を学ぶ場として役立っているのです。中には、PTAなどの地域の人たちもビオトープづくりに加わり、校内だけでなく公園などにも生き物のすむ場所を広げている例もあるそうです。

地域のつながりを再生するビオトープ

このように、ビオトープづくりの重要な目的は、地域の人が土地の生態系を学ぶことで、生き物にやさしい地域づくりを考え始めることにあります。そしてもうひとつ、継続的な地域環境の保全活動を通じ、地域の人同士のつながりを再生することも、ビオトープの大切な目的といえます。だから、ビオトープを造るときは、できるだけ多くの人を巻き込むことが大切なのです。最近では、企業の間でも工場敷地内にビオトープをつくるところも珍しくありません。リコーの福井事業所や御殿場事業所のビオトープにも、児童や生徒をはじめ、たくさんの人々が訪れ、地域の環境教育の場として大いに活用されています。

生き物の気持ちになって、住みよい場所を造る

一般的なお庭や花壇は、人間にとって心地よい空間であればよいので、たいがいは人それぞれ、好きな草木や花を植えていきます。しかし、 ビオトープ は、その地域に本来あった自然を回復させるための空間ですから、何を植えてもいい、どんな生き物を放してもいいわけではありません。住んでもらう生き物は、"よそ者" ではなく土着の種やそれに近い種に限ります。たとえばトンボでも、地元にはどんなトンボが飛んでいるのか。そのトンボはどんな環境を好み、何を食べるのか。生き物の特徴や生息場所、食べものなどを詳しく調べる必要があります。

地域のつながりを再生するビオトープ

また、ビオトープでは池の作り方にも深いうんちくがあります。水辺と陸をつなぐ浅瀬には、魚、甲殻類、両生類、昆虫、植物などの生き物が住み、自然の食物連鎖や栄養循環が正しく行われます。多様な生き物が絡み合って生息し、自然の循環が機能している場所は、水も汚れないし、森も荒れず、生き物の最高の住みかになるのです。このようなビオトープの掟を知らない人が、浅瀬の勾配などを考えずに、見た目だけで唐突な池や水路を掘っても、本来の生態系は生まれません。その挙句には、アメリカザリガニやミドリガメなど外来種に喜ばれる水路になったり、そこらの人工池と変わらないコイトープ(コイしか住めない)と嘲笑われる結果になってしまいます。

青小ビオトープのダイナミックな生き物再生ドラマ

去年の2月、寒風吹きすさぶ中で造成されたビオトープが、1カ月ほどの沈黙を経て、カエルの産卵→おたまじゃくし誕生→藻や水草など水生植物の繁殖→やご(いずれトンボに)、青虫(いずれ蝶に)誕生→多摩川産メダカを放流→多様な生き物の住みかに...青山小学校ビオトープでは、そんなダイナミックな生き物再生のドラマがたっぷり楽しめます。

地域のつながりを再生するビオトープ

この青小ビオトープは、青山商店会連合会が企てた青山通りを生き物の通える道にするという「土地の記憶プロジェクト」の一環で行われたもので、リコーの環境ボランティアリーダーもお手伝いしました。青山地区は明治神宮や東宮御所など、緑豊かな場所が点在しますが、国道246で分断され、浅瀬の水辺も減ってしまったので、それらの緑地をつなぐ学校や企業などの敷地にビオトープを作ることにしたのです。青小の次には青山高校にもビオトープを造りました。

フランスは事業所ぜんぶがビオトープ!

青山のような東京のど真ん中でも、街を大きなビオトープにできるのですから、他の地域でも、生き物の視点で眺めてみれば、会社の工場の敷地、マンションやビルの緑地など、ビオトープにできそうな場所はたくさんあるはずです。ビオトープの本場の欧州では取り組みが一歩も二歩も進んでいます。 リコーフランスインダストリーズでは、工場の敷地を丸ごとビオトープにする目論見で、社員たちが計画的に造成を続けています。そしてもちろんこの活動もアルザス地方の環境保全活動「緑のネットワークづくり」と連携しています。

地域のつながりを再生するビオトープ

他にも、欧州のある自動車メーカーが、世界にあるすべての工場敷地と周辺の生態系調査を始めたそうです。これは、自社の開発や土地利用などで損なった地域の生物多様性を近隣に再生して、マイナス分を帳消しにする「生物多様性オフセット」を目指して行われたものです。 このような超先進的な取り組みがあらわれるのは、欧州では、地域や環境に対して責任ある行動をとらない企業に向けられるNGOや消費者の目が非常に厳しいからと言われていますが、グローバル化が進む最近では、日本企業にとっても対岸の火事ではありません。企業の敷地の緑化はいまや、花壇や記念植樹などで量を増やせばよいのではなく、緑の質を考えたビオトープの時代です。そして、生き物が集まる場所を再生するのは、一企業や学校だけでできることではありません。それぞれの土地で、人や組織がつながりながらやっていくことが大切なのですね。