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市村自然塾15周年記念対談

画像:市村自然塾15周年記念対談その1

市村自然塾関東の15周年を記念して、自然塾の設立当初から現在まで携わってきた西野顧問(リコーOB元社会貢献推進室長)と、加藤代表理事(リコー サステナビリティ推進本部長)の対談を2017年1月20日に行いました。
対談は、塾設立の想いや15年間の変化を改めて確認するとともに、社会におけるこの取り組みの必要性や、リコーが支え続ける意義などにも及びました。

画像:加藤代表理事1
加藤代表理事

加藤  自然塾の取り組みを始めて15年が経ちました。自然塾設立当初から関わってくださっている西野さんが自然塾に対していま感じていらっしゃること、また、我々が自然塾をこれからどう育てていったら良いのか、西野さんの忌憚無いご意見やアドバイスを頂ければと思います。

画像:西野顧問1
西野顧問

西野 先ずは、どのようにして自然塾が生まれたのか、それはリコーが考える自然塾の理念や価値観とも関わってくると思いますので、その点からお話ししたいと思います。
一言で言うと自然塾は浜田広さん(当時、リコー会長)の“想い”そのものでした。当時、浜田さんは日本経営者団体連盟(日経連)の副会長をやっておられ、その活動の中で人材育成委員会の委員長をされていました。 浜田さんは当時、子どもたちの現状を見て、教育を改革しないと将来の日本は成り立たない、ましてやこれからグローバル社会の中に置かれ、日本人もどんどん世界に出て行って活躍するとなった時には、日本人としての品性、品格、そういうものも持っていないと世界の中で通用しない、と考えていました。
また、当時、リコーグループの創始者である市村 清の生誕100周年記念事業で何をやるか、という課題もありました。市村さんは創業の精神である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」にもあるように、「人を愛し」という、人への想いの強い人であったし、浜田さん自身も子どもたちの教育の問題に強い危機感があったので、生誕100周年記念事業ではリコーグループとして教育改革に取り組んでいこう、それをリコーグループの社会貢献活動としてやろうという意思を決められました。
リコーとして、市村清の生誕100周年記念事業として教育の改革をする、という大儀として社会貢献活動をリコー全体で進めてゆくことになりました。

加藤 自然塾をつくり、そこに子どもたちが3月から11月まで週末に隔週で通い、寝泊りして集団生活と農作業をするという、かなり大規模なプログラムになるまでにはいろいろな案を検討されたのではないでしょうか?

西野 枝葉末節は別にして、大きなところは、子ども達を集めて一年間寝泊りをして、そこで農作業をする、ということが浜田さんの気持ちとして元々ありました。

加藤 最初からプログラムの大きな骨組みは今の形だったのですね。

西野 寝泊りや農作業などの集団生活を共にして、自分たちの身の回りは自分たちでやる、自分たちが動かないと何も進まないということを体験しながら自主性を高めてゆく。これが人間の品格を高めてゆく、精神的な発達につながっていくという強い想いがありました。

加藤 夏休みだけ、などの短期間ではなく、一年を通して行う修行なのですね。

西野 そうです。自然あるいは農作業が子どもの成長を助けると思っています。つまり、土を作って、種を蒔いて、雑草を取って、育てながら収穫して食べる、という一連の活動を継続的にやることによって、初めて自然の難しさとか、耐える心の大切さが分かります。それが自然を学ぶことであり、わがままは通じません。相手が人間だったら、わがままを言えばたまには聞いて貰えたりするかもしれませんが、自然は、「今日、農作業するから雨止めて」と言っても雨は止みません。

加藤 そういう自然の摂理の中で学ぶのですね。

画像:西野顧問2
西野顧問

西野 また、対象とする子どもの年齢も考慮しました。自然塾設立当時も既に少子化が始まっており、一人っ子が多く、家に帰っても兄弟がいない家庭で育っている子どもが多かった。そこで対象を小学校4年生から中学生とし、塾へ来ると兄弟が大勢いるような環境で生活できるようにしました。小さな子はそこで揉まれ、大きな子は小さな子の面倒をみるなど、戦後に我々が育ってきたような環境の中で、子どもの成長を促していくことができると考えました。

画像:加藤代表理事2
加藤代表理事

加藤 私はリコーの幹部候補生の教育の一環にも自然塾を活用できないか、と考えてみたことがあります。子どもだけでなく、大人にとっても自然塾の人材育成への考え方は通じるものがあるのでは、と思います。

西野 その通りです。自然塾設立の理念と同じく、この考え方でリコーグループの社員が育ち、事業が行われているという事がリコーの柱であり、ガバナンスになると思います。
自然塾は、日本をより良い方向に向けていくために自然塾の理念で子どもを育てようとしてきました。それくらいの想いや背景が自然塾にはあります。リコーグループの企業価値もそこに根付いていると思います。
これまで15年やってきましたが、社会の環境変化と企業活動との結びつきを深化させ、更に飛躍するように育てていきたいですね。

加藤 今日は多くの気付きを頂きました。改めて自然塾の設立の背景や理念を伺い、心改まる気持ちです。この自然塾の理念をリコーグループ社員にももっと伝えていきたいと思います。また、「農作業から学ぶ」「共同生活から学ぶ」「異年齢から学ぶ」という自然塾の基本的な考え方を軸としながらも時代に応じた改善を加え、これからもこの価値を提供し続けていきたいと思います。
本日は貴重なお話し本当にありがとうございました。

【市村自然塾 関東の概要】

リコーおよびリコー三愛グループ創業者 市村 清の生誕100周年を記念して設立されたNPO法人。2002年から、「生きる力を大地から学ぶ」を基本理念に、農作業を中心とした自然体験活動、共同生活を通じて子どもたちの健全な成長を支援し続けている。
参加する子ども達は、農作物の栽培を通して自然の恵みと厳しさ、食物、道具の大切さを、共同生活を通して協調、協力の大切さを体験から学ぶ。
これまでに約800名もの卒塾生を輩出。10年以上にわたる継続的な取り組みが高く評価され、2013年に日本フィランソロピー協会主催「第10回 企業フィランソロピー大賞・大賞」を、2014年には文科省主催「第1回 青少年の体験活動推進企業表彰・文部科学大臣賞」を受賞。

●活動場所:神奈川県足柄上郡松田町寄(やどりき)
●塾生の対象年齢/人数:小学4年生~中学2年生/56名(男女各28名)
●活動期間:3月~11月(延べ18回隔週開催/各回 金曜日~日曜日2泊3日)

※詳細は、市村自然塾 関東ホームページをご参照ください。
 http://www.szj.jp/