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環境コミュニケーション:お役立ち・環を拡げる -環境経営を読み解く-

産廃処理はパートナーシップで

産廃処理はパートナーシップで

なくならない不法投棄。日本の山里はごみの山

時折、ニュースで取り沙汰されるサンパイ(産業廃棄物)の不法投棄事件。心ない人がいるもんだと、いや~な気分になりますね。紙やプラなどの普通ごみしか出さないオフィス勤務の人にはいまいちピンとこないかもしれませんが、事業系ごみのうち、特定の20種類のごみを 産業廃棄物 と言います。工場などから出される廃油、廃液、化学物質などで、排出した会社が責任をもって処理することが法律で義務付けられています。有害な物質は毒性を低くするための処理が必要だとか、燃やして処理した後の灰の捨て方や場所など、細かく規制に定められています。リコー製品の生産現場では、材料や製造工程で使うものを徹底的にリユース、リサイクルし、廃棄物をできるだけ少なくする工夫をしていますが、一部、特別の処理が必要な産廃は専門の業者さんに処理を委託します。業者さんはそれぞれの廃棄物を正しく処理し、きちんと処分してくれるはず...ですが、世の中にはほんの一部ですが、人里離れた山奥に捨ててしまう不届きな業者がいるのです。

産廃処理はパートナーシップで

なぜ、そんなことを?!と思いますが、廃棄物処理の現場を実際にのぞくと大変な手間とお金がかかるのがわかります。そこで「誰も見ていないだろう...」と人気の少ない山里や青木ヶ原樹海なんかに捨ててラクしちゃおうとするわけです。おかげで、富士山はごみが多くて世界遺産に登録してもらえなくなり、登山家の野口健さん(リコー社員の皆さんも活動を支援している)はポイ捨てに対する怒りにふるえながら、地道に清掃活動を続けているのです。

産廃の担当者が、事業者さんの現場に立ち入り監査

不法投棄があった場合、排出元の企業が責任を問われますが、廃棄物が適正に処理されるか実際のところは業者さん次第。そこでリコーグループでは、2005年から生産系事業所に監査員を育成し、処理業者さんの現場に出向いて、独自の監査をする取り組みを始めました。複雑な廃棄物処理プロセスや規制の詳細をガッチリ勉強した監査員の中には「県の産廃専門監査官よりもスゴ腕...」と業者さんが恐れをなす人物もいたとか...(笑)。立ち入り監査で、もし、どこかに処理の間違いや事故につながりそうなポイントを見つけたら、改善をお願いし、日を改めて改善結果をチェック。真面目に、確実に仕事をしてくれる業者さんとのパートナーシップを頼りにリコーは不法投棄防止を目指しているのです。中には、「ウチが出したごみをこんなに手間をかけて処理してるのね...」と監査員が感激するほどの業者さんもいるそうで、そのような会社には今後もどんどん仕事をお願いし、業績を伸ばしてもらいたい...というわけで、2010年から、優良廃棄物処理事業者を認定、表彰する制度をスタートしたのです。

産廃処理はパートナーシップで

真面目な事業者さんはココが違う!

リコー厚木事業所の廃棄物担当、結城とも子さんは、2008年に監査員養成研修を受けて監査員になりました。いくつもの立ち入り監査を経験してきた彼女が、まず、優良事業者として推薦したのが松田産業さん。2010年2月、東京新宿の本社に社環本 谷本部長他が出向いて、記念すべき認定事業者第1号の表彰式が行われました。松田産業さんもリコーの表彰をとても喜んでくださいました。

結城さんいわく、松田産業さんはとにかくスゴい会社で、廃棄物を回収するトラックのドライバーさんからしてプロフェッショナル。取引先の会社案内はもちろん報告書、取扱品目、構内配置図などを顧客ごとに分厚いファイルにまとめ、熟読してくるのだそうです。たとえば「構内配置図で外部に通じる排水溝の位置をチェックして、廃液をタンクに回収する時に、近い場合にはフタなどで防護してから作業する...」など、事故防止の作業フローはとにかく完璧。その態度や行動には感動すら覚えると言います。また、営業さんは廃棄物関連の規制の細かな改正をいち早く勉強していて、結城さんが法の解釈で迷った時は真っ先に相談にのってくれる強い味方だと言います。「松田産業さんはとにかく、みなさん信頼できる方ばかり。私たちメーカーは、こういう真面目な業者さんに支えられて日々生産を続けることができているんだと実感します...(涙)」

リコーが選んだ!!優良産廃事業者さん14社を表彰、公表

リコーは、この7月、優良事業者さん14社(20事業所)をホームページ上で公開することにしました。誰も見ていないところでキチンとやっている業者さんは、もっと得してもいいはず...との考えからです。表彰式の席で、松田産業さんが「この仕事は世の中の役に立っている、環境は僕らが守る...」という気高き志を語っておられましたが、環境経営報告書で毎年、紹介している優良事業者さんたちに共通しているのは「仕事に対する誇り」の持ち方なのです。そして、その誇りが人と人、会社と会社を信頼でつなぎ、ビジネスを持続可能なものにしているんですね。ホントに、いいお話です。