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環境コミュニケーション:お役立ち・環を拡げる -環境経営を読み解く-

LCAってなんだ?

環境頻出用語「LCA」をカレーライスからひも解くお話

LCAってなんだ?

カレーライスのカロリーではなく、LCAを計算する

LCAとはライフサイクルアセスメント。お仕事で環境に関わっている人の間では一般的な用語ですが、実はこのLCA、なかなか奥が深いので、使っている人も本当に理解しているかどうかは微妙です。今回はLCAの世界について理解を深めるため、身近なものを題材にLCAを語ってみようと思います。ふと目の前に、一皿のカレーライスがあると思ってください。LCAとは、このカレーライスがライフサイクルでどれだけの環境負荷を出しているかを把握することを意味します。把握するだけじゃなく、さらに「アセスメント」を行うところにLCAのスゴさかつ面倒くささが隠されています。

LCAってなんだ?

原材料にさかのぼったCO2 ...地産地消が1番!なわけでもない

LCAとは、物ごとに資源採取、原材料製造、製品製造、輸送、販売、使用、再利用、廃棄までのすべての環境負荷を算出するやり方です。カレーライス(レトルトカレーのつもり)のLCA算出には、じゃがいも、人参、玉ネギ、豚肉、油脂、小麦粉、調味料、スパイスのCO2排出量の計測が必要です。じゃがいもなどの野菜のLCAでは、農家の人が種を植え、肥料をまいて育て、収穫したあとトラックで農協に運び、農協からカレー工場に納入されるまでに使用される肥料、手間、ガソリンなどをすべて計算します。豚は誕生してからエサを食べて大きくなり、食肉にされてしまうまでの数年間にかかるエサや手間、豚自身の呼吸によるCO2まで計算します。「てことは、輸入のジャガイモなんて輸送時に出るCO2がとんでもないから、なるべく地元の野菜を使うべきですね」と、社環本でLCA担当の平井さんに尋ねたところ、「近けりゃいいってものでもないの、トラックか鉄道かで輸送の負荷も違うし、季節に逆らってハウス栽培なんかするとグンとエネルギーを使うから。"地元でとれた季節の野菜..."ならいいかもね」...なるほど。

ライフサイクルを知る ...1度きりの人生!というわけでもない

カレーライスの環境負荷※1を知るには、いったいどこから手をつけましょう。ライフサイクルとは、物が生まれてから死ぬまでの全期間を意味しており、人や動物だとわかりやすく誕生から死ぬまでのことです。では、物のライフサイクルとは何でしょう。物ができ上がってからなくなるまでという答えは間違ってはいませんが、これではちょっと不足。物をつくるには材料が必要です。材料も何かの資源でできていますから、物のライフサイクルを計るには、原材料に遡って資源を調達するところから始めなくてはなりません。また、物の最期の姿はいろいろです。カレーライスのように食べてなくなってしまえばシンプルですが、複写機などは再生複写機になったり、あるいは部品単位で再利用されたり、リサイクルで原料に戻されたりするので、セカンドライフやサードライフがあり、ライフサイクルがやたらと長くなります。このように、物の一生はなかなかの長い道のりを辿っているのです。

パッケージに使われるアルミはロシアの鉱山から...

カレー工場に集まった材料は生産ラインに投入されてカレーに加工されます。食品の大量生産ラインは衛生的にも人ができるだけ触らない方が安全なので、かなりエネルギーを喰いそうな生産装置で作られます。さらに、レトルトパッケージに使われる樹脂は石油の採掘から、アルミもボーキサイトの採掘現場からCO2を計算します。ロシアとかベトナムの山でボーキサイトを掘る時の重機やワーカーのエネルギーも環境負荷ですし、その後工程のアルミ製造にも大変な電力がいるそうです。それを中国の工場でレトルト用のシートに加工して、日本のカレー工場に... く~、気が遠くなりそう!と思っていたら「レトルトのアルミはリサイクル材を使うとバージン材料より負荷が小さいの...」と、当然のごとく平井さんが語ります。この辺で、素人は太刀打ちできなくなりました。

LCAってなんだ?

面倒だからこそ、どこに手を打てばエコかがわかる

さあ、いよいよ実食。スーパーで買ってきたカレーを温め、炊飯器で炊いたご飯にかけていただきます。もちろん調理のエネルギーと皿洗いの水も忘れずに組み込みましょう。外箱はきちんと紙リサイクルに回せば、CO2のおつりが来て、引き算されます。
というわけで、LCAの計算※2がいかに面倒か、よくわかっていただけたと思います。ではなぜ、仕事とはいえ、こんな面倒な計算を、平井さんをはじめ世の中の環境担当者は引き受けているのでしょうか? LCAは、原材料の調達ルートや製造の仕方を工夫すれば下げることができます。また、1分で温まるレトルトパウチ...といった省エネ設計をすれば、みんなのガス代もCO2も減らすことができます。そうです! LCAは物の各ステージの環境負荷を見て、いかに全体で環境負荷の小さいものを作るか!?という工夫をするために必要なのです。 無色透明で、視覚的には見えないCO2を見える化してくれるLCA。平井さんに頼んでメタボな人のLCAを見える化して公開してもらったら、おじさんのダイエット志向が高まるかもしれませんね?

  • ※1LCAで使う単位はCO2とは限りませんが、ここでは一般的なCO2で話をしておきます。
  • ※2これは「積み立て法」という手法です。他にもう少し算出を簡単にした「産業連関法」という計算法もあるそうです。