AbstractClub - 英文技術専門誌の論文・記事の和文要約


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Science May 10, 2002, Vol.296


速報(Brevia)

著者たちはフィンランドの1640〜1870の教会記録から、男子と女子を持つ家族の母親の寿 命を調べた。当時はトナカイの牧畜、狩猟などで生計をたてており、近代的な医療もなく 、自然な死亡率を反映している。その結果では、子供の数には関係なく、男子を育てた場 合の母親の寿命は女子の場合に比べ、著しく低減することが分かった。男子1人あたり 34週間の寿命低減に相当する。一方、女子の場合には寿命が伸びる。男の胎児を妊娠する と免疫抑制効果を持つテストステロンのレベルが高くなる。多数の男子を妊娠すると免疫 老化が進み、寿命に影響を与える。又、社会的に女子は成長するに従い家庭の手伝いをす ることも関係するようだ。(Na)
Sons Reduced Maternal Longevity in Preindustrial Humans
   Samuli Helle, Virpi Lummaa, and Jukka Jokela
p. 1085.

彗星への接近通過(Comet Flyby)

彗星の核は、我々の太陽系が形成された当時の始原的な物質が凍結された残存物を含んで いる可能性がある。しかしながら、オールトの雲に起源を持つ彗星である、1P/Halley の 核がこれまで撮像された唯一のものである。Soderblom たち (p.1087) は、カイパーベル トに由来する彗星である、19P/Borrelly の核の画像とスペクトルを示した。それは 、2001年9月のDeep Space 1 のイオン推進宇宙探索機による彗星との接近通過(2171 km にまで接近した)の過程で集められたものである。Borrelly の核は極めて暗く、Cタイプ の小惑星に類似なアルベドを有しており、そして、それの表面は斑(まだら)ででこぼこし ている。スペクトルによると、その核は非常に乾燥しており、水や水和した鉱物が存在す る証拠はない。いくつかの一方向に放射するダストとガスのジェットは、その彗星は なお活発に昇華しており、主要なジェットは、Borrelly のコマが太陽に向かって対称で はないことを物語っている。(Wt,Tk)
Observations of Comet 19P/Borrelly by the Miniature Integrated Camera and Spectrometer Aboard Deep Space 1 
   L. A. Soderblom, T. L. Becker, G. Bennett, D. C. Boice, D. T. Britt, R. H. Brown, B. J. Buratti, C. Isbell, B. Giese, T. Hare, M. D. Hicks, E. Howington-Kraus, R. L. Kirk, M. Lee, R. M. Nelson, J. Oberst, T. C. Owen, M. D. Rayman, B. R. Sandel, S. A. Stern, N. Thomas, and R. V. Yelle
p. 1087-1091.

光を用いた三つの方法(Three Ways with Light)

三編のレポートで説明されているように、材料を作ったりあるいはデバイスにパワーを与 えるために様々な方法で光が用いられている。光を用いた粒子の操作として一般的には捕 捉と回転に限られていた。MacDonald たち(p.1101)は、三次元構造の微粒子を作った り、操作するために光の干渉に基づく一連の技術を開発した。Laguerre-Gaussian光学ビ ームによって形成された干渉パターンにより、らせん状構造の光学的捕捉を形成し、それ を用いて微粒子を三次元的に捕捉し、回転・移動することが出来る。ナノテクノロジーで 困難な課題の1つは、小さなデバイスにエネルギーを供給することであるが、1つの可能 性として光の形でエネルギーが供給されうる。Hugelたち(p. 1103)は、アゾベンゼン ポリマーの個々の鎖に光−駆動のシス−トランスの異性化反応を利用 し、力を発生して力学的な仕事をすることを示している。一般的な三次元形状作成法では 、二本のレーザビームを用いて空間のある点に集光し、酸の形成といった光反応プロセス によってポリマー前駆体の反応を開始させることが知られている。非線形の二光子励起 (赤外線二光子が結合して紫外励起を行う)により、好ましからざるバックグラウンドの重 合を抑えることが出来る。Zhouたち(p.1106)は、ポジティブ−トーン (Positive‐tone)な微細加工法における初期の結果と同じように、はるかに効果的な二光 子過程による酸発生方法を報告している。(KU)
An Efficient Two-Photon-Generated Photoacid Applied to Positive-Tone 3D Microfabrication
   Wenhui Zhou, Stephen M. Kuebler, Kevin L. Braun, Tianyue Yu, J. Kevin Cammack, Christopher K. Ober, Joseph W. Perry, and Seth R. Marder
p. 1106-1109.
Single-Molecule Optomechanical Cycle
   Thorsten Hugel, Nolan B. Holland, Anna Cattani, Luis Moroder, Markus Seitz, and Hermann E. Gaub
p. 1103-1106.
Creation and Manipulation of Three-Dimensional Optically Trapped Structures
   M. P. MacDonald, L. Paterson, K. Volke-Sepulveda, J. Arlt, W. Sibbett, and K. Dholakia
p. 1101-1103.

最初の圧痕化石の問題点(First Impressions Count)

後生動物は先カンブリア紀後期(約6億年より前)に発生し、その後カンブリア紀の大爆 発を通して多様化したものと通常考えられている。しかしながら、分子遺伝研究による手 がかりを含めて、もっと古い進化を示す幾つかの手がかりがある。Rasmussen たち (p.1112)はオーストラリアのStirling Range Formationからの岩石を再調査し年代を 推定した。その岩石は幾つかの容認されているエディアカラ動物群(ediacaran fauna;ク ラゲに似た軟体部のみからなる動物)に類似の円盤形の印象化石にある程度基づいてエデ ィアカラ時代(先カンブリア紀後期)として暫定的に同定された。しかしながら、ウラン ‐トリウム‐鉛による年代推定法では、その岩石の年代が12億1500万年よりも更に古い時 代としている。この円盤形の圧根痕化石は非生物的な起源の可能性もある。著作 たちは絶滅した後生動物かあるいは系列のいずれかの動く生物体の化石化した足跡のよう なものも見つけている。(KU)
Discoidal Impressions and Trace-Like Fossils More Than 1200 Million Years Old
   Birger Rasmussen, Stefan Bengtson, Ian R. Fletcher, and Neal J. McNaughton
p. 1112-1115.

電子の居場所(The Wheres of Electrons)

量子ドットに関する輸送特性の測定は、単一電子の帯電効果とクーロン反発力を明らかに してきたが、それらはそのドットの内部で電子がどこにあるのかについての情報を与えて はくれない。走査プローブは十分な空間分解能を有するが、一般的には非常に限られた電 子に関する情報が得られるだけである。ある原子間力顕微鏡において金属で被覆したチッ プを用いることにより、Woodside と McEuen (p.1098) は、走査プローブ顕微鏡を拡張し て、量子ドット内部の単一の電子を画像化している。(Wt)
Scanned Probe Imaging of Single-Electron Charge States in Nanotube Quantum Dots
   Michael T. Woodside and Paul L. McEuen
p. 1098-1101.

南アメリカでの大きな衝突( A Big South American Hit?)

テクタイト(Tektite)は、衝突現状に起因して、溶解した噴出物が元になったガラス状物 質である。このガラス状物質は、インドネシア、オーストラリア、そしてチェコ共和国の いくつかの地域に集中して存在して落ち、衝突により散乱された場所であると考えられて いる。Blandたち(p.1109; Meloshによる展望記事参照)は、アルゼンチンのパンパス平原 にテクタイトが散らばっている場所を発見した。彼らの観測によると50万年前に直径 0.5キロメートルの爆発流星(bolide)がこの平原に衝突したことを示している。(TO)
ASTEROIDS:
Traces of an Unusual Impact

   H. J. Melosh
p. 1037-1038.
A Possible Tektite Strewn Field in the Argentinian Pampa
   P. A. Bland, C. R. de Souza Filho, A. J. T. Jull, S. P. Kelley, R. M. Hough, N. A. Artemieva, E. Pierazzo, J. Coniglio, L. Pinotti, V. Evers, and A. T. Kearsley
p. 1109-1111.

大量に培養(Culture for the Masses)

微生物学の大きな課題は、バクテリアの99%が、自然の状態から分離することができす 、実験室の中で培養できないことである。Kaeberleinたち(p.1127;Greenによるニュース 記事とp.1055から始まる特集を参照)は、海洋バクテリアを自然沈殿と接触はしているが 、それからは分離した状態で純粋培養物を成長させ継代する単純なdiffusion-chamber手 法を開発した。彼らは、ほとんどの分子生物学者や生態学者の要求を満足させることがで きる、純粋な生物体の十分な量を獲得した。彼らの初期の研究は、天然に発生するバクテ リアを培養することの最初の障壁は、栄養素に対する独特な相互依存性であったり、また は種の間で様々な拡散可能なシグナルのあることであることを示す。(TO)
Earth, Air, Fire, and Water
   Caroline Ash, Brooks Hanson, and Colin Norman
p. 1055.
MICROBIOLOGY:
New Method for Culturing Bacteria

   Katie Greene
p. 1000.
Isolating "Uncultivable" Microorganisms in Pure Culture in a Simulated Natural Environment
   T. Kaeberlein, K. Lewis, and S. S. Epstein
p. 1127-1129.

第三の方法(The Third Way)

人間社会においてどのようにして協力的なグループが発達し生き残るのかということは 、進化生物学において繰り返し問題にされてきた。個々の人間の間における協力はより大 きな公益(goods)を導くが、協力的グループ内での違反者は、もっと多くの利益 (benefits)を獲得することができる。懲罰は、犯人が特定できる小さなグループにおいて のみ効果を発揮する。Hauertたち(p.1129)は、この中に、第3のタイプのエージェント 、単独行動者(loner)を加え、この役割の構成を変容した。彼らは、引き下がったり関与 しないことを選択することで、子供の遊びのジャンケンのように、個人がその振る舞いを 変化させて、協力者、離脱者、単独行動者がダイナミックに共存することが可能であるこ とを導いた。(TO)
Volunteering as Red Queen Mechanism for Cooperation in Public Goods Games
   Christoph Hauert, Silvia De Monte, Josef Hofbauer, and Karl Sigmund
p. 1129-1132.

細菌がビタミンB12を得る方法(How Bacteria Get Their Vitamin B12)

物質を細胞の中へまた外へ輸送する膜タンパク質の最大のクラスは、それらがATP加水分 解によるエネルギーを能動輸送に結び付けるアデノシン三リン酸(ATP)結合(binding)カセ ット(cassette)領域を共通にもっていることから、ABC輸送体として知られている。この ABC輸送体ファミリには、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス制御因子や多剤耐性タンパ ク質などが含まれる。Locherたちは、細菌がビタミンB12を蓄積できるようにしている輸 送体BtuCDの3.2オングストロームの解像度構造を提示している(p. 1091; またDavidsonに よる展望記事参照のこと)。20個のらせん体から形成される膜貫通小室の半分同士の間 、およびこれら半分と細胞質のABC領域の間、のインタフェースの配置は、いかにして輸 送経路が開閉するかについての提案を導くものである。(KF)
STRUCTURAL BIOLOGY:
Not Just Another ABC Transporter

   Amy L. Davidson
p. 1038-1040.
The E. coli BtuCD Structure: A Framework for ABC Transporter Architecture and Mechanism
   Kaspar P. Locher, Allen T. Lee, and Douglas C. Rees
p. 1091-1098.

異数性に間する洞察(Insights into Aneuploidy)

染色体のコピーを正常数より多いまたは少ない(異数性)ようにする減数分裂の誤りは、胚 にとって致死的となることが多い。生殖系列細胞の生成時(減数分裂)、シナプトネマ構造 (SC)によって相同染色体が広範囲にわたる対形成と組換えをされる。前の研究によれば 、SCフィラメントタンパク質SCP3は雄の繁殖性に必要である。Yuanたち(p 1115)は、マウ スの雌性胚細胞におけるSCP3の役割を分析し、SPC3欠乏のマウス雌は健康な子孫を出産す るが、染色体の異常のため同腹仔の数が少ないことを発見した。それに加えて、染色体の 異常の発生率が母の年齢に伴い増加する。このマウスモデルは、ヒトにおける染色体の不 分離と年齢依存の異数性について明かにするうえで役に立つかもしれない。(An)
Female Germ Cell Aneuploidy and Embryo Death in Mice Lacking the Meiosis-Specific Protein SCP3
   Li Yuan, Jian-Guo Liu, Mary-Rose Hoja, Johannes Wilbertz, Katarina Nordqvist, and Christer Höög
p. 1115-1118.

糖尿病性ショウジョウバエだって?(Diabetic Fruit Flies?)

ショウジョウバエのゲノムは、ヒトのインシュリンと配列相同性をもついくつかのペプチ ドをコードする。細胞切除の実験を行ない、Rulifsonたち(p 1118)は、幼虫の成長に必要 な全身性インシュリンの第一の源は背側正中脳における小数のニューロンであることを示 している。このニューロンは、炭水化物代謝の制御を含む哺乳類の膵臓の島B細胞と同様 の面白い機能的な性質をもつ。この研究は、ショウジョウバエのような遺伝的に扱いやす い無脊椎動物はインシュリン依存性糖尿病を研究するための有用なモデルになる可能性を 示している。(An)
Ablation of Insulin-Producing Neurons in Flies: Growth and Diabetic Phenotypes
   Eric J. Rulifson, Seung K. Kim, and Roel Nusse
p. 1118-1120.

タイミングの問題(A Matter of Timing)

Wolbachiaは、多様な昆虫種を感染することによって、昆虫の生殖の動力学を変化させる 細菌である。細胞質の不適合性は、このような感染の1つの症状であり、感染性のオスの 精子が非感染性のメスの卵を受精すると胚の死亡が発生する。2つの感染性昆虫の交配は 、完全に生殖力のあるものとなる。TramとSullivan(p. 1124;Zimmerによるニュース記事 参照)は、細胞質の不適合性の尤もらしい原因を探索し、受精の直後におこる母性前核と 父性前核との間の誘発の非同期性が受精後の最初の細胞分裂の有効完了を阻止することを 発見した。(An) blockquote> EVOLUTIONARY BIOLOGY:
Timing Is Everything for Wolbachia Hosts

   Carl Zimmer
p. 999-1000.
Role of Delayed Nuclear Envelope Breakdown and Mitosis in Wolbachia-Induced Cytoplasmic Incompatibility
   Uyen Tram and William Sullivan
p. 1124-1126.

細胞周期の方向性(Cellular Stage Directions)

細胞が細胞周期を進行させるにつれて、細胞が一つのステージを終了して次のステージへ と進行させることができるメカニズムが存在しなければならない。Ogawaたち(p. 1132;La Thangueによる展望記事を参照)は、遺伝子が抑制因子タンパク質E2F-6により G0期においてスイッチオフされるメカニズムを研究する。彼らは、E2F-6が、Mgaおよび Maxを含む多タンパク質複合体中に存在することを見いだし、この複合体は、E2F結合部位 の他、Myc-結合部位やBrachyury-結合部位にも結合することができ、そしてヒストンメチ ルトランスフェラーゼ、転写抑制因子HP1、およびポリコームG(PcG)タンパク質などの クロマチン修飾物質も含むことを見いだした。この多タンパク質複合体は、静止期細胞中 のE2F-6-反応性プロモーターを標的とするが、G1細胞中のものは標的としない。悪性腫 瘍細胞はその能力を失い、G0期に進行するため、細胞周期-依存性遺伝子発現を支配する メカニズムを解明することにより、細胞制御に関して重要な情報が示されるかもしれない 。(NF)
TRANSCRIPTION:
Chromatin Control--a Place for E2F and Myc to Meet

   Nicholas B. La Thangue
p. 1034-1035.
A Complex with Chromatin Modifiers That Occupies E2F- and Myc-Responsive Genes in G0 Cells
   Hidesato Ogawa, Kei-ichiro Ishiguro, Stefan Gaubatz, David M. Livingston, and Yoshihiro Nakatani
p. 1132-1136.

まわって、まわって(Round and Round)

コミュニティーにおける種間相互作用のパターニングが、そのコミュニティーの安定性に 寄与する、という理論および経験的な証拠が形成されつつある。Neutelたち(p. 1120;Raffaelliによる展望記事を参照)は、土壌食物網からのデータを使用して、“ル ーピング”相互作用(たとえば、種Aが種Bに影響を及ぼし、それが種Cに影響を及ぼし 、それが翻って種Aにフィードバックする、長さ3のループを含むもの)の安定性に対する 関与を調べる。第一に、彼らは、研究室での研究とフィールドワークの研究とを使用して 、それぞれのシステム構成要素の接触速度およびバイオマスを推定する。次に、彼らは 、これらの測定値を、マトリックスモデルと関連づけて、それぞれの構成要素の存在度に おける変化が、その他のシステム構成要素における成長速度における変化 をどのように反映するかについて記載する。最後に、彼らは、それぞれの構成要素内での 自己-制限(濃度依存性)の程度を援用する。これらのステップにより、ループ“ウェイ ト”という、システムの安定性を特徴づけるために使用することができる新しい基準の評 価を提供する。(NF)
ECOLOGY:
From Elton to Mathematics and Back Again

   Dave Raffaelli
p. 1035-1037.
Stability in Real Food Webs: Weak Links in Long Loops
   Anje-Margriet Neutel, Johan A. P. Heesterbeek, and Peter C. de Ruiter
p. 1120-1123.

長距離制御(Long-Distance Control)

哺乳類では、発生の過程で、2つの性の間の情報含有量を同等にするために、X染色体の 1コピーが働かないようにさせられる。25年にわたって、研究者たちは、このプロセスに 必須の要素がX染色体の外にあるのではないかと考えてきた。このたびPercecたちは、2つ の常染色体上の部位が、X連結要素と一緒に、X不活性化経路の一部として、トランスで作 用することの直接の証拠を提示している(p. 1136)。彼らは、マウスの遺伝的スクリーン を用いて、胚形成の初期における不活性化のランダムさに影響を与える変異を明らかにし た。そうした変異のさらなる分析は、サイレンシングされる染色体の初期の選択の背景に ある機構の理解を助けるにちがいない。(KF)
Autosomal Dominant Mutations Affecting X Inactivation Choice in the Mouse
   Ivona Percec, Robert M. Plenge, Joseph H. Nadeau, Marisa S. Bartolomei, and Huntington F. Willard
p. 1136-1139.

島々、平衡状態、そして種分化(Islands, Equilibria, and Speciation)

細胞の情報伝達経路に関する今までの知識と、遺伝子やタンパク質の分析から、生理学の 基本となる制御ネットワークの特徴が分かってきた。実際、代謝経路や情報伝達陸に棲む 鳥類の小アンティレス諸島における相対的なコロニー形成時期を推定するために分子系統 発生を調べることで、RicklefsとBerminghamは、長期間にわたる種の蓄積パターンが、定 常的なコロニー形成と消滅がある場合に予測される指数関数的分布には従っていないこと を見出し、むしろそのデータは「55万年から75万年前に、コロニー形成率が急激におよそ 10倍になったか、90%におよぶ大量絶滅イベントがあった」と結論づけている(2001年11月 16日号の報告 p. 1522)。Cherryたちは、RicklefsとBerminghamはデータを説明できる可 能性のある他のモデル--とくにCherryたちが「さらなる検討に値する」と考えている、渡 りと種分化を取り込んだモデル、を十分検討していない、とコメントしている 。RicklefsとBerminghamは、Cherryたちの提案を「私たちの分析に対する重要な代替案」 と呼んでいる。彼らはまた、これら2つのモデルのどちらがより良い説明を与えるかの決 定は、「遺伝的変異の地理的構造をどれだけうまく予測できるかによってテストできる 」とも述べ、このテストがCherryたちのモデルではうまくいかない傾向があると示唆して いる。これらコメント全文は、
www.sciencemag.org/cgi/content/full/296/5570/975a で読むことができる。(KF)
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